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クエリ検索: "ニュウナイスズメ"
76件中 1-20の結果を表示しています
  • 蛯名 純一, 坂 有希子, 東 信行, 三上 かつら
    Bird Research
    2015年 11 巻 S1-S7
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/03/21
    ジャーナル フリー
     青森県三沢市において同所的に繁殖した
    ニュウナイスズメ
    Passer rutilans とスズメ P. montanus を観察した.2013年には自然状態で観察を行い,両種はほぼ同時に繁殖を開始した.
    ニュウナイスズメ
    では3巣の繁殖うち2巣が,スズメでは4巣のうち2巣が繁殖に成功した.2種の巣が最も近接していた場所の巣間距離は約2mで,そこでは
    ニュウナイスズメ
    は繁殖に成功し,スズメは繁殖を中断した.2014年には巣箱20個を設置し,
    ニュウナイスズメ
    6巣が繁殖したが,スズメは営巣しなかった.スズメは採食のためだけに調査地内のサクラの木に訪れた.また,
    ニュウナイスズメ
    はカラの巣を利用した可能性も示唆された.羽田(1953)は
    ニュウナイスズメ
    の分布境界Rutilans Lineを提唱したが,本調査地もまた冷涼な気候であり,この条件を満たしていた.
  • 頼 ウメ子
    BINOS
    2015年 22 巻 45-51
    発行日: 2015/11/01
    公開日: 2017/11/03
    ジャーナル オープンアクセス

    1

    ニュウナイスズメ
    は1983年に初めて確認されたが工業団地建設により2005年に飛来は途絶えた。

    2 環境が変化したことによりホオジロ科、ツグミ科、サギ科、ヒバリ科に大きな減少傾向が見られ、カシラダカ、ホオジロ、ツグミ、コサギ、ヒバリが大きく減少した。

    3 工業団地建設によりカモ科、シジュウカラ科、ハタオリドリ科の増加が見られ、カルガモ、シジュウカラ、スズメが増加した。

    4 ハクセキレイとセグロセキレイの生息数に逆転現象が見られた。建設前はセグロセキレイが周年見られたが建設後はハクセキレイが増え繁殖も確認された。

  • 藤巻 裕蔵, 一北 香織
    山階鳥類学雑誌
    2007年 38 巻 2 号 104-107
    発行日: 2007/03/20
    公開日: 2009/03/20
    ジャーナル フリー
    The relative abundance of Tree Sparrow Passer montanus were compared between 1991-2004 and 2006 in 17 residential areas of Hokkaido. Average numbers (±SD) of birds counted in a transect 2 km long and 50 m wide decreased significantly from 24.6±7.5 in 1991-2004 to 14.5±8.1 in 2006. Relative abundance increased in two study areas, remained unchanged in one area and decreased in 14 areas. Change rates (CR, Number of birds counted in 2006/number of birds counted in 1991-2004) exceeded 1.0 in two areas located in mountainous localities, but were 0.71-1.00 in south-western and eastern parts and less than 0.71 in central parts.
  • 藤岡 正博
    日本鳥学会誌
    1992年 40 巻 3 号 112-113
    発行日: 1992/09/25
    公開日: 2007/09/28
    ジャーナル フリー
    Sano (1990) stated that "one male and two young of the House Sparrow Passer domesticus were found on Rishiri Island." Evidence he presented, however, is too weak to exclude the possibility that the two birds were juveniles or females of another native species, the Cinamon Sparrow, Passer rutilans.
  • 佐々木 未悠, 鈴木 遥菜, 高橋 雅雄, 蛯名 純一, 東 信行
    日本鳥類標識協会誌
    2020年 32 巻 1_2 号 12-20
    発行日: 2020/12/31
    公開日: 2021/10/01
    ジャーナル オープンアクセス

    親鳥の繁殖地への帰還率と雛の出生地への帰還率は,その種の繁殖生態及び個体群動態を理解する上で重要な情報である.青森県三沢市の小川原湖湖畔の疎林において,2015–2018年に

    ニュウナイスズメ
    Passer cinnamomeusの親鳥計19羽と巣内雛計220羽を標識し,2019年までの帰還記録を基に帰還率を算出した.親鳥の帰還率は52.0%(n=13/25)で,全ての帰還個体が繁殖した.巣立ち雛では,出生1年後の帰還率は5.9%(n=13/220)と他の渡り性スズメ目よりもやや低く,帰還個体は雄が多い傾向があった.帰還営巣率は,出生1年後が0.5%(n=1/220)と最も低く,出生2年後が2.5%(n=5/202)と最も高かった.すなわち,本種の1歳個体は配偶者および営巣場所をめぐる競争力に劣っている可能性がある.

