本研究では, 大阪南港ポートタウンで実施されているノー
カーゾーン
という, 居住区域内を車両通行禁止とする交通政策に着目する. 共有地の悲劇における知見から, 「入居時の規制に対する合意」に着目し, ノー
カーゾーン
が自動車利用に与える影響を明らかにするために, 大阪南港ポートタウン, 公団武庫川住宅, 神戸ポートアイランド, の3臨海住宅団地を対象にアンケート調査を実施した. その結果, ノー
カーゾーン
に賛成し入居した人は自動車利用頻度が低く, ノー
カーゾーン
に反対し入居した人は自動車利用頻度が高いことから, 「自動車交通の排除」という交通政策に対する入居時の態度が交通行動に影響を与えていることが明らかになった. したがって, 新規転入者に対し, 入居時に住宅団地の自動車交通政策に対する同意を取り付けることが, 住宅団地の自動車交通問題の解決に有効であると考えられる.
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