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クエリ検索: "ヒト白血球型抗原"
60件中 1-20の結果を表示しています
  • 加地 謙太, 大河内 昌弘, 鴨下 友彦, 長縄 博和, 梅枝 直裕, 藤原 周一, 山本 陽一, 本田 浩一, 神谷 泰隆, 大野 恒夫
    日本農村医学会学術総会抄録集
    2009年 58 巻 R-11
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/03/19
    会議録・要旨集 フリー
    〈症例〉症例1は,71歳男性。現病歴として,高血圧,脳
    梗塞後遺症のため,当院外来に通院され,内服治療で安定
    して経過していた。平成20年6月13日になり,発熱,口
    渇,多飲,多尿,全身倦怠感が出現するようになったため
    当院受診した処,BS1,132mg/dl,HbA1c6.3%,尿ケト
    ン体3+,代謝性アシドーシスを認めた。血清アミラーゼ
    923IU/L と異常値を認めた。抗GAD 抗体,抗IA―2抗体,
    抗インスリン抗体は陰性,S-CPR0.58ng/ml,U-CPR<
    0.8μg/day,グルカゴン負荷テストは,低反応であり,劇
    症1型糖尿病と診断した。HLA-DNA タイピングでは,
    DRB10405,DQB10401と劇症1型糖尿病の疾患感受性遺
    伝子を認めた。症例2は,25歳女性。2子出産10ヶ月後の
    平成21年3月26日になり,嘔気,口渇,多飲,多尿,全身
    倦怠感が出現するようになったため当院受診した処,BS
    462mg/dl,HbA1c6.1%,尿ケトン体4+,代謝性アシ
    ドーシスを認めた。血清アミラーゼ213IU/L と高値を認め
    た。抗GAD 抗体,抗IA―2抗体,抗インスリン抗体は陰
    性,S-CPR<0.03ng/ml,U-CPR<5.1μg/day,グルカゴ
    ン負荷テストは,低反応であり,劇症1型糖尿病と診断し
    た。HLA-DNA タイピングでは,DRB10401,1302,DQB
    10302,0604と劇症1型糖尿病の疾患感受性遺伝子と異な
    り,自己免疫性1型糖尿病の疾患感受性遺伝子を認めた。
    〈考察〉当院の劇症1型糖尿病の2症例の検討では,どち
    らも報告されている劇症1型,自己免疫性1型糖尿病の疾
    患感受性遺伝子を保有しており,糖尿病の家族歴は共にな
    いが,劇症1型糖尿病の発症に遺伝子的な素因が深く関与
    していると考えられた。
  • *臼井 亨
    日本毒性学会学術年会
    2024年 51.1 巻 W2-5
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/08/29
    会議録・要旨集 フリー

    キャリアタンパクと結合することで免疫原性を持つ低分子ハプテンとなりうる反応性代謝物の生成を回避する化合物スクリーニングは、多くの製薬会社が採用する一般的なdrug-induced liver injury(DILI)回避戦略の1つである。DILIは、医薬品開発における通常の動物試験では検出できず、臨床試験開始以降に特定のヒトにおいて顕在化することがある。その種差(ヒト特異性)や個人差の克服・解明のために、ヒト試料を用いた多くの研究がなされてきた。DILI発症患者と非患者群において行われたゲノムワイド関連解析(GWAS, Genome-Wide Association Study)においては、

    ヒト白血球型抗原
    、HLA(Human Leukocyte Antigen)が1つのリスク因子として同定されている。HLAは免疫システムにおける抗原提示を担う本体でT細胞誘導の拘束因子であることから、この結果は獲得免疫のDILIへの関与を示唆しており、前述の反応性代謝物回避戦略は、ハプテン介在型の獲得免疫反応を間接的に回避していると考えられる。実際、皮膚毒性を発症したヒト試料を用いた研究では、リスクHLAキャリア患者の血液から薬物特異的なT細胞が同定されており、一部の薬剤においては、ハプテンがキャリアタンパクと結合することで薬物特異的T細胞を増殖させることも報告されている。一方、DILIを発症したヒト試料を用いた研究においては、薬物特異的T細胞の関与するメカニズム報告は限定的である。本発表では、複数の抗結核薬を服用するDILI患者もしくは皮膚毒性患者血液を用いた検討において同定されたイソニアジド特異的T細胞の反応を例に、獲得免疫の関与するDILIメカニズム研究について紹介し、その課題について議論したい。