  • 東城 里絵, 柳川 久
    森林野生動物研究会誌
    2008年 33 巻 1-6
    発行日: 2008/03/01
    公開日: 2017/10/03
    ジャーナル フリー
    北海道十勝地方の防風保安林において植生が異なる調査区A(カシワ71年生),B(シラカンバ45年生)のそれぞれ林縁と林内に巣箱を10個ずつ,計40個架設し,2006年5月〜10月の間に鳥獣類による巣箱の利用を調査した.
    ニュウナイスズメ
    ,ヒガラ,シジュウカラ,アカゲラの鳥類4種と,エゾモモンガ,ウサギコウモリの哺乳類2種によって巣箱が利用された.
    ニュウナイスズメ
    ,ヒガラ,シジュウカラは繁殖用に巣箱を用い,繁殖期の5,6月に巣箱を多く利用した.アカゲラは調査期間を通じて夜のねぐらとして巣箱を利用したが,7月に特に利用が多くなった.哺乳類による利用は,すべて昼のねぐらとしての利用で,エゾモモンガは8月に利用が増加し,ウサギコウモリの利用は9,10月に観察された.カラ類(ヒガラ,シジュウカラ)は,A区の林内に架設した巣箱のみを利用した.一方,
    ニュウナイスズメ
    はカラ類が利用しなかったB区の巣箱を多く利用した.エゾモモンガはA区の巣箱をB区より多く利用した.
  • 浅井 芝樹, 齋藤 武馬, 岩見 恭子, 山崎 剛史
    山階鳥類学雑誌
    2014年 45 巻 2 号 102-119
    発行日: 2014/03/20
    公開日: 2016/03/25
    ジャーナル フリー
    In August 2013, Mr. Toyoharu Usuda donated a collection of skin specimens that he and his father, Mr. Toyota Usuda, have collected, to the Yamashina Institute for Ornithology. The collection is comprised of 168 specimens of 100 species, containing six specimens of two mammal species. Mr. Yasuhiro Satō is Mr. Toyota Usuda’s son-in-law, and took over a part of Mr. Usuda’s collection. In October 2013, he also donated the collection to the Yamashina Institute for Ornithology. The collection is comprised of 33 specimens of 28 bird species. Unfortunately, the donation included many specimens of which the localities and dates were unknown, because many were unlabeled and Mr. Toyota Usuda is now deceased. According to the remaining labels, almost all specimens were collected in and around Niigata City from 1918 to 1973.
  • 大山 ひかり, 斉藤 真衣, 三上 かつら, 三上 修
    日本鳥学会誌
    2020年 69 巻 2 号 235-239
    発行日: 2020/10/26
    公開日: 2020/11/20
    ジャーナル フリー

    積雪時に視認性を高めるために道路上に設置された固定式視線誘導柱に,鳥類が営巣することが知られている.しかし詳しい調査記録はない.そこで本研究では,2019年6月に北海道七飯町の湖沼「大沼」を囲む道路の固定式視線誘導柱において,営巣している種と巣の数を調査した.調査した218本中89本に穴が空いており,89本のうち14本で餌運びまたはヒナの鳴き声が聞こえ,10本で営巣していると推測される出入りがあった.確認された種は,スズメPasser montanus

    ニュウナイスズメ
    P. rutilans,コムクドリAgropsar philippensisの3種であった.

