は,生産量多く,広い用途に使用されているにもかかわらず,その生産や使用に伴う環境汚染の実態についてはほとんど知られていない.
類の主要な用途の一つである水溶性切削油には界面活性剤として,さび止め剤として亜硝酸ナトリウムが添加されており,保存や使用期間中に,発がん物質であるN-ニトロソ化物の生成が予想される.そこで切削油中のとN-ニトロソジを同時に定量する分析法の検討を行った.
分析法は切削油の亜硝酸を尿素で分解した後溶媒を窒素気流中で加熱留去し,シリル化後,水素炎イオン化検出器(FID)付きガスクロマトグラフ(GC)及び多重イオン検出器 (MID)付きガスクロマトグラフ質量分析計(GC-MS)により定量する. GC-MS-MIDの指定質量数(m/e)はモノが 102, ジ及び N-ニトロソジは 130,トリは 262を用いた.
試料 10mgを用いたときのモノ,ジ,トリ及び N-ニトロソジの実用定量限界は GC-MS-MIDの場合は各々1, 1, 1, 5ng程度であり, GC-FIDの場合は各々 4, 2, 2, 4μg程度である.

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トマト・アルターナリア茎枯病菌が生成する宿主特異的AL毒素は,感受性トマト葉組織において,の蓄積を誘起することを先に報告した。この関連で,リン脂質代謝系,特にホスファチジル生合成系におよぼすAL毒素の影響について検討した。感受性および抵抗性品種のトマト葉組織ディスクに[¹⁴C]を添加したところ,[¹⁴C]の葉組織への取込みは両品種とも毒素処理の有無にかかわらず同程度に認められたが,ホスファチジルへの取込みには毒素処理した感受性葉組織においてのみ阻害された。一方,AL毒素のホスファチジルコリンの生合成への影響を比較した結果,感受性葉組織において[¹⁴C]コリンのホスファチジルコリンへの取込みはほとんど阻害されなかった。これらの結果は,AL毒素が感受性トマト葉組織においてのみへの生合成経路を阻害する可能性を示している。

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N -アシルは長鎖脂肪酸のエタノールアミドであり，動物組織に存在して脂質メディエーターとして機能する一群の脂質分子である．そのうちN -アラキドノイル（慣用名アナンダミド）はカンナビノイドレセプターのアゴニストとして働き，カンナビノイド様生物作用を発揮する．またN -パルミトイルとN -オレオイルは，それぞれ抗炎症・鎮痛作用，食欲抑制作用を持つ．これらの化合物はグリセロリン脂質を出発材料として生合成された後，脂肪酸とに加水分解されることで生物活性を失う．分解酵素については膜に存在する脂肪酸アミド加水分解酵素（fatty acid amide hydrolase: FAAH）が古くから知られているが，著者らが見出したリソソーム酵素であるN -アシル水解酸性アミダーゼ（N -acylethanolamine-hydrolyzing acid amidase: NAAA）も同じ反応を触媒する．本稿では，N -アシルの生理機能を概説した後これら2つの加水分解酵素に焦点を当て，さらに新規医薬品への応用が期待されているこれらの阻害薬の開発についても紹介する．

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強アルカリ性溶液内でマンガン(III)トリ錯体(緑色)は多量のシアンイオンが共存すると,徐々に還元されてマンガン(II)トリ錯体(無色)に移行する.そして酸素によって再びその大部分はマンガン(III)トリ錯体に酸化することができるが,放置時間が長くなるにつれて,マンガン(III)トリ錯体に酸化される部分はしだいに減少する.これはマンガン(II)トリ錯体が漸次シアンイオンを配位した新しい錯体となり,この錯体は酸素によってマンガン(III)トリ錯体にもどらないからであると考えられる.共存するシアンィオンの濃度が約0.02M以下ならば,この還元はきわめておそくマンガンの定量分析上無視できる.

