【目的】北海道農村地域における肥満女性の間食摂取の季節変動および肥満予防となる間食摂取方法を検討することである。
【方法】調査方法は北海道美深町に居住する30歳以上の成人を対象として春夏秋冬の各季節における平日2日間の食事時間・区分,食事・間食内容を秤量法により記録し,同時に身長・体重を計測した。女性25名を解析対象者とした。年間平均BMIにより対象者を肥満群,標準群に分け,総エネルギー摂取量,間食エネルギー摂取量・比率,間食摂取量の季節変動を比較検討し,その後,間食分類別エネルギー摂取量,エネルギーのある嗜好飲料の出現回数の季節変動を比較検討した。
【結果】肥満群は6名,標準群は19名であった。間食エネルギー摂取量・比率,間食摂取量は,肥満群では春から夏にかけ増加し,秋,冬と減少したのに対し,標準群では春から夏にかけ減少し,秋,冬に増加した。季節毎の比較では,夏の総エネルギー摂取量で,肥満群が 1,893±206.7 kcalで標準群 1,575±205.9 kcalよりも有意に多かった。また,夏のエネルギーのある嗜好飲料摂取量(g/1,000 kcal)では,肥満群 97.3±112.8 gで標準群 16.7±37.8 gよりも有意に多かった。特に,肥満群では夏にエネルギーの高い嗜好飲料の出現回数が多かった。
【結論】夏のエネルギーの高い嗜好飲料摂取の制限が肥満予防の有効な手段となる可能性がある。
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