近年, 沿岸海域において大量に発生している
クラゲ
(ミズ
クラゲ及びアカクラゲ
) の野菜の肥料としての潜在的有用性について検討した.
クラゲ
を吸光光度法, 炎光光度法, ICP発光分光分析法により分析した結果,
クラゲ
には肥料としての五要素 (窒素, リン, カリウム, マグネシウム, カルシウム) が以下の濃度で含まれていた.ミズ
クラゲ及びアカクラゲ
中の全窒素濃度は, それぞれ336mg/kg (新鮮重量), 954mg/kg (ミズ
クラゲ
の2.8倍), 全リン濃度は, 46mg/kg及び153mg/kg (ミズ
クラゲ
の3.3倍) であり, カリウム濃度は501mg/kg, 667mg/kg (ミズ
クラゲ
の13倍) であった.ナトリウム, カリウム, マグネシウム, カルシウム濃度は, 海水中のそれら濃度とほぼ同程度であった.
クラゲ
中のクロム及びカドミウム濃度は, 定量限界以下であった.
クラゲ
懸濁溶液を肥料として, チンゲンサイ, エダマメ, シソを栽培した.その結果,
クラゲ
は, 野菜, 特にチンゲンサイの生長促進に効果があることがわかった.
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