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クエリ検索: "下気道感染症"
1,644件中 1-20の結果を表示しています
  • Biological response modifierとしての可能性
    三笠 桂一, 澤木 政好, 喜多 英二, 浜田 薫, 古西 満, 前田 光一, 寺本 正治, 竹内 章治, 福岡 和也, 坂本 正洋, 辻本 正之, 森 啓, 国松 幹和, 樫葉 周三, 成田 亘啓
    CHEMOTHERAPY
    1994年 42 巻 11 号 1293-1298
    発行日: 1994/11/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    我々は慢性
    下気道感染症
    に対するerythromycin (EM) 長期化学療法の有用性とその作用機序について検討してきた。その中で, EM・clarithromicin (CAM) にはNatural Killer細胞活性や各種サイトカイン産生能を亢進させるBiological Response Modifier (BRM) としての作用があることを見い出した。そこで, 我々は肺癌患者にCAMを長期投与しその生存期間におよぼす影響を検討した。対象は当科に入院した手術不能と判断した原発性肺癌患者50例・男性43例, 女性7例, 年齢41~82歳 (64.5±9.8)。方法はCDDPを中心とする化学療法に放射線治療を施行し, 退院後初回外来受診時にCAM投与群と非投与群を無作為に割り付け, 両群間の生存期間等につき検討した。生存率はKaplan-Meier法により, 2群間の差の検定は, Generalized Wilcoxon法, およびLogrank法を用いた。なお, 2群間には年齢・性別・病期・組織型・基礎治療およびその奏効率に有意差は認めなかった。結果は小細胞癌では生存曲線に両群間に有意差はなかったが非小細胞癌では生存期間が有意に延長し (P=0.003), 50%生存期間 (MST) がCAM投与群930日, CAM非投与群299日であった。以上から, CAMは肺癌患者の生存期間を延長させるBRMとしての作用をもつ可能性が示唆された。
  • 第3報: 投与期間3年以上の症例を中心に
    三笠 桂一, 澤木 政好, 古西 満, 前田 光一, 竹内 章治, 浜田 薫, 国松 幹和, 増谷 喬之, 佐野 麗子, 喜多 英二, 樫葉 周三, 成田 亘啓
    感染症学雑誌
    1992年 66 巻 5 号 561-567
    発行日: 1992/05/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    1986年以前にEM治療 (Erythromycin stearate600~1,200mg/日) を開始した慢性
    下気道感染症
    31例に対し, その有用性などにつき検討した. 1) 投与継続し, 有効性を判定し得た20例 (投与期間3年6例, 4年5例, 5年5例, 6年4例) では著効3例, 有効14例, やや有効2例, 無効1例で, 有効以上の有効率は85%であった. 2) QOLは20例中15例に改善を示した. 3) Pseudomonas感染例では有効率 (87.5%) と菌の消失率 (12.5%) に解離があったが, Heamophilus感染例では解離がなかった (75%). 4) 投与中止した11例では, 中止理由は死亡5例 (肺癌1例, 心筋梗塞1例, 心不全1例, 呼吸不全1例, 突然死1例), 副作用2例 (口内炎, 胃腸障害), 自己中止3例, 転院1例であった. 5) 自己中止した3例は, 悪化しEMを再投与したが, 2例は無効であった. 6) 長期投与例では副作用はなかった. 以上より, EM長期治療は有用であり, 中止することなく継続するのが望ましいと考える.
  • Quality of lifeからの観点も含めて
    三笠 桂一他
    CHEMOTHERAPY
    1992年 40 巻 5 号 647-653
    発行日: 1992/05/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    緑膿菌性慢性
    下気道感染症
    に対するerythromycin (EM) 長期治療の有用性を検討した。対象は通年性に多量の膿性喀痰と労作時呼吸困難とを訴え, PaO2の低下を認め, TTAにてPseudomonas aeruginosaを検出した症例で, 方法はEMstearateを600~1, 200mg/日を分3で食後経口投与した。投与期間は8か月から6年8か月であった。EM治療前からP.aeruginosaを検出し最終観察時に投与を継続していた9例では有効率は89% (8/9例) であったが, 除菌率は11% (1/9例) であった。Quality of lifeは著明改善4例, 改善3例、やや改善2例であった。EM治療中にP.aeruginosaに菌交代した5症例では菌交代時に他の抗菌薬投与がなされており, 菌交代後も3例に有効であった。P. aeruginosa感染例でEM治療中に死亡した4例中3例は合併症 (肺癌, 心筋梗塞, 心不全) で死亡するまでは有効であった。1例は肺化膿症を合併し呼吸不全により死亡した。長期投与による副作用等は認めなかった。以上より緑膿菌性慢性
    下気道感染症
    に対するEM長期治療の有用性が示唆された。
  • 急性感染と慢性感染の観点から
    古西 満, 澤木 政好, 三笠 桂一, 竹内 章治, 柳生 善彦, 前田 光一, 濱田 薫, 国松 幹和, 成田 亘啓, 佐野 麗子, 増谷 喬之
    感染症学雑誌
    1991年 65 巻 12 号 1593-1599
    発行日: 1991/12/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    慢性
    下気道感染症
    の病態を喀痰量の変化を指標にして安定期と急性増悪期とに分け, 経気管吸引法 (以下TTA) により細菌学的検討を行った. TTAは安定期に107回, 急性増悪期に45回施行した.
