都市化・情報化の進んだ現代社会では, 昼夜の絶え間ない社会活動が広く行われており, 24時間都市化現象が進みつつある.このような24時間都市化現象は都市住民の生活習慣の夜型化, 不規則化を促し, 生体リズム特性を変化させることにより, 都市住民の健康に様々な影響を及ぼしているものと推察される.特に, 交代制勤務者や不規則生活者に認められる生体リズムの脱同調は生活リズムの健康影響の生理学的メカニズムとして重要である.24時間都市化の健康影響としてはその他に, アルコール依存などの精神保健上の問題の増加, 長時間労働に伴う作業関連疾患の増加, 生活リズムの乱れによる子供の自律神経失調症状の有訴者の増加などが挙げられる.これらの問題の解決のため, 公衆衛生学の立場からは, 快適環境のみならず, 健康の視点を考慮した都市づくりである健康都市の推進が必要不可欠である.
抄録全体を表示