  • 藤原 周一, 大河内 昌弘, 鴨下 友彦, 長縄 博和, 加地 謙太, 山本 陽一, 梅枝 直裕, 本田 浩一, 神谷 泰隆, 大野 恒夫
    日本農村医学会学術総会抄録集
    2009年 58 巻 R-12
    発行日: 2009年
    公開日: 2010/03/19
    会議録・要旨集 フリー
    〈症例〉症例1は,42歳女性。身長160cm,体重70kg。平
    成18年6月8日に,うつ病で精神科に入院。入院前に糖尿
    病無し。入院後より,フマル酸クエチアピンの内服を開
    始。平成18年8月に嘔吐を認めるようになり検査をした
    処,BS322mg/dl,HbA1c11.1%,抗GAD 抗体37.4U/
    ml と自己免疫性1型糖尿病を発症していた。フマル酸ク
    エチアピンの中止に加えて,強化インスリン治療を継続し
    た処,HbA1c6.3%まで改善。HLA-DR アリルは,DR
    4,DR9,HLA-DQ アリルは,DQ3,DQ4であり,自
    己免疫性1型糖尿病に疾患感受性のHLA-DR,HLA-DQ
    アリルを保有。症例2は,67歳男性で糖尿病既往歴なし。
    身長152cm,体重58kg。認知症にて近医にて入院中であっ
    た。平成20年7月よりオランザピンの内服を開始。平成21
    年1月半ばより発熱,1月26日に意識レベルの低下,高血
    糖を認め,当院紹介。入院時,BS872mg/dl,HbA1c
    9.8%,抗GAD 抗体<0.3U/ml と2型糖尿病による高浸
    透圧性糖尿病性昏睡を発症していた。オランザピンの中止
    に加えて,強化インスリン治療を継続し,その後グリメピ
    リドの内服に変更しHbA1c6.9%まで改善。HLA-DR ア
    リルは,DR4,DR15,HLA-DQ アリルは,DQ3,DQ
    6であり,自己免疫性1型糖尿病に疾患感受性のHLADR,
    HLA-DQ アリルを保有しておらず。
    〈考察〉一部の抗精神病薬には,高率に糖尿病昏睡を誘発
    させる危険性が指摘されているため,使用時,使用後に
    は,HbA1c や血糖値のチェックを定期的に行う必要があ
    る。加えて,自己免疫性1型糖尿病に疾患感受性のHLADR,
    HLA-DQ アリルを保有する患者は,抗精神病薬服用
    を契機に自己免疫性1型糖尿病を誘発させる可能性があ
    り,注意する必要があると考えられた。
  • その時,薬剤師はどのように判断するか
    小林 義典
    ファルマシア
    2015年 51 巻 2 号 113
    発行日: 2015年
    公開日: 2018/08/26
    ジャーナル フリー
  • 藤室 雅弘
    ファルマシア
    2004年 40 巻 1 号 63-
    発行日: 2004/01/01
    公開日: 2018/08/26
    ジャーナル フリー
  • 松田 秀岳, 吉田 祐未, 中本 安成
    肝臓
    2020年 61 巻 5 号 242-243
    発行日: 2020/05/01
    公開日: 2020/05/11
    ジャーナル フリー
  • 岩井 宏治, 林 秀樹, 飛田 良, 木下 妙子, 川口 民郎, 酒井 宏, 堀江 稔
    心臓
    2015年 47 巻 2 号 180-186
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/02/15
    ジャーナル フリー
     症例は65歳, 女性. 右上肢の乏血症状をきたし精査加療目的に入院となった. 右橈骨動脈の触知はできず, 右上腕での血圧測定は不可であった. 造影CTにて右鎖骨下動脈の閉塞を認め,
    ヒト白血球型抗原
    -B52が陽性であり, 大動脈炎症候群と診断された. 副腎皮質ホルモンと抗血小板剤の内服に加え, 上肢のリハビリテーションを実施した. 負荷制御装置を用いて上肢のアイソキネティック運動 (回転数30回/分, 15分間) を実施し, また弾性バンドによるレジスタンストレーニングを併用した. 運動療法後には, 上肢の血行改善を目的にホットパックによる温熱療法も行った. 治療9カ月後の造影CTと, 血管造影検査にて右鎖骨下動脈の血管内径の増大・血流改善を認めた.  右鎖骨下動脈狭窄を認めた大動脈症候群症例において, 副腎皮質ホルモンの内服に加え長期間のリハビリテーションの継続が, 狭窄血管の血行改善に寄与できる可能性が示唆された.
  • 平田 哲也
    Trends in Glycoscience and Glycotechnology
    2022年 34 巻 197 号 J9
    発行日: 2022/01/25
    公開日: 2022/01/25
    ジャーナル フリー
  • 濱野 さゆり
    生物工学会誌
    2025年 103 巻 1 号 28
    発行日: 2025/01/25
    公開日: 2025/01/25
    ジャーナル フリー
  • 鎌谷 智紀, 清野 研一郎
    Organ Biology
    2022年 29 巻 2 号 133-137
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/08/08
    ジャーナル フリー

