平成13年9月, 千葉県立東金病院では女性専用外来を開設した. 受診者の疾患は更年期障害, 婦人科疾患, 精神科疾患と多岐に渡り, 家庭内の大きなストレスや素因などにより, 女性外来の診療のみでは解決できず, 専門のカウンセリングを必要とするものも多い. このため, 平成15年2月, 当院における女性外来では, 臨床心理士によるカウンセリングを開始した.
女性外来におけるカウンセリングの有用性を検討するため, 平成16年12月までにカウンセリングを受けた23名のクライアントの症状や疾患および治療経過などを分析し, 受診者と医師, および臨床心理士のそれぞれにアンケート調査を施行した.
受診者は重症心身症や, 人格障害, 慢性疹痛など, 精神科, 心療内科的な疾患や複雑な背景要因を抱えていた.アンケート調査の結果, 受診者では回答者全員がカウンセリングに対し満足していた. 内容としてはよく話を聞いてもらえたことや, 客観的に自分を見るきっかけになったことなどが挙げられた. 担当医師は75%のケースでカウンセリングが有効であったと考えており, 100%が女性外来におけるカウンセリングの有用性を認めており, 今後の継続を希望していた. 臨床心理士による要望としては, 医療従事者間の連携の充実が今後の課題として挙げられた.
女性専用外来において, 臨床心理士によるカウンセリングが極めて有用であることが明らかになった.
抄録全体を表示