    安定期には単独菌検出, 急性増悪期には複数菌検出が有意に多かった (p<0.01).
    安定期の単独菌検出例はH. influenzae (26回), P. aeruginosa (20回) が多かった. 安定期の複数菌検出例はH. influenzaeを含む組合せ (19回) が最も多かった.
    急性増悪期の単独菌検出例はH. influenzae (7回) が最も多く, 急性増悪期の複数菌検出例では, 安定期に検出している細菌を消去して残った細菌, すなわち増悪関与推定菌はH. influengae (7回) が最も多かった.
    以上から慢性
    下気道感染症
    ではH. influenzaeP.aeruginosaとが持続感染菌として, H. influenzaeが増悪関与菌として重要であることが示唆された.
  • 澤木 政好, 三笠 桂一, 古西 満, 前田 光一, 成田 亘啓
    日本化学療法学会雑誌
    1998年 46 巻 7 号 239-247
    発行日: 1998/07/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    難治性慢性
    下気道感染症
    に対する有用な治療法を確立するためにerythromycin (EM) 長期治療の臨床的検討を行った。対象はびまん性汎細気管支炎13例。全例多量の膿性痰と労作時呼吸困難, PaO2の低下を伴い, TTA検出菌はHaemophilus influenzaePseudomonas aeruginosaであった。EMの投与量は600~1,200mg/日, 投与期間は12~41か月であった。臨床効果は著効1例, 有効10例, やや有効2例で緑膿菌感染例2例も有効であった。QOLは全例に改善した。しかし治療前PaCO2の上昇していた症例では臨床効果は低く, EM長期治療の早期の開始が望まれた。長期投与による副作用はなかった。EM長期治療中の急性増悪はウイルス性上気道炎を契機におこり, 主な急性増悪菌はH. influenzaeStreptococcus pneumoniaeであった。EM長期治療が無効症例にはclarithromycin長期投与が有効であった。EM長期治療の終了時期については。臨床症状 (特に膿性痰) が消失し, 胸部X線上びまん性粒状影が消失した時期にEM長期治療の終了を考慮してもよいと考えられる。以上から慢性
    下気道感染症
    に対するEM長期治療は有用な治療法である。
  • 三笠 桂一他
    日本化学療法学会雑誌
    1996年 44 巻 12 号 883-889
    発行日: 1996/12/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    我々は慢性
    下気道感染症
    に対するerythromycin (EM) 長期投与の有用性とその作用機序について検討し, EM・clarithromycin (CAM) にはNatural Killer細胞活性や各種サイトカイン産生能を調整するBiological Response Modifier (BRM) の作用があることを見出した。今回BRMとしてのCAMに着目し, 肺癌患者にCAMを長期投与し, 生存期間への影響を検討した。対象は当科に入院した手術不能の原発性肺癌患者100例。方法は抗癌治療施行後退院し, 初回外来受診時にCAM (400mg/日) 投与群と非投与群を無作為に割り付けた。2 群間には年齢・性別・病期・組織型・前治療およびその奏効率に有意差は認めなかった。結果は, 非小細胞癌ではCAM投与群で生存期間が有意に延長し (50%生存期間CAM投与群: 535日, 非投与群: 277日, P=0.0012), またその効果は腺癌で優れていた。以上からCAMは非小細胞肺癌の治療に有用なBRMになる可能性が示唆された。
  • 前田 光一, 澤木 政好, 喜多 英二, 三笠 桂一, 坂本 正洋, 古西 満, 竹内 章治, 濱田 薫, 国松 幹和, 佐野 麗子, 増谷 喬之, 樫葉 周三, 成田 亘啓
    感染症学雑誌
    1993年 67 巻 10 号 1023-1030
    発行日: 1993/10/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    近年の慢性
    下気道感染症