  • 佐野 昌男
    日本鳥学会誌
    1990年 39 巻 1 号 33-35
    発行日: 1990/08/25
    公開日: 2007/09/28
    ジャーナル フリー
    One male and two young of the House Sparrow Passer domesticus were found on Rishirt Island, northern Hokkaido, on August 4-7, 1990. This is the first record of the species in Japan.
  • 今西 貞夫
    山階鳥類学雑誌
    2007年 39 巻 1 号 35-39
    発行日: 2007/09/30
    公開日: 2009/09/30
    ジャーナル フリー
    In 2006 at Nobeyama plateau, Nagano Prefecture, central Japan, the death of most broods of the Bull-headed Shrike Lanius bucephalus occurred during a period consecutive rainfall. The rain lasted two and a half days from early morning on 17 July to noon on 19 July. Ten occupied nests were found before the rainfall, nine of which contained nestlings. In six nests containing only shrike nestlings, complete brood mortality was noted. However, in one nest with four shrike nestlings and in two nests with a cuckoo nestling the nestlings survived. The failed nests had two to six nestlings of three to eleven days old. Another four surviving nests had four shrike nestlings of three days old, one cuckoo nestling of 14 days old, one cuckoo nestling of about 15 days old, and five eggs, respectively. Of five eggs in the surviving nest, four eggs had hatched on 22 July, but one egg failed to hatch.
  • 池長 裕史, 満田 實, 秦野 英徳
    日本鳥学会誌
    2020年 69 巻 1 号 97-103
    発行日: 2020/04/23
    公開日: 2020/05/16
    ジャーナル フリー
  • 蔡 煕永
    日本鳥学会誌
    1997年 45 巻 4 号 215-225
    発行日: 1997/02/25
    公開日: 2007/09/28
    ジャーナル フリー
    巣立ち時の体重は,巣立ち時にどのくらいのエネルギーを保っているのかを評価する尺度として知られており,巣立ち後の生存と関係がある(PERRINS 1965, O'CONNER 1976, GARNETT 1981, MAGRATH 1991).
    ニュウナイスズメ
    Passer rutilans は北海道に4月の下旬頃に飛来し,様々な環境で繁殖する(藤巻1984,1986,1994,1996).そのため,異なるハビタットによる巣立ち体重の差が見られることが考えられる.そこで,本研究ではハビタットの異なる防風林と孤立林における
    ニュウナイスズメ
    の巣立ち時の体重と翼長を比較し,その原因について考察した.調査は1995年と1996年の繁殖期において北海道南東部の農耕地に囲まれた3つの林で行った(防風林;帯広畜産大学の付属農場,42°48′N;143°11′E,孤立林2ヵ所;付属農場から約10Km離れている,42°48′N,143°06′E).防風林はほとんどがカラマツである.これに対して,孤立林はヤチダモ,ハルニレ,キハダ,キタコブシ,ハンノキ,イタヤが優占する落葉広葉樹林である.これらの2つの環境において合計213個の巣箱を設置し,繁殖した巣箱のうち,防風林において17巣,67羽について,孤立林において21巣,85羽について孵化日から巣立ち日まで毎日体重と翼長を計測した.糞トラップ(SOUTHWOOD 1978)を用いて,1995年の7月と1996年の4月後半から7月まで毎日昆虫の糞を採集し(雨の日にはサンプリングしなかった),糞の乾重量(mg/m2/日)を両調査地の餌の現存量を示す指標とした.1回あたりの給餌量は頸輪法(SUMMERS-SMITH 1995)と網法を用いて調べた.網法は巣箱の上にカスミ網を被せておいて親鳥が雛に給餌できないようにして餌を採集した.さらに,1時間当たりの給餌回数を調べるために,8mmビデオとタイムラップスビデオ(EVT-820)を20巣の前と内部に取り付けて,合計280時間撮影した.
    両調査地において初卵日の分布を見ると5月中旬と6月後半に2回のピークが見られたので,6月1日以前に産卵が開始された場合"前期繁殖",その後産卵が開始された場合"後期繁殖"とした.孵化時の平均体重と翼長は防風林において2.11±0.39g(mean±SD,n=94)と5.70±0.48mm(n=94),孤立林においてはそれぞれ2.18±0.44g(n=92)と5.83±0.41mm(n=92)で,両ハビタットにおいて差は見られなかった.体重の増加は孤立林のほうが防風林より早かったが,翼長の成長には両ハビタットの間に差が見られなかった.巣立ち日齢は前期繁殖と後期繁殖の間と,1995年と1996年の間に差がみられなかったが,一腹雛数の間とハビタットの間では有為な差が見られた.さらに,一腹雛数が2から4のほうが一腹雛数5から6より短かった.
    巣立ち体重は前期繁殖と後期繁殖の間と,1995年と1996年の間には差が見られなかったが,一腹雛数の間とハビタットの間では有為に異なった.さらに,巣立ち時の翼長は一腹雛数の間,ハビタットの間,年によって有意に異なったが,繁殖前期と後期との間では差が見られなかった.一腹雛数が2から5の巣立ち体重は防風林より孤立林のほうが有意に重かったが,一腹雛数6においては両環境における差が見られなかった.
    餌の現存量は,防風林より孤立林のほうが多かった.昆虫の幼中の糞は,前期繁殖より後期繁殖のほうが少なかった.両環境における1時間あたりの平均給餌回数は防風林で1時間当たり10.5~20.8回,孤立林で4.5~19.0回であったが,両ハビタットにおいて有意差は見られなかった.しかし,1回当たりの給餌量は防風林より孤立林のほうが有意に多かった.さらに,両ハビタットにおいて利用された餌は防風林で小さいものが頻繁に利用されたのに対して,孤立林ではより大きなものを主に利用した.
    巣立ち体重は様々な要因により影響されるが,もっとも重要な要因の一つは餌の現存量である(VAN BALEN 1973).本研究で,餌の現存量は防風林より孤立林のほうが多かった.したがって,孤立林において1回当たりの給餌量が多くなったと考えられる.巣立ち体重は一腹雛数2~5において,防風林より孤立林のほうが有意に重かったが,一腹雛数6の場合有意差が見られなくなった.このことから一腹雛数が多くなると親鳥から餌の量が制限されるため,兄弟間の競争が激しくなり,両環境において差が見られなかったと考えられる.Ross(1980)も同様な結果を報告している.
    一方,巣立ち体重は前期繁殖と後期繁殖のあいだに差が見られなかった.これは巣立ち体重が繁殖の時期の違いによって変わらないことを示している.このことはRoss(1980)の結果と同様であった.
    ニュウナイスズメ
    の一腹卵雛は前期繁殖より後期繁殖のほうが少なく,繁殖個体群密度も後期繁殖のほうが少なかった(CHAE 未発表).そのため,餌の現存量が少ない後期繁殖の巣立ち体重と前期繁殖のあいだで差が見られなかったのだろう.
  • 福田 佳弘, 小高 信彦, 高田 由紀子, 山本 泰志, 内藤 初夏
    山階鳥類研究所研究報告
    2001年 33 巻 1 号 51-53
    発行日: 2001/09/28
    公開日: 2008/11/10
    ジャーナル フリー
    We ringed a female House Sparrow (Passer domesticus) at the Teuri Island, off Haboro, northern Hokkaido on 3 May 1998. Although there are several observation records of the species in northeastern Japan (Hokkaido, Akita and the satellite islands in the Japan Sea), this was the first House Sparrow ringed in Japan.
  • 千羽 晋示

