本稿では
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を使う上で重要となるメディア・リテラシーを論じている。具体的には,
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の運営・品質管理体制や方針, 参加者の動機, 利害関係者の動機や影響力などを解説し,
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の特定の項目の信頼性を見積もる上でそれらがどのように手がかりとなるかを論じる。また,
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の信頼性・品質に関する既存の調査の傾向に触れつつ, 限界を指摘する。他の資料との併用が有益であること,
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は他の資料への入口としても有用性を増しつつあることを述べる。最後に, 中長期的な視点に立つと,
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への貢献も, 信頼性の問題への有意義な解決方法であり, 直接的な貢献の他にも多様な間接的貢献法があることを説明する。
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