これまでの筆者の正形数や相対幹曲線に関する研究成果からすると,胸高直径の毎木調査と樹高曲線に加えて,標本木で正形状商η
0.5と樹皮厚率を測定することにより,林分の全幹材積と利用材積が推定できることになる。この揚合,利用材積は丸太の長さと無皮末口直径に基づいて推定される。ここでは,その方法ならびにスギ同齢林におけるその適用結果について述べる。この方法の理論は,単純同齢林にあっては,樹幹の大きさと無関係に林分内のすべての木が同じ相
射幹曲線を,ひいては同じ正形数を持つという仮定のもとに成り立っている。林分でのη
0.5の平均を知れば,あらかじめ用意されたη
0.5別の相対幹曲線や正形数より,林分の相対幹曲線と正形数は定まる。そして,単木の全幹材積は,正形数λ
0.9を用いての形数法により求める。また,ある大きさの樹幹から採材される各丸太の末口直径は,林分の相対幹曲緑に基づいて得た無皮現実幹曲線によって定める。実例の林分での検討結果によれば,この方法は,金幹材積および利用材積共に林分の総量としては正確なものを与えるのみならず,長さ・末口直径級別の丸太材積についても一応のものを与えるようである。
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