    1962年 17 巻 79-80 号 172-178
    発行日: 1962/12/31
    公開日: 2009/02/26
    ジャーナル フリー
    The Tree Sparrow, Passer montanus is the most important, problem bird' in rice field. This paper reports the preliminary field and laboratory experiments on grain eating of this species. Grains budding less than 20mm and covered less than 20mm deep were eaten. The influence by dressing with colours and eleven chemicals was not clear, though in the latter case some were possibly influencial.
  • 2.帯広市の都心部とその周囲の鳥類
    藤巻 裕蔵, 戸田 敦夫
    山階鳥類研究所研究報告
    1981年 13 巻 3 号 183-195
    発行日: 1981/12/25
    公開日: 2008/11/10
    ジャーナル フリー
    1.帯広市の都心から郊外の住宅地,郊外の落葉広葉樹林の4調査地の鳥類について1977,1980両年の5月下旬~7月中旬に調査した。
    2.記録された鳥類は(A)林で39種,(B)林や空地のある住宅地で33種,(C)樹木の多い住宅地で23種,(D)都心部で9種で,植被率が減少するにしたがって種数は少なくなった。
    3.林での優占種はアオジ,ゴジュウカラ,アカゲラ,
    ニュウナイスズメ
    ,ハシブトガラ,シジュウカラなど森林性,灌木林性鳥類であったが,住宅地では,スズメ,カワラヒワ,ドバト,ハクセキレイなどが優占していた。
    4.種多様度は林でもっとも大きく,都心部の住宅地で最小で,植被率が減少するにしたがって小さくなった。
    5.各調査地の鳥相の類似性は調査地CとDの間でもっとも高く,ついでこれら両調査地とBで高く,Aの鳥相はどの調査地とも類似性は低かった。
  • 上野 岳人, 須田 知樹, 丸山 直樹, 小金澤 正昭
    ワイルドライフ・フォーラム
    2004年 9 巻 3 号 86-
    発行日: 2004/12/01
    公開日: 2017/09/22
    解説誌・一般情報誌 フリー
  • 片山 直樹, 熊田 那央, 田和 康太
    応用生態工学
    2021年 24 巻 1 号 127-138
    発行日: 2021/07/28
    公開日: 2021/10/01
    ジャーナル フリー

