平成4年12月17日に青森県立保健大学で開催された、第15回日本ヒューマンケア科学学術集会において、「人生会議とヒューマンケア―よりよいエンド・オブ・ライフのために」という学術集会テーマで、学術集会とシンポジウムが開催された。青森県保健医療福祉研究発表会と合同開催となり、一般演題では口述発表者18名、ポスター発表者33名、一般参加者が129名であった。基調講演では、ACP研究における第一人者である佐久大学の島田千帆教授をお迎えして、「人生の最後を支えるためのアドバンスケアプランニング」という題で、アドバンスケアプランニング(advance care planning;以下ACP)の基本的な事柄をお教えいただいた。また、シンポジウムでは、ACPを実践している保健医療福祉関係者に加え、
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者にもシンポジストに参加してもらい、さらに、基調講演をいただいた佐久大学の島田千帆教授を指定助言者としてお迎えし、議論を交わした。本シンポジウムにおいて、演壇においても、フロアにおいても、ACPの重要性をみんなで共有し、有意義な時間を得ることができた。筆者も、本大会長として、またシンポジウムの企画者として、ACPを考える良い機会を提供したと考えている。
本稿は、今回の学術集会のテーマから、人生会議についての知見を増やして振り返り、整理してまとめ、若干の考察を行うものである。
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