69歳男性,尋常性白斑を発症し当科を受診した。外用治療で一部軽快傾向だったが,高血圧に対しバルサルタン・ヒドロクロロチアジド(hydrochlorothiazide,以下HCTZ)合剤を内服2年後から露光部の紅斑を自覚した。その後急速に脱色素斑および周囲に色素沈着が出現し始め,バルサルタン・HCTZ合剤による光線性白斑黒皮症(photoleukomelanoderma,以下,PLM)を疑った。入院のうえ,内服を中止し紫外線暴露の防止を励行したところ,紅斑,色素沈着はすみやかに消退した。調べえた限りでは,尋常性白斑とPLMを合併した報告例は認めなかった。自験例を供覧するとともに,これまでの薬剤性PLMの文献および病変部の組織変化に基づいた発症機序を考察する。
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