大気下層の熱的構造を求めるためにヘリコプタ搭載
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系を開発した。この系は
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本体,ウインチ,受信用アンテナ,受信器および記録器から構成されている。空中停止させたヘリコプタから,ヘリコプタ内に設置したウインチを用いて,ナイロン索で繋いである
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本体を下降•上昇させて測定を行い,測定修了後にはヘリコプタ内へ回収する。金属製円筒形の水密容器の内部および外部に取付けられた各種センサ=(
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本体)によって乾球•湿球温度および気圧を測定することができ,さらに海上の観測の際
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本体が着水した場合には水面温度も測定できる。測定データは
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内部の送信器からヘリコプタ上の受信器に送信される。ヘリコプタは1つの地点から他の地点へ3次元的に急速かつ容易に移動できるので,(1)ヘリコプタを所定高度に空中停止させて,所定地点上方の乾•湿球温度および気圧を測定すること,(2)
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本体を所定の高度に吊下げたヘリコプタを所定の経路を飛行させることによって乾•湿球温度の水平分布を測定することができる。この系の実験的使用例の1つとして,高度300mに空中停止させたヘリコプタに搭載したTV方式赤外映像撮像装置による地表面温度分布の撮影と同時に本
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系によって乾•湿球温度の垂直分布を測定した。この測定結果と放射伝達方程式とを用いて,撮影した地表面温度分布に対する水蒸気による放射減衰効果を補正することを行った。その他の使用例についても述べられている。
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