桐生大学紀要
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「動詞性」「名詞性」から見た「する」付加される英語借用語の明治時代以降の量的推移について
野中 博雄
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研究報告書・技術報告書 オープンアクセス

2017 年 28 巻 p. 7-24

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抄録

日本語に変換された英語借用語は語彙範疇化プロセスを経る.本論文は,英語借用のカタカナ語の借入時代が日本語での語彙範疇化プロセスに影響するとの仮定に基づき,英語借用カタカナ語の「Xする構造」「形容詞+X構造」「Xをする構造」における「X」の「動詞性」「名詞性」と明治以降の借入時代の量的推移を考察したものである.  「コンサイスカタカナ語辞典」(第2版,三省堂,2004)より,「する」を付加されて英語から借用した402語のうち,借入時代が判明している400語が抽出された.それらの日本語での「Xする構造」「Xをする構造」「形容詞+X構造」で の統語的特徴が観察され,英語借用カタカナ語の「動詞性」「名詞性」の明治以降の時代変化との関連が考察された.  結果は,『借用時の英語の「動詞性」は「する」付加を可能にし,「名詞性」は「形容詞+X構造」「Xをする構造」における使用を可能にするが,明治時代以降の「名詞性」の無い語の「名詞性」の獲得率は,借入時代が古いほど高くなる』ことを示唆している.

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© 2017 桐生大学・桐生大学短期大学部
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