交通工学論文集
Online ISSN : 2187-2929
ISSN-L : 2187-2929
特集号B(実務論文)
観光期 P&BR 導入時における情報提供時期・内容・媒体ならびに所要時間に関する分析
轟 直希柳沢 吉保塩澤 翔平高山 純一
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2017 年 3 巻 2 号 p. B_43-B_52

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抄録

長野市善光寺御開帳は、2015 年 4 月 5 日から 5 月31 日まで行われた。北陸新幹線の開通により事前に多くの参拝客が御開帳期間中に訪れることが予想された。本研究では来訪者を対象に、公共交通、シャトルバス、マイカー利用者の入手率の高い情報内容・入手媒体・入手時期を明らかにし、公共交通、シャトルバスを利用するための重要な情報と入手率の高い情報との関係を明らかにした。分析の結果、出発前の早い段階で市街地までの公共交通および市街地内での公共交通情報をインターネットで発信すると、公共交通利用促進に効果的である。出発前にシャトルバス運行情報を、また出発前から移動中までシャトルバス駐車場までの経路誘導情報をインターネットで発信し、さらに一般道路走行中には案内板によるシャトルバス駐車場までの経路誘導を行うとシャトルバス利用促進に効果的である。とくにマイカー利用者の目的地までの所要時間の予測は、他手段利用者と比較して楽観的であるため、所要時間情報を提供することは、マイカーから他手段への手段転換に大きな影響があることがわかった。

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© 2017 一般社団法人 交通工学研究会
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