    iPS細胞を用いた移植医療では, 臨床グレードの細胞を迅速かつ低コストで使用するために, 既製品化された他家iPS細胞をoff-the-shelf製剤として使用することが予定されている. off-the-shelf製剤として使用するiPS細胞には, 拒絶反応のリスクを低減する目的で, Human leukocyte antigen(HLA;

    ヒト白血球型抗原
    )型をホモ接合体で持つ, HLA型ホモ接合体iPS細胞を使用することが計画されており, 将来のHLA型適合移植に向けて複数株が樹立されている. 本稿では, 他家HLA型ホモ接合体iPS細胞由来組織移植における拒絶反応制御に向け筆者らが行なった, 免疫抑制剤併用プロトコールの構築を中心に紹介する.

  • 久永 欣哉
    臨床神経学
    2012年 52 巻 11 号 1234-1236
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/11/29
    ジャーナル フリー
    Behçet disease and Sweet disease are multisystem inflammatory disorders involving mucocutaneous tissue as well as nervous system (neuro-Behçet disease and neuro-Sweet disease). Pathological findings in the encephalitis are chiefly perivascular cuffing of small venules by neutrophils, T lymphocytes, and macrphages. Destruction of the brain substrates is mild in neuro-Sweet disease compared with that of neuro-Behçet disease, especially that of chronic progressive subtype. HLA (human leukocyte antigen)-B51 is frequently positive in neuro-Behçet disease, and the frequencies of HLA-B54 and Cw1 in neuro-Sweet disease are significantly higher than not only those in Japanese normal controls but also those in patients with these diseases without nervous complications. These HLA types are considered as risk factors which are directly associated with the etiology of these diseases. Prednisolone is usually used for the treatment of acute phase of both diseases. Methotrexate and infliximab are administered to patients with the chronic progressive type of neuro-Behçet disease. Colchicine and dapsone are prescribed to prednisolone-dependent recurrent cases of neuro-Sweet disease.
  • 緒方 貴次, 坂東 英明
    杏林医学会雑誌
    2020年 51 巻 3 号 189-194
    発行日: 2020/10/05
    公開日: 2020/10/05
    ジャーナル フリー

