慢性腎不全患者の最終的な治療として, 腎移植は近年増加する傾向にある. それに伴い透析施設での対応および患者指導は重要な意味を持ってきた.
そこで, 今回サテライト施設での腎移植の取り組みについて検討を行った. 透析患者のうち腎移植希望者を対象に, 移植知識収得期, 移植準備期, 移植待機期と3期に分け指導を行った. 第1期の知識収得期では, 透析と腎移植の相違, 移植の社会的, 医学的特徴を患者レベルに合わせて教育を実施した. 第2期の準備期では, 生体腎移植, 死体腎移植希望者に対し, 組織適合検査およびレシピエント登録を実施した, 待機期である第3期では, 移植を受け入れられる心理的側面と貧血, 二次性副甲状腺機能亢進症をはじめとする移植を阻害する合併症の改善をめざし指導と治療を行った.
以上の指導と対応を通し, 移植希望患者の認識を高めることができた. 今後も, 移植に対する教育をサテライト施設として続けていく必要があると考える.
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