    鳥類の生息地としての水田生態系の機能を明らかにするため,国内を中心に既往研究を整理した.その結果,水田は年間を通じ,多くの鳥類に採食場所を提供していることが示された.水田だけで生活史を完結させる種は少なく,草地や森林等の生息地の異質性が鳥類の種多様性を支えていた.しかし,戦後の農業の集約化は,水田の生息地としての質を低下させ,鳥類の生息・分布にも深刻な影響をもたらした.1970 年代以降の休耕・耕作放棄に伴う植生遷移は,鳥類の群集組成を大きく変化させた.水田性鳥類を保全するためには,有機栽培,冬期湛水,江や魚道の設置等の様々な環境保全型農業が有効であることが示唆された.これらの知見は,応用生態工学会の関係者が今後,水田生態系の保全を計画・実行する際に活用可能である.

  • ─第6版およびIOCリストとの相違─
    浅井 芝樹, 岩見 恭子, 斉藤 安行, 亀谷 辰朗
    日本鳥学会誌
    2016年 65 巻 2 号 105-128
    発行日: 2016年
    公開日: 2016/11/22
    ジャーナル オープンアクセス
     2012年に発行された最新の日本鳥類目録改訂第7版で採用された学名と分類について,スズメ目の15科に含まれる154タクサを対象に,日本鳥類目録改訂第6版と世界鳥類リスト(IOCリスト)との相違点に注目して最新の分子系統学の観点から検証した.この結果,第6版と相違があったのは50タクサであり,IOCリストと相違があったのは25タクサであった.第7版は概ね分子系統学的研究を反映しているとみなせたが,マヒワ,ベニヒワ,コベニヒワ,ハシボソガラス,カササギについては分子系統学研究の結果を反映しているとは言えなかった.マヒワ,ベニヒワ,コベニヒワはそれぞれSpinus spinusAcanthis flammeaAcanthis hornemanniとされるべきである.ハシボソガラスの亜種境界には議論の余地があり,カササギとその近縁種間の分類は再検討の余地がある.ヤマガラ,ベニマシコ,オガサワラマシコについては第7版出版以降の研究によって別の学名が提唱されており,それぞれの属名はSittiparusCarpodacusCarpodacusとすることが提唱されている.ヤマガラについては2つの亜種が種として扱われるようになるかもしれない.分類学上の問題ではないが,
    ニュウナイスズメ
    の学名は先取権の原則からPasser cinnamomeusとされるべきである.モリツバメの学名の正しい綴りについては,国際動物命名規約の不備によって結論が出せないままとなった.日本鳥類目録は,版を重ねる過程でいくつかのタクサをシノニムとして抹消してきたが,その根拠となる研究が十分にされているとは言えず,今後の研究によってまた大きく再編される可能性もある.
  • 藤巻 裕蔵
    日本鳥学会誌
    1988年 37 巻 2 号 69-75
    発行日: 1988/12/25
    公開日: 2007/09/28
    ジャーナル フリー
    1) 九州大学農学部足寄演習林(北海道足寄郡足寄町)のミズナラ林24.75haで1984•1985両年に森林構造と繁殖期の鳥類群集の関係を調べた.
    2) 調査地における胸高直径5cm以上の樹木の密度は1,391本/ha,基底面積は44.25m2/ha,樹冠うっ閉度は92%,林床植物の被度は90%であった.
    3) 調査期間中に40種の鳥類が観察されたが,そのうち29種はなわばりをもち,それ以外の種は一時的に飛来したものであった.
    4) 相対優占度2%以上を占めた主要種は,ビンズイ,センダイムシクイ,キビタキ,コサメビタキ,エナガ,ハシブトガラ,ヒガラ,シジュウカラ,ゴジュウカラ,キバシリ,アオジ,イカル,
    ニュウナイスズメ
    の13種であった.
    5) 北海道の他の落葉広葉樹林の鳥類群集との比較を行ない,樹木の種構成や密度が鳥類の種数や生息密度に影響することを明らかにした.
  • 日比野 義介
    神奈川自然誌資料
    2006年 2006 巻 27 号 51-57
    発行日: 2006年
    公開日: 2022/04/22
    ジャーナル フリー
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