ロータリプレスフィルタはカナダのフォーニヤ社から導入され,現在巴工業(株)で製造,販売されている新しい脱水機構をもつ回転加圧脱水機である。高い脱水性能を有し,機構が簡単,密閉構造で臭気の発生がない,コンパクトでエネルギーコストを低減でき維持管理性に優れているため,これからの時代に合致した脱水機と考えられる。現在,日本国内だけで23台(下水含む)の納入実績を有し,製紙工場排水汚泥向けにも2ヶ所(3台)の納入実績がある。また,実験機による各種処理物の脱水実験も継続して実施しており良好な結果が得られている。本稿では,A製紙会社における約3ヶ月間の連続運転の実験結果を行った結果について,他機種との比較をまじえて紹介する。
1) ロータリプレスフィルタ,ベルトプレス型脱水機(3m幅),
スクリュープレス
型脱水機(φ1000型)の3ヶ月間のケーキ含水率を調査した。脱水機は24時間運転で,サンプリングは1日6回行った。汚泥性状や機械の運転条件によってケーキ含水率にややばらつきが見られる。ケーキ含水率はベルトプレス型脱水機で60~68%,
スクリュープレス
型脱水機で52~68%,ロータリプレスフィルタで49~64%となった。ほとんどの場合で,ロータリプレスフィルタのケーキ含水率はベルトプレス型脱水機,
スクリュープレス
型脱水機に比べて低い値となっており,ロータリプレスフィルタを採用することで,ケーキ含水率の低下が見込める結果となった
2) ロータリプレスフィルタ,ベルトプレス型脱水機(3m幅)及び
スクリュープレス
型脱水機(φ1000型)で当該汚泥を脱水する場合の固形物処理量とケーキ含水率の関係を調査した。尚運転時間は1日24時間運転とした。ロータリプレスフィルタの固形物処理量は,1―1200―1500CVの実験結果から,6―1200/9000CVの固形物処理量を算出して示した。他の脱水機に比べて,固形物処理量を高くしてもケーキ含水率は低い値を示している。平均処理量は6―1200/9000CVで平均40BDT/日となり,据付スペースの割に能力が高い事が判明した(ベルトプレス及び
スクリュープレス
は30DBT/日)。
これらのテスト結果について具体的データを交えて紹介する。
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