自動車利用増大に伴う問題への対策として、世界遺産地域や国立公園の一部ではマイカー規制と
シャトルバス
の運行が行われている。来訪者はその有用性は認めているものの、利用料金と利便性への負担感や,代替交通の運行時間で来訪者の行動パターンが規定され,かえって滞留人数が増加し、混雑感が増す可能性が指摘されている。
本研究では,知床世界自然遺産地域内のカムイワッカ湯の滝で1999年から導入された車両規制と
シャトルバス
について,利用状況の変動と車両規制・
シャトルバス
に関する来訪者の意識を調査し、より適正な交通規制の在り方について考察した。
車両規制と
シャトルバス
に関する意識は、カムイワッカ訪問と車両規制の有無の影響を大きく受けていた。規制期間外にカムイワッカ湯の滝を訪れる人は現状維持を希望し、規制期間中は現状より厳しい規制を求める傾向にあった。現状の
シャトルバス
の料金やサービスが肯定的に評価されたが,バスに座れるかどうかや待ち時間が課題として挙げられた。混雑感は,カムイワッカの来訪者に対して,他の知床来訪者とWeb意識調査回答者がより許容限界か低いことが示された。
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