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メタノールで修飾したカオリナイトと各を反応させることでカオリナイト-有機ナノハイブリッドを合成した。XRDより基本面間隔の増大が、¹³C MAS NMRよりメトキシ基の脱離との導入が示された。また、TG-DTAより固定化有機基の燃焼を示す重量減少を伴った発熱ピークが観測されたことから、がカオリナイト層間でグラフト化していることが示された。

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陽イオン交換樹脂によって,市販のトリの分離定量を行なった。Dowex 50W-X8, 100～200メッシュの樹脂柱(0.8×13.4cm)を用い, 0.05mol/lホウ砂水溶液で溶離すると,トリ→ジ→モノの順に3者を完全に分離することができた。トリは紫外吸収(218mμ)により,ジ-およびモノは2, 4-ジニトロフルオルベンゼンで発色させることによりそれぞれ定量した。この方法を市販の試藥トリ4例について試みた。ジは6～11mol%含まれていたが,モノは一例に4mol%含まれていただけで,他の3例には認め得るほどには含まれていなかった。

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　大気汚染物質の重要な指標であるNO₂(二酸化窒素)濃度の短期暴露測定法の1つである天谷式簡易測定法の検討を試みた。大気中のNO₂濃度が比較的低い場合(<7ppb),同一地点に設置された5つのNO₂捕集管の測定値の変動係数は大きくばらついたが,NO₂濃度が7ppb以上では変動係数は13%以下におさまった。また,暴露時間を通常の24時間以上にした場合,暴露時間の長さに反比例して,捕集管の捕集効率の低下がみられ,また,変動係数が増大した。大気測定局と同一地点で実施された24時間の簡易測定によるNO₂濃度値(x)は,大気測定局の値(y)と良い相関(r=0.82)を示し,両者にはy=0.73x+0.14という関係がみられた。しかし,気象条件によっては,この簡易測定によるNO₂濃度の捕集効率が低下する場合もみられた。

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強酸性イオン交換樹脂を固定相に用いる高速液体クロマトグラフィーにより,モノ,ジ,トリ,N-メチル,N,N-ジエチルを分離定量した.カラム溶出液中のアルカノールアミンの検出には,次亜塩素酸塩とアルカノールアミンを反応させてクロラミンを生成させ,過剰の次亜塩素酸塩を亜硝酸塩で還元した後,クロラミンとヨウ化カリウムを反応させ,生成する三ヨウ化物イオンを検出するポストカラム反応を用いた.(3×10^-8～1.5×10^-9)molのアルカノールアミンを用いて作成した検量線は良好な直線となり,標準溶液中のアルカノールアミンも精度よく定量できた.

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0.5Mトリ-1M水酸化ナトリウム-0.02Mシアン化カリウムを支持塩として鉄鋼,鉄鉱石中のマンガンを相対誤差5%以内の精度で定量した.この系の支持塩を使用すれば銅波を消去できる利点があるが,つぎの点を考慮する必要がある.
i)マンガン(III)トリ錯塩はシアン化カリウムにより還元され,マンガン(III)の拡散電流は時間の経過とともに減少する.これはシアン化カリウムの濃度を低くすることにより防ぐことができる.
ii)アルカリ性トリ溶液のなかにクロム(III)が共存する場合,マンガン(II)はマンガン(III)トリ錯塩をつくらずに沈殿する.これはあらかじめクロム(III)をクロム(VI)に酸化しておけば防ぐことができる.

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陰イオン活性剤10種およびトリの水溶液による軟鋼, 亜鉛, アルミニウム, スズの腐食試験を, 温度40℃で70時間,試験片を活性剤水溶液中に浸漬して行なった。軟鋼はオレイン酸ソーダ,オレイン酸トリ塩,ロート油およびトリェタノールアミン水溶液では腐食を生じなかった。亜鉛はどの活性剤水溶液でも腐食を生じたが, トリの水溶液では腐食が少なかった。アルミニウムはトリの水溶液では腐食を生じたが, 他の活性剤水溶液では腐食を生じなかった。スズはドデシルべンゼンスルホン酸トリ塩およびロート油の水溶液では腐食を生じなかった。また同じ活性剤のソーダ塩とトリ塩を比較すると, 一般に軟鋼, 亜鉛に対してはソーダ塩水溶液の方が, スズに対してはトリ塩水溶液の方が腐食が少なかった。なお腐食抑制効果を持つ塩を活性剤水溶液に添加してその効果を検討した。

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Easy method of NO₂ measurement used triethanolamine filter paper has been studied by many workers.
In this work, the reliability and accuracy in this method, and many applications were examinea.
1) The scatters of the measured NO₂ concentrations of 10 samples at each station were expressed as nearly normal form distribution, and these in the standard deviation were in about ±20% of average value.
2) The relationship between the sample number N and sampling deviation σ/X was expressed as Log (σ/X) =-0.93 Log N+0.447.
3) The relationship between the capsule NO₂ concentration (μg/5ml) and the daily mean concentration (ppm) of Saltzmann NO₂ meter was expressed by NO₂ (ppm) =0.0125×NO₂ (μg/5ml) +0.0051 with ±20% error of ppm concentration.
4) The relationship between the measured NO₂ concentrations of upward-capsule and the downward-capsule could be cleared the field-influence of NO₂^- mist, particulate contained NO₂^-, etc.