    近年がん免疫療法が脚光を浴び,免疫チェックポイント阻害薬を中心に治療開発が進んでいる。2020年6月時点で使用可能な免疫チェックポイント阻害薬は、抗CTLA-4抗体、抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体が6種類となっており,がん種によっては他剤との併用についても承認されている。しかし,免疫チェックポイント阻害薬は効果のある症例が限定的であり,致死的な有害事象が出現する可能性もあることから,効果の期待できる症例を選択することが課題となっている。高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)やtumor mutational burden高値,PD-L1の高発現などが有効なバイオマーカーとして報告され,臨床試験ではtumor-infiltrating lymphocytes,腸内細菌叢や

    ヒト白血球型抗原
    タイプなどがバイオマーカーの候補として研究されている。特にMSI-Hを有する全固形癌にペムブロリズマブが薬事承認されており,国内初の臓器横断的な承認であり,今後の薬剤開発にも重要であった。また,免疫チェックポイント阻害薬を投与することで急速に腫瘍が増大することがあり,そのような症例は非常に予後不良であることから急速増大を予測するバイオマーカーも検討されている。

  • ―無菌室内における運動療法の有用性―
    森下 慎一郎, 島田 真一, 眞渕 敏, 田中 隆史, 梶原 和久, 児玉 典彦, 海田 勝仁, 小川 啓恭, 道免 和久
    理学療法学
    2009年 36 巻 3 号 120-126
    発行日: 2009/06/20
    公開日: 2018/08/25
    ジャーナル フリー
    【目的】造血幹細胞移植患者に対し移植前後約5週間の無菌室入室中に運動療法プログラムを実施した場合の身体機能とQOLに及ぼす影響を調査した。【対象と方法】造血幹細胞移植を受けた患者18名(男11名,女7名:平均年齢48.6 ± 12.8歳)である。評価は握力,膝伸展筋力,6分間歩行距離,1日の歩数,体重,QOL(SF-36)について移植前後で実施した。無菌室内での運動療法はストレッチング,筋力増強運動,歩行練習を実施した。【結果】プログラム完遂者は11名,脱落者は7名であった。完遂群の11例において,移植前に比べ移植後の握力,膝伸展筋力,体重は有意な低下を示した(p < 0.05)。しかし,6分間歩行距離,歩数の有意な減少はなく,11名中5名は6分間歩行距離が向上傾向を示し,11名中8名は歩数が増大傾向を示した。QOLは8項目中2項目(身体機能・社会生活機能)で有意な低下を認めた(p < 0.05)。【結論】無菌室において我々の運動療法プログラムを実施した場合,筋力低下の程度は過去の報告ほどではなく,全身持久性は維持でき,QOL低下は2項目にとどまった。従って,無菌室における我々の運動療法プログラムは有用と考えられた。
  • 藤原 悠起, 朴 知賢, 堂地 赳生, 弦巻 好恵
    Drug Delivery System
    2020年 35 巻 1 号 71-75
    発行日: 2020/01/25
    公開日: 2020/04/25
    ジャーナル フリー
    2019年3月、日本で初めて免疫細胞療法であるキメラ抗原受容体T細胞療法(chimeric antigen receptor-T cell therapy:CAR-T細胞療法)、チサゲンレクルユーセル(製品名;キムリア®点滴静注、ノバルティス)が承認された。チサゲンレクルユーセルの適応は、再発または難治性のCD19陽性のB細胞性急性リンパ芽球性白血病(B-cell acute lymphoblastic leukemia:B-ALL)および、再発または難治性のCD19陽性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(diffuse large B-cell lymphoma:DLBCL)である。チサゲンレクルユーセルは、患者自身のT細胞を原材料とする再生医療等製品であり、白血球アフェレーシスにより採取したT細胞にレンチウイルスベクターを用いてキメラ抗原受容体(chimeric antigen receptor: CAR)遺伝子を導入して製造される。今回の承認は、再発または難治性のCD19陽性のB-ALLとDLBCLを対象とした国際多施設共同第II相試験(ELIANA試験、JULIET試験)の結果に基づいている。このCAR-T細胞療法は、高度な細胞製造技術はもちろん、複雑な製造工程を厳格に管理する体制が求められている。
  • 山口 公平, 間山 恒, 石黒 陽, 鎌田 耕輔, 櫻庭 裕丈, 久保 恒明, 玉井 佳子
    日本輸血細胞治療学会誌
    2024年 70 巻 4 号 509-514
    発行日: 2024/08/26
    公開日: 2024/09/06
    ジャーナル フリー

