南西諸島における暖地型マメ科牧草の実用栽培の可能性を検討するために,M. atropurpureum cv. Siratro (サイラトロ),S. humilis cv. Townsville (スタイロ),D. intortum cv. Greenleaf (デスモ),G. wightii cv. Cooper (グライシン)について,それぞれの単播,およびC. gayana cv. pioneer (ローズグラス)との混播,およびローズグラス単播に4段階の窒素を施肥した区を作り,2種の刈取り強度(単播ローズグラスの草高が40〜50cmおよび60〜70cmに達するごとに刈取る)の下で2年間に亘って栽培し,得られた乾物収量を気象条件との関係で比較,検討した。サイラトロは,年間合計乾物収量と混播における永続性の点で他の草種に勝り,南西諸島南部における実用栽培が有望な草種であると考えられた。また,スタイロについては,多年生草種の栽培が有望と考えられた。2草種の有望性は,日平均乾物収量と気象条件との関係を検討した結果,両草種が高温で雨量の少ない時期にも旺盛な生育を示す高温暖地型マメ科草の特質を備えているためであると考えられた。
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