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類は、二酸化炭素を吸着する物質として注目を集めているが、種々のコンフォーマーが存在する事が知られている。そこで高次元アルゴリズムを使ってダイマーに水4分子を含めた構造最適化を行ったところプロトン移動に有利な構造が多数得られることがわかった。

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トリ (TEAと略記)-シアン化カリウムを複合錯形成支持塩として用い, おのおのの錯形成剤によって形成される金属錯塩の安定度定数の相違により, マンガンをトリ錯塩, コバルトをシアン錯塩とする。この方法でコバルトをポーラログラフ的に後放電者として, マンガン (III) トリ錯塩のマンガン (II) 塩への還元波高を測定することにより, 酸化還元反応においてしばしばたがいに妨害するコバルト,マンガンの混合物中からマンガンを定量する方法について検討した。その結果, コバルト, ニッケル, 鉄の約 10 倍量の存在下で, マンガンを精度よく定量し得た。コバルト,マンガン共存時では,〓の反応により, いったんマンガン (II)トリに還元されるが, 空気酸化を十分に行なうことにより, ふたたびマンガン (III) トリにすることができる。なおトリーシアン化カリウム中のその他の金属イオンの挙動についてもあわせて検討した。

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マンガン(III)トリ緑色錯塩は過酸化水素, 赤血塩, 過酸化鉛の存在で赤色錯塩を形成する。この赤色錯塩について従来マンガン (III) 過酸化水素錯塩であると報告されているが, 酸化剤として赤血塩を用い, トリ-水酸化ナトリウム溶液中のマンガン (III) と赤血塩の酸化還元反応, およびトリ-水酸化ナトリウム-シアン化カリウム溶液中における銅 (II) とマンガン (III) との酸化還元反応を分光光度法を用いて検討し, この赤色錯塩がマンガン (IV) トリ錯塩であることを推定した。

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カプロラクタムーテレフタル酸-モノ共重合体の合成において,テレフタル酸とモノめ使用モル比を1:2とするときは,カプロラクタム1molに対しテレフタル酸0.02mol,0.04molの割合で混合し250℃,数時間反応させるとクレゾール不溶重合体を生成する。いっぽう,テレフタル酸とのモル比が1:1の場合は,カプロラクタムに対し各混合比で250℃,数時間反応させるもクレゾール不溶の重合体は生成せず,混合比の広い範囲にわたってアルコール可溶である。この共重合体の融点と組成の関係は,幅の広い最低融点曲線を描く。なお, テレフタル酸- モノの使用は, アミノカプロン酸を等モル使用した場合に比較して,速い速度でカプロラクタムを重合させる。

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(1) HPLCによる食品中のホスファチジル, ホスファチジルコリン及びそれらのリゾ型の高感度で迅速な分析方法を開発した。
(2) HPLC条件は移動相には, アセトニトリル/メタノール/85%リン酸 (760 : 100 : 9), カラムにはヌクレオジル50-7を用いた。検出器はUVで202nmで測定した。
(3) ラード, マーガリン, クリームパウダー及び牛乳に0.1%及び0.5%添加した時の回収率は85.7～103%で変動係数は0.71～3.47%であった。検出限界はホスファチジル, ホスファチジルコリンが0.002%でリゾホスファチジル, リゾホスファチジルコリンが0.005%であった。

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乳化重合方法により得られる1-クロロブタジエンブタジエン共重合ゴム (CB-BR) は分子中に活性な塩素を持っており, 硫黄, 2-メルカプトイミダゾリンのほかにアミンによる架橋が可能であることがわかった. アミン化合物としては, モノ, ジ, トリ及びヘキサメチレンジアミンが有効であった. これらのアミンは液状多硫化ゴム (チオコールLPを使用) 配合CB-BR及びそのHAFブラック配合物を架橋させることもでき, チオコールLPの配合によってCB-BRの加工性が改善されるだけでなく架橋物の耐油性が著しく向上した. この系でチオコールLPは反応性軟化剤として作用しているものと推定される.

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