今月号の特集は,「ウェル
ビーイング
とインフォプロ」と題してお届けします。
新型コロナ感染症の拡大により,テレワークにシフトする等,働き方が大きく変わった方も多いのではないでしょうか。テレワークには,通勤時間が減る,オフィスよりも仕事に集中しやすい等の利点があります。一方で,同僚とのコミュニケーション不足や働き過ぎ等の欠点もあり,テレワーク中にメンタルの不調を感じた方もいるでしょう。また,コロナ禍でライフワークバランスや,自分にとっての幸せについて見つめ直す機会を持たれた方もいるかもしれません。
社会が大きく変化する昨今,“ウェル
ビーイング
”という言葉を目にする機会が増えてきました。本特集では,このウェル
ビーイング
について,様々な観点から紹介します。まず前野隆司氏(慶應義塾大学)に,ウェル
ビーイング
とは何かについて,「幸せ」の研究者の立場から概説いただきました。渡邊淳司氏(NTTコミュニケーション科学基礎研究所)らには,“アジャイル”という
ソフトウェア
開発の方法論を用いて,ウェル
ビーイング
を支援する技術について述べていただきました。齋藤敦子氏(コクヨ株式会社)には,職場環境をデザインするという観点から,ウェル
ビーイング
・オフィス,望ましいワークプレイスの設計について事例を交えて解説いただきました。小林由佳氏(法政大学)には,メンタルヘルスの悪化を防ぎ,ウェル
ビーイング
である状態にするためのワークエンゲージメントの高め方や,セルフケアについて論じていただきました。駒田陽子氏(東京工業大学)には,ウェル
ビーイング
のために重要なスリープマネジメントについて,睡眠負債や生体リズム,社会的ジェットラグ等のトピックを交えながら,良い睡眠を確保するためのポイントについて説明いただきました。
本特集で,ウェル
ビーイング
についての理解が深まり,読者の皆様がご自分にとってのウェル
ビーイング
について考える契機となれば幸いです。
(会誌編集担当委員:野村紀匡(主査),青野正太,池田貴儀)
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