人間の理解に基づくコミュニケーションは非常に重要である。然しながら、そのメカニズムを理解することは必ずしも重要ではない。本稿では、膨大な情報から情緒的価値(感覚的な感性価値)のみを抽出する「心のモデル」を提示する。
マーケティングでは人を理解してコミュニケーションを図ることがとても重要である。 我々は「societas」という価値観フレームを活用したマーケティング検証を繰り返してきた。 本稿ではそのいくつかの事例と技術を紹介する。
我々は、コミュニケーションの中に潜在する心のデザインを特定しマーケティング手法に還元するための研究をしている。本稿では、人のコミュニケーションのいい加減さに着目し、情報受信処理について、音声とテキストを用いた比較実験を行った。 具体的には、小説の朗読音声を「聞いた」場合とテキストを「見た」場合での記憶の変化、言語・音響の特徴量との比較をすることで、双方の意味理解の過程の観察を行った。
我々は消費者の行動理由となる心を価値観や情緒ベネフィットの組み合わせによりデザインし,価値観構造モデルSocietasを構築している.そして,そのモデルを核に様々な社会課題に適用する問題解決モデルを量産し社会知として展開していく研究・実践を進めている. 本研究では,都市別の消費者価値観の特徴を明らかにするモデルを構築し,各地域の施策立案に貢献するものとする.
消費者が生み出すデータを分析することで、消費者が購買行動においてどのような意思決定をしているのかを理解し、企業の競争力向上につなげることが望まれている。人はその嗜好や価値観に基づいて行動するという仮説にたつと、個人のWeb上の行動も嗜好・価値観に基づいていると考えられる。本研究ではWebのアクセスログを元に個人の閲覧したページを解析し、嗜好・価値観を類推することを試みる。
マーケティングにおいて顧客の類型化は重要である.顧客の類型化には顧客の心理属性を因子分析したり,行動履歴から潜在クラス分析を行ったりという手法が用いられるが,心理属性と行動履歴が両方そろっている場合に,それぞれ片方だけから得られた類型がきれいに対応することは難しいであろう.本稿では,消費者の価値観変数と行動データのアソシエーションルールに対する潜在クラス分析が心理的属性と行動データの双方に特徴を残した類型を発見できることを示す.
人をよく知りコミュニケーションを図ることはとても重要である。サービス受容者との双方向コミュニケーションへのシフトが進むと、より感覚的な感性価値観によって人を理解する必要が生じる。本稿では、感覚的な感性価値観による心のデザインを提案する。
筆者らは人の心をより深く理解するために価値観を中心とした研究を行っている。「超高齢社会」とは社会構造が変化していくことであり、このような変化に対して対応が迫られている。現在、人々の持つ問題意識がどこにあるのかを「超高齢社会」に対する自由記述回答から探り、紐づく価値観を考察し対応策を見出すことができないかを試みた。
ソーシャルネットワークサービス(SNS)の台頭により,メッセージの発信によって個人の個性や価値観を窺い知る機会が増加した.本研究では個人の環境への価値観を推定する手段として,テキストマイニング技術を用い,マイクロブログのデータからユーザが環境行動に対して関心を持っているかどうかの検証を行う.また,特定ユーザを比較し環境行動に関する価値観の違いを抽出した.
Straubらによると、文化とは価値を共有する者の集団であり、個人のIdentityは複数の社会集団へ属することで複数の文化層で構成される。この考えはSocial Identity理論に基づくもので、文化構造は個人の所属する内集団と外集団のカテゴリー化の仕組みにより説明される。これらの理論は、個人間で共有される価値観を分析することで、社会の文化構造や動向の推論が可能になる事を示唆するが、世界諸国の人々が持つ多様な価値観の把握は決して容易ではない。特に近年のIT技術の発展とグローバル化により、世界的に伝播する価値観と諸国の社会制度や習慣に根付いた各国特有の価値観が交差し、多様性と普遍性が共存する複雑な文化が世界各地で構成される傾向にある。そこで本チャレンジでは、社会学者らにより1981年から蓄積され公開される約100カ国の世界価値観調査のデータに着眼し、ネットワーク分析、パターン認識、オントロジー技術等の人工知能技術を駆使することで、従来の比較文化分析手法だけでは不可能であった多国籍間に潜在する文化の多様性と普遍性の解明を目指す。世界価値観調査のデータ解析においては、社会学者らを中心に異文化間比較を目的としたデータ解析手法の開発や応用が活発である。その一方で、著名なソーシャルネットワーク誌ではブロックモデル等の技術を応用した社会構造解明の試みが多々みられる。また、国内では日本人の価値観モデルを中心とした社会知ネットワーク構築の技術が存在している(谷田他)。しかし、諸国の世界価値観データに基づき国内外の人々が持つ価値観の複雑性を可視化し比較する研究は存在しない。本チャレンジでは、世界価値観データ解析により諸国の価値観ネットワークを構築し、生体情報やマイクロブログなどの外部データとの連携により世界の消費者を把握し、国際競争力向上とグローバル人材育成への貢献を目指したい。
広告を放映する前に効果を検証する手法としては大きく二つのアプローチがある. 一つはアンケートで,視聴者の感情と判断を元に効果を推測するもの,もう一つはニューロマーケティングと呼ばれ,EEG等を計測することで客観的に反応の時系列を測定するものである.本稿では,その二つの長所を生かすため,両方の結果データを統合する統計手法を検証する.
データマイニングに注目が集まる一方で,多くの企業実務家にとって複雑な分析結果を把握することは難しい.本稿では,統計非専門家であるマーケティング実務者を対象に,チャートに対する理解度を定量的に調査し,効果的なデータビジュアライゼーション方法を研究する.グラフに対する熟達者と初心者の認知プロセスの違いに着目し,その段階に応じてチャートを分解することの有効性を検証する.
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