脳性小児麻痺児のおかれている栄養状態を血液成分から検討するため, 今回は某リハビリテーション施設に入院し運動機能訓練をうけている6~18才の肢体不自由児81名について血中B
1およびB
2濃度を測定し, 脳性小児麻痺児と他の肢体不自由児を比較し, さらに文献によって健康児と比較した。その結果,
1) 血中B
1の平均値は脳性小児麻痺児と他の原因による肢体不自由児との間に差が認められず, 健康児 (8.0μg/dl前後) のレベルとほぼ同じで, 正常範囲下限に達しないものは数例にすぎなかった。
2) 血中B
2平均値は脳性小児麻痺児と他の原因による肢体不自由児の間に有意の差は認められなかったが, 脳性小児麻痺アテトーゼ型はやや低値の傾向を示した。また健康児 (7.0~8.0μg/dl) とくらべると肢体不自由児はいずれも低値を示しており, さらにへき地学童 (6.5μg/dl) よりも低値だった。そして6.0μg/dl以下のB
2濃度を示す患児の出現頻度は脳性小児麻痺以外の肢体不自由児で41~44%, 脳性小児麻痺児では58%を示し, ことにアテトーゼ型脳性小児麻痺児では61%におよんだ。
3) B
1, B
2共に年令による差は認められなかった。
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