前年度に行なわれた(その1)の研究報告においても述べられているように,本研究は日本における住宅の歴史について,まずイメージとして定着させることを主眼として,特に初学者や一般の人ぴとに対して簡潔に伝えることのできるように,映像教材を試作開発することが本研究の目的であった。このような課題に対して当研究グループは建築分野の映像化を推進する「日本建築画像大系」の編集委員会に参加しており,本研究はその中のテーマの1つとして前年度(その1)研究がスタートし,今年度の(その2)研究によって当初の目的を達成することができた。従って,その制作のために検討された記録とともに,試作された映像教材が本研究の成果品である。今年度の作業は,①から⑥のプロセスについては前年度に行なわれた作業であり,今年度は⑦
スーパーインポーズ
テロップ等作成,⑧オンライン編集,⑨シナリオ再構成・推敲,⑩MA(ナレーション・音楽),といった作業を行なうことによって約15分間の映像教材を完成させた。 制作された映像教材の評価についてみてみるために,約50名の学生に試聴させ簡単な評価アンケート調査を試みた。その内容は,①テーマについての自分の知識の評価,②テーマに対する興味の度合,③テーマに対する理解の度合,④映像教材としての時間的長さ,である。結果として,今回の回答者に限っては,このような映像教材は一応の良い評価を得ることができた。しかし本来,教材としての良否は専門家による評価を待たなければならない。さらに,その使用法の良否が重要な要因となることは無論である。
抄録全体を表示