    におけるPseudomonas aeruginosa感染の動向とその病態に関わる要因を知る目的で, 経気管吸引法 (TTA) を用い, 慢性
    下気道感染症
    におけるP.aeruginosaの検出比率の年次別推移の検討, およびP.aeruginosaを検出した慢性
    下気道感染症
    例の臨床的検討を行った.1978年12月から83年3月までの慢性
    下気道感染症
    におけるTTA検出菌全体に対するP.aeruginosaの検出比率は8.4%であったが, 83年4月から88年3月では11.4%, 88年4月から93年3月では23.1%と増加していた.83年4月から93年3月までにP.aeruginosaを検出した慢性
    下気道感染症
    例40例69回の検討ではPaeruginosa単独検出が60.9%, 複数菌検出が39.1%であったが, 病態により急性増悪期と非急性増悪期とにわけ検討すると, 複数菌検出は急性増悪期に多く, その同時検出菌はH.influenzaeS.pneumoniaeが多かった.急性増悪に関与した要因を検討したところ, これらの細菌の複数菌感染やvirus感染があった場合以外に, 他菌からP.aeruginosaへの菌交代後早期や, 副腎皮質ステロイド薬投与, 膠原病などの基礎疾患をもつ症例においてP.aeruginosaが単独で急性増悪に関与する場合があり, 臨床上注意が必要であると考えられた.
  • 植田 勝廣, 三笠 桂一, 濱田 薫, 坂本 正洋, 古西 満, 前田 光一, 眞島 利匡, 喜多 英二, 成田 亘啓
    肺癌
    1999年 39 巻 2 号 117-124
    発行日: 1999/04/20
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    員環マクロライドは, 抗菌活性以外に種々の作用を有する事が明らかにされた. 今回, CAMのbiological response modifier (BRM) 作用の検討の為, マウス肺癌皮下接種モデルを用い, CAM投与による脾細胞での各種サイトカインmRNA発現の変動を検討した. 方法はC57BL/6雌マウスにLewis肺癌 (LLC) 細胞を, 3×105個腹壁に皮下接種し, CAMは10mg/kgを連日投与した.腫瘍接種, 非接種群で, CAM投与, 非投与群を設定, 処置14日後に犠牲死させ, 脾細胞を検体としreverse transcriptase-assisted polymerase chainreaction (RT-PCR) 法で検討した. 結果は腫瘍非接種でCAM投与の有無による差は認めず, 腫瘍接種のCAM投与群で非投与群と比較しIL-4, 12, IFN-γの発現増強, IL-6の発現低下を認めた. CAMは担癌宿主のサイトカインネットワークを制御している可能性が推測された.
  • 三笠 桂一他
    CHEMOTHERAPY
    1994年 42 巻 4 号 430-435
    発行日: 1994/04/25
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    我々は慢性
    下気道感染症
    に対してerythromycin (EM) 長期化学療法が有効であることを報告してきた。本治療の有効率は約80%で約20%の症例では臨床症状や動脈血液ガス分析値の改善が認められず, また, β-ラクタム剤やニューキノロン系薬剤も無効でQuality of life (QOL) の面からも十分な改善が得られない。今回, 我々はEM非有効の慢性
    下気道感染症
    に対するclarithromycin (CAM) 長期化学療法の有用性を検討したので報告する。対象はEM長期化学療法で非有効の慢性
    下気道感染症
    10例。疾患はびまん性汎細気管支炎5例, 気管支拡張症4例, 慢性気管支炎1例。性別は男性2例, 女性8例, 年齢は30~76歳。感染菌はPseudomouas aeruginosa 8例, Haemophilus influenzae2例, EM投与量は200~1, 200mg/日, 投与期間は24~108か月であった。方法はCAMを200~400mg/日を13~23か月投与し, その臨床効果を検討した。結果は, 1) 10例中7例にPaO2・喀痰量の改善とQOLの改善が認められた。2) EMからCAMに変更後, 他の抗菌薬の使用回数が減少した。3) EM・CAM無効の症例から分離したP.aeruginosaの産生するelastaseに対してCAMは低濃度では十分抑制できなかった。以上からEM非有効の慢性
