国民的人気の漫画「
サザエさん
」は、1940年代に漫画家・長谷川町子氏が福岡市の百道の海岸を散策しているときに発案した。福岡市は、2012年5月、「
サザエさん
」の発案の地である、福岡市早良区西新から百道浜を結ぶ約1.6kmの市道を「
サザエさん
通り」と命名し、通りを生かしたまちづくりを進めている。本稿は、2013年9月に発足した「
サザエさん
通り」構想検討会から2015年3月までの約1年半にわたる、まちづくりデザインのプロセスと成果について報告するものである。構想検討会では、これまでの取り組み状況をソフト面とハード面から把握し課題の抽出を行った。これらの課題解決のために、「
サザエさん
通り」のまちづくりの方向性を位置づけ、構想のためのテーマを策定し、テーマに則したソフト面とハード面の視点と方針を作成した。構想検討会終了後は、継続的に「
サザエさん
通り」を生かしたまちづくりを推進するための協議会が、地域住民、企業、行政等の共働によって発足し、まちづくり活動の企画・計画・実施の推進並びに、「
サザエさん
通り」の認知度を向上させるためのサインやバナーによるパブリックデザインの実施に結びつけている。
抄録全体を表示