本研究は, 微細位置決め作業に対する視覚フィードバックの離散性の影響を明らかにすることを目的とし, コンピュータ上でマウスを位置決めする作業について調査した. 実験では, 視覚フィードバックの表示様態 (アナログ, ディジタル), C/D比, 表示
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について検討した. その結果, 動作時間はディジタルのほうが, また,
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が大きいほうが長くなった. これは視覚フィードバックの離散性に起因する. ただし,
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を240msec以下にしてもパフォーマンスの向上はみられない. この原因は人間の反応が表示サイクルに追いつかないためであり, この240msecという値は Card らによって提唱されたモデル・ヒューマン・プロセッサの単純反応時間とよく一致する. これらの結果は, マルチタスク環境下におけるマン・マシン・インターフェースを設計する上で, また, プライオリティを管理する上で有益な指針となる.
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