    下気道感染症
    に対するCAM長期治療の有用性が示唆された。
  • 宇塚 良夫, 千木良 淳, 丸山 英行, 木全 淳一郎
    CHEMOTHERAPY
    1993年 41 巻 Supplement1 号 765-768
    発行日: 1993/06/30
    公開日: 2011/08/04
    ジャーナル フリー
    新エステル型経口セフェム剤S-1108の位置付けを目的に,
    下気道感染症
    患者における臨床的検討を行った。
    下気道感染症
    患者7例 (慢性気管支炎5, 慢性肺気腫2) に対し, S-1108を, 150mg 1日3回, 7日間投与した。臨床効果は, 有効7で, 有効率7/7であった。5名で起炎菌が確認され, すべてHaemophilus influenzaeであった。5株すべてが本剤で除菌された。副作用と臨床検査値異常は全く認めなかった。
    以上の成績から, S-1108は
    下気道感染症
    に対して, 有効, 有用な薬剤と考えられる。
  • 三笠 桂一, 澤木 政好, 喜多 英二, 浜田 薫, 坂本 正洋, 寺本 正治, 成田 亘啓
    日本内科学会雑誌
    1997年 86 巻 1 号 100-107
    発行日: 1997/01/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    最近14員環マクロライド薬が抗菌力以外の免疫・薬理作用を有していることが注目されている.我々は本剤がbiological response modifier (BRM)活性を有することを見出し,非小細胞肺癌患者にclarithromycin (CAM)の長期投与を試み,延命効果を検討した.対象は手術不能の原発性肺癌患者100例.方法は抗癌治療後, CAM (400mg/日)投与群と非投与群を無作為に割り付けた. 2群間の背景因子には有意差は認めない.結果は,非小細胞肺癌でCAM投与群で生存期間が有意に延長した.その効果は腺癌で優れており病期は早期な程,前治療有りの症例で有効であった.作用機序として悪液質の改善,抗腫瘍性サイトカインの活性化,血管新生抑制作用など多面的な作用が考えられた.
  • 国松 幹和
    感染症学雑誌
    1985年 59 巻 12 号 1175-1183
    発行日: 1985/12/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    Haemophilus influenzaeは慢性
    下気道感染症
    の重要な起炎菌であるが, 下気道における分布, 動態に関しては明かにされていない.この問題に取り組むために, H.influenzae (non capsulatd strain) に対する抗体を作成し, 慢性
    下気道感染症
    患者の気管支壁について, 蛍光抗体法を用いH.influenzaeの分布を調べた.対象は経気管吸引法 (TTA) にてH.influenzaeが検出された慢性
    下気道感染症
    患者8例で, 陰性コントロールとしてTTAにてBranhamella catarrhalis, Klebsiella pneumoniaeがそれぞれ検出された慢性
    下気道感染症
    患者2例を用いた.気管支壁は経気管支的気管支生検にて慢性
    下気道感染症
    患者の主気管支および区域気管支 (B7) より採取し, 蛍光抗体法により染色した.
    1.H.influenzeaは主気管支には8例中1例も検出されなかったが, 区域気管支には8例全例に検出された.
    2.組織学的にみるとH.influenzaeは全例, 気道分泌物および気道粘膜上に認め, そのうち1例は気道粘膜下組織 (非腺組織) にも検出された.
    3.他菌の検出された対照の2例ではH.influenzaeは検出されなかった.
    以上のことから慢性
    下気道感染症
    において, 気道上のH.influenzaeには定着しやすい部位があることが推測された.
