目的: 本研究は, CAD/CAMシステム (Dental Cadim) を用いて適合精度の高い純チタン製フルクラウンを作製することを目的とし, 数種類の軸面
テーパー
をもつ支台歯金型模型上で作製したクラウンの適合精度について検討した.
方法: CAD/CAMシステムによって作製された純チタンクラウン内面にセメント層を想定してホワイトシリコーンを注入, 20kgfの荷重で圧接した. 硬化後に辺縁および内面のシリコーンの被膜厚さを各計測部位ごとに計測し, 適合精度とした. 辺縁は, 支台歯模型の歯頸部辺縁と冠縁間距離を, 内面は, シリコーンを付加重合型シリコーン印象材で裏打を行い, 頬舌的に切断した後, 計測を行った. その平均値を観測値とし, 各計測部位ごとに
テーパー
間で有意差検定を行った.
結果: 1.
テーパー
2°, 4° の支台歯模型から作製したクラウンは大きく浮き上がった. 2. クラウンと支台歯模型との辺縁間距離は,
テーパー
6° (約140μm) に比較して8° (30-50μm) が小さな値を示した. 3. クラウン内面と支台歯模型との間隙は,
テーパー
6°では, 非常に大きな値を示したが,
テーパー
8°では計測部位に関係なくほぼ均一でしかも比較的小さな値 (約70μm) を示した.
結論: CAD/CAMシステム (Dental Cadim) を本研究で設定した値および方法を用いて純チタンクラウンを作製するには, 支台歯軸面
テーパー
が8°以上必要なことが認められた.
抄録全体を表示