    免疫学的機序による血小板輸血不応状態(platelet transfusion refractory:PTR)はヒト白血球抗原(human leukocyte antigen:HLA)に対する同種抗体が主要因で血小板特異抗原(human platelet antigen:HPA)への同種抗体の関与は稀である.今回,抗HPA-5a抗体によるPTR合併急性骨髄性白血病(acute myeloid leukemia:AML)を経験した.症例は38歳女性.初回輸血時から血小板輸血に反応不良で,抗HLA抗体は認めず抗HPA-5a抗体のみ検出され同抗体によるPTRと診断.PTR合併造血器腫瘍は予後不良であるがHPA抗原は本人がHPA-5b/b,HLA一致同胞はHPA-5a/aであり第一寛解期での造血幹細胞移植は見合わせた.寛解導入療法2回で完全寛解となり,その後HPA適合血小板輸血とガンマグロブリン静注療法を施行し出血合併症なく治療を完遂した.極めて稀な抗体を保有するPTRでは適合血小板輸血の供給が難しく治療方針にも影響を及ぼす.将来的なiPS細胞由来適合血小板製剤等の開発が望まれる.

  • 高地 雄太, 山本 一彦
    日本内科学会雑誌
    2010年 99 巻 1 号 150-155
    発行日: 2010年
    公開日: 2013/04/10
    ジャーナル フリー
    膠原病・リウマチ性疾患の多くは,環境・遺伝因子によって発症する多因子疾患である.従来より,HLA遺伝子多型と各疾患の感受性との関連が知られていたが,近年,ゲノム全体を探索対象とするゲノムワイド関連解析が可能となったことにより,非HLA遺伝因子の解明が急速になされつつある.これらの疾患には,PTPN22TNFAIP3CTLA4などの共通遺伝因子が存在する一方で,関節リウマチにおけるPADI4遺伝子のように,疾患特異的な遺伝因子も存在する.したがって,これらの遺伝因子の組み合わせによって,個人における各疾患への感受性が規定されているものと考えられる.また,遺伝因子を複合的に解析することによって,個人の病態予測・治療反応性予測にも応用されることが期待されるが,遺伝因子には少なからず人種差が存在するため,今後,日本人における全貌を明らかにする必要がある.
  • 安井 直子, 康 勝好, 朴 明子, 加藤 元博, 森 麻希子, 秋山 康介, 関 正史, 高橋 寛吉, 花田 良二
    臨床血液
    2012年 53 巻 12 号 1997-2002
    発行日: 2012年
    公開日: 2013/01/11
    ジャーナル 認証あり
    免疫抑制療法(IST)が無効の最重症再生不良性貧血(vSAA)に対して血縁HLA一致ドナー(MRD)が不在の場合には,近年,代替ドナーとして非血縁者からの同種骨髄移植が推奨される。しかし,感染症などの合併症により迅速な移植を要する場合には,血縁HLA不一致ドナー(MMRD)や非血縁臍帯血ドナーが選択肢に挙がる。前者では移植片対宿主病(GVHD)が問題となり,後者では生着不全が問題となる。我々は,MRDが不在でISTに不応のvSAAの10歳の男児例が細菌感染症を反復したため,早期の移植が必要であると判断し,low-dose TBIを含む前処置による臍帯血移植(CBT)を施行し良好な経過を得た。症例の蓄積が必要ではあるが,low-dose TBIはCBTにおける生着不全のリスクを軽減する可能性があり,同様の症例に対しCBTは選択肢となり得る。
  • 五百井 彩, 佐藤 真穂, 中西 達郎, 辻本 弘, 樋口 紘平, 清水 真理子, 澤田 明久, 安井 昌博, 井上 雅美
    日本小児血液・がん学会雑誌
    2018年 55 巻 1 号 23-27
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/06/19
    ジャーナル フリー