  • 第4報: EM無効例に対するClarithromycinの有効性について
    三笠 桂一, 澤木 政好, 喜多 英二, 古西 満, 前田 光一, 浜田 薫, 竹内 章治, 増谷 喬之, 佐野 麗子, 国松 幹和, 樫葉 周三, 成田 亘啓
    感染症学雑誌
    1992年 66 巻 8 号 1097-1104
    発行日: 1992/08/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    慢性
    下気道感染症
    に対するErythromycin (以下EM) 長期治療の有用性はほぼ確立されたが, EMの無効例や臨床効果の低い症例が存在する. 今回, 我々はこれらの症例に対しClarithromycin (以下CAM) を投与し, その病態の改善に有用であった症例を経験したので若干の臨床的および基礎的検討を加え報告する. 対象はEMが無効又は臨床効果が低かった4例. 疾患はDPB1例, 気管支拡張症3例, 感染菌は全例Pseudomonas aeruginosaで, EMの投与量は200-1,200mg/日, 投与期間は2年-6年9ヵ月, EMの臨床効果は無効2例, やや有効2例であった. CAMの投与方法はCAM200又は400mg/日を1日1又は2回に分け食後経口投与した. 投与期間は最終観察時 (1992年2月) において3-8ヵ月であった. 臨床効果の判定は喀痰量とPaO2とに患者の評価を加え検討した. 結果は全例に喀淡量の減少やPaO2の改善が認められ, 患者の評価では全例EM治療中よりCAMの方が調子がよいと答えた. また, EM無効例の1例から検出されたP. aeruginosaの産生するelastase・leucocidinに対するEMとCAMの検討では, EMは両者を抑制しなかったがCAMは両者を抑制した. マウスのサイトカイン (IL2, IL-4, IFN-γ) に与える影響についての検討ではEM, CAMの28日投与マウスにおいてサイトカイン産生能の上昇が認められたが, II/2産生能の経時的変化ではCAMの方がより早期から上昇が認められた. 以上からEM無効の慢性
    下気道感染症
    に対するCAMの有用性が示唆された.
  • 三笠 桂一, 古西 満, 前田 光一, 坂本 正洋, 植田 勝廣, 眞島 利匡, 喜多 英二, 成田 亘啓
    日本内科学会雑誌
    1999年 88 巻 8 号 1533-1540
    発行日: 1999/08/10
    公開日: 2008/06/12
    ジャーナル フリー
    呼吸器疾患に対するマクロライド薬の新作用の臨床応用について,慢性
    下気道感染症
    と肺癌を中心に述べた.びまん性汎細気管支炎を中心とする慢性
    下気道感染症
    に対するerythromycin (EM)長期治療は患者のQOLと予後とを著明に改善する画期的な治療法である.その有効率は85%であり,無効例にはclarithromycin (CAM)が有効である.緑膿菌感染例において除菌率と臨床効果が解離することからマクロライド薬の抗菌力以外の作用の研究が発展し,マクロライド薬が細菌に対し抗菌活性以外の作用を有し,宿主に対してはbiological response modifierとして作用することがわかり非小細胞肺癌患者に対してCAMの長期投与がQOLの改善と生存期間を延長することが実証された.その機序として, IL-6, TNF一αを抑制することで悪液質を改善し, IL-12, IFN-γ, NK活性を増強することで宿主の免疫能を高め, CAMはサイトカインレベルで担癌宿主においてThl, 2のバランスを制御していることが考えられた.
  • 瀬尾 幸子
    臨床血液
    2017年 58 巻 7 号 818-826
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/08/05
    ジャーナル 認証あり

    呼吸器ウィルス感染症は,造血幹細胞移植後1年以内の発症率が約60%であり,重要な移植後合併症である。移植後患者においては,上気道感染症から

    下気道感染症
    へ15~20%が進行し,
    下気道感染症
    を起こした場合の致死率は約40%と高い。移植後早期,好中球,リンパ球数の低値,年齢,ステロイド使用が
    下気道感染症
    への危険因子となる。RSVウィルスに対する吸入あるいは経口リバビリンやインフルエンザウィルスに対するノイラミニダーゼ阻害薬の投与は
    下気道感染症
    への進行および,
    下気道感染症
    による死亡に対して有効である。一方で,大量免疫グロブリンの投与が有効であるという明確なデータはない。呼吸器ウィルス感染症と診断された場合にはステロイド投与を可能な限り1 mg/kg/day以下に減量することが望まれる。今後,日本においてもmultiplex PCRによる呼吸器ウィルス検査が一般化し,呼吸器ウィルスに対する知見が高まると共に,新規治療薬の導入が望まれる。

  • 三笠 桂一, 喜多 英二, 澤木 政好, 古西 満, 前田 光一, 浜田 薫, 竹内 章治, 坂本 正洋, 国松 幹和, 樫葉 周三, 成田 亘啓
    感染症学雑誌
    1993年 67 巻 7 号 648-653
    発行日: 1993/07/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    Pseudomonas aeruginosa, Neisseria gonorrhoeaeのHeLa細胞・HT-177細胞への接着に及ぼすerythromycin (以下EM) の影響とP.aeruginosaの細胞障害毒素産生に及ぼす作用とを検討した.1) EMは両菌の接着を抑制した.2) EMは両菌のpiliの発現を抑制した.3) EMはN.gonorrhoeaeの第二接着因子であるprotein IIの産生を抑制した.4) EMはP.aeruginosaの66K cytotoxinの産生を抑制した.
