Si-LSIデバイスは,スケーリング則に基づいて,微細化が進められてきたが,この歴史は単に微細化を進める為の技術開発だけではなく,同時に計測や分析技術の向上も実施してきた.本来脇役である計測・分析技術が,現在ではITRSの中で重要な技術課題と捉えられている.本稿は計測技術中でも,SPM(走査プローブ顕微鏡)を使った評価技術について概説する.SPMはここ10年で格段に進歩し,もはや走査電子顕微鏡がそうであるように,既に量産ラインでも活躍している.SPMの応用範囲としては(1)寸法計測(2)絶縁膜の評価(2)不純物濃度評価等に加えて,近年ではプローブを使って多探針のプロービング技術に及んでいる.SPMの分解能は,実際のLSIに必要な分解能に比べて充分あったが,大口径化への対応も有り,徐々に余裕度は減少してきている.本稿ではSPMを使ったLSIデバイス評価の評価例を記す.
抄録全体を表示