    慢性活動性Epstein-Barrウイルス感染症(chronic active EBV infection; CAEBV)による血球貪食性リンパ組織球症(hemophagocytic lymphohistiocytosis; HLH)の8歳男児を報告する.ステロイド治療や多剤併用化学療法に不応でHLHの病勢が抑えられず当院へ転院した.化学療法を工夫してもなお病勢は悪化した.母親からの緊急末梢血幹細胞移植(peripheral blood stem cell transplantation; PBSCT)を施行した.移植前処置後解熱し,全身状態は改善した.移植後18日目に完全キメラを確認し,EBV-DNA量は正常化して寛解に至った.CAEBVによるHLHに対してステロイドや多剤併用化学療法が無効の場合,速やかに造血幹細胞移植を決断すべきである.

  • 白石 朝子, 石本 裕士, 赤田 憲太朗, 川波 敏則, 矢寺 和博, 迎 寛
    Journal of UOEH
    2017年 39 巻 1 号 55-61
    発行日: 2017/03/01
    公開日: 2017/03/23
    ジャーナル フリー

    症例は慢性副鼻腔炎と関節リウマチの既往がある50歳女性.緑膿菌による下気道感染症を繰り返し当科を受診した.胸部CTではびまん性汎細気管支炎様の肺病変が認められ,血清human T-lymphotrophic virus type 1(HTLV-1)抗体が陽性であった.関節リウマチに対しては生物学的製剤使用後であり,消炎鎮痛剤の内服のみで疾患制御は良好であった.肺病変に対してマクロライド少量長期療法を4年間施行したが,徐々に喀痰培養から検出される緑膿菌は多剤耐性化が進行し,下気道感染症は制御困難となり,さらにadult T cell leukemia(ATL)急性型を発症した.併存する耐性緑膿菌による下気道感染症が制御困難となり呼吸不全を伴うようになったためATLに対する積極的な全身化学療法は施行できず死亡した.剖検所見では,肺を含む多臓器に異型リンパ球の浸潤が認められ,HTLV-1感染によるATLの進行が本症例の病勢に大きく関与していた.びまん性汎細気管支炎類似の臨床背景を呈した関節リウマチとHTLV-1感染を合併した症例は検索範囲内ではなく,これらは類似した臨床像や画像所見を示すため,病態の鑑別が困難である.また,現在,肺病変合併症例に対するATLの全身化学療法の治療時期についての明確な基準はなく,今後の検討を要する.

  • 勝賀瀬 智大, 大津留 祥, 森田 ゆかり, 大﨑 康史, 古谷 博和, 穴山 貴嗣
    臨床神経学
    2023年 63 巻 2 号 92-96
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/02/25
    [早期公開] 公開日: 2023/01/31
    ジャーナル オープンアクセス HTML

    症例は74歳女性.眼筋型重症筋無力症(myasthenia gravis,以下MGと略記)と診断されていたが,頸部筋群や咬筋の疲労が出現し2021年8月上旬に当科に入院となった.各種検査から全身型MGと診断し,抗アセチルコリン受容体抗体,抗Kv1.4抗体,抗titin抗体が陽性であった.画像上胸腺腫はみられなかった.治療開始後に初期増悪を含む2回のクリーゼをきたし一時は心停止に陥り,通常の薬物治療には抵抗性であった.第73病日に拡大胸腺摘除術を施行したところ,術後数日で各種症状は軽減・消失した.抗体価も全て著しく低下し,気切閉鎖後に退院した.胸腺病理は退縮胸腺の像であった.

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