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目的】今日一般に、製パンに適する米粉は気流式粉砕法による微粒子粉(平均粒度40~80mμ)とされている。しかし演者らは、衝撃式粉砕法において、それより大きい粒度の米粉で良質のパンが製造できることを見出した。今回は、本試料の米粉粒度と生地調製時の加水量、混捏時間ならびに、砂糖や食塩等の添加などの生地調製条件が生地膨張に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。
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方法】米粉試料は、2008年産米をサタケ製衝撃式粉砕機(SRG10A)により調製し、粒度は3区分(区分1:0~100μm、区分2:100~150μm、区分3:150~212μm)とした。生地膨張測定は演者らが開発した方法によった。また、シトギ法に準じて製パンを行い、品質を検討した。
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結果】1)加水量(65,70,75,80B%)については、区分1では80B%がやや高い膨張で65B%では低かった。区分2、3ではこの加水量の範囲で生地膨張に大差は見られなかった。2)混捏時間については、3区分とも7分よりも10分の方が生地膨張が高かった。また捏ね7分における生地膨張は、水70B%よりも水80B%の場合に顕著に低かった。3)加糖量(0,5,10B%)については、区分1では加水量80B%で加糖が0B%、5B%に比べ10B%の場合、生地膨張の低下が顕著であった。区分2、3ではこの加糖量の範囲で生地膨張に大差は見られなかった。4)パンの品質評価では、市販シト
ギミックス
で調製したパンに比較して、3区分ともほとんど差が見られなかった。
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