    以上から, EMが両菌の接着因子の発現や毒素の産生を抑制することで感染の成立を阻害している可能性が示唆された.
  • 第5報: 7年以上の経過を観察しえた症例について
    三笠 桂一, 澤木 政好, 喜多 英二, 古西 満, 前田 光一, 竹内 章治, 浜田 薫, 国松 幹和, 今井 照彦, 佐々木 義明, 樫葉 周三, 成田 亘啓
    感染症学雑誌
    1992年 66 巻 10 号 1390-1395
    発行日: 1992/10/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    慢性
    下気道感染症
    に対するEM長期治療において7年間の経過を観察しえた9症例について臨床的検討を行った.1) 臨床効果は8例に有効以上であり, QOLの改善も8例に認められ, 細菌学的効果は7例で菌の消失を認めた.2) 副作用は認めなかった.3) PaO2の経時的変化は多くは1年以内にプラトーに達するが, それ以後でも上昇する症例があった.4) 7年間の感冒罹患回数は1人年平均約1.2回と少なく, 感冒を契機とする急性増悪などによる病状悪化で入院したのは2例のみであった.5) 粘液線毛輸送機構は検討しえた8例中EM投与後7例に改善がみられたが, 正常になったのは4例のみであった.改善がみられなかった症例の臨床効果はやや有効であった.
    以上からEM長期治療は開始して1年以内に有効性が発揮され7年間以上継続しても有効性は低下することなく維持され, また, 患者のQOLが著明に改善される有用な治療法であることが確認された.
  • 前田 光一, 澤木 政好, 三笠 桂一, 古西 満, 寺本 正治, 森 啓, 坂本 正洋, 辻本 正之, 竹内 章治, 濱田 薫, 国松 幹和, 喜多 英二, 樫葉 周三, 佐野 麗子, 増谷 喬之, 成田 亘啓
    感染症学雑誌
    1994年 68 巻 12 号 1472-1478
    発行日: 1994/12/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    最近10年間に当科で経気管吸引法 (TTA) を施行しムコイド型緑膿菌を検出した呼吸器感染症20例33回の臨床的検討を行った.
    ムコイド型緑膿菌を検出した33回中32回 (97.0%) が慢性
    下気道感染症
    または同症の急性増悪に伴う肺炎から検出され, 慢性
    下気道感染症
    のない例からの検出は1回のみであった.一方, 非ムコイド型緑膿菌は46回中慢性
    下気道感染症
    のない例で9回に検出された。ムコイド型緑膿菌の単独菌検出は69.7%, 複数菌検出は30.3%で後者は慢性
    下気道感染症
    の急性増悪期である比率が高く, 同時検出菌はHaemophilus influenzaeが最も多かった.緑膿菌を検出したびまん性汎細気管支炎の56.3%, 気管支拡張症の42.9%, 慢性気管支炎の40.0%がムコイド型であった.非ムコイド型緑膿菌検出肺炎例の死亡率は41.6%であったがムコイド型検出肺炎例では死亡例はなかった.非急性増悪期の慢性
    下気道感染症
    例において非ムコイド型検出例と比較して炎症所見, 呼吸機能などの検査値に明らかな差はみられなかった.今回の検討からムコイド型緑膿菌は慢性
    下気道感染症
    における持続感染菌として非ムコイド型に比べより重要であることが示唆されたが, その感染機序および臨床的意義についてはさらに検討を要すると考えられた.
  • 辻本 正之, 澤木 政好, 坂本 正洋, 三笠 桂一, 濱田 薫, 古西 満, 前田 光一, 寺本 正治, 森 啓, 植田 勝廣, 成田 亘啓, 喜多 英二
    感染症学雑誌
    1997年 71 巻 5 号 430-436
    発行日: 1997/05/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    慢性
    下気道感染症
    患者40例を対象として, 血清中IL6とTNFα濃度とを高感度ELISA法を用いて測定した.IL-6とTNFα とは, 急性増悪期で安定期に比較して有意に高値であり, Pseudomonas aeruginosa (P.aeruglnosa) 持続感染例の急性増悪期で, Haemophilus influenzae (H.influenzae) 持続感染例での急性増悪期に比較して有意に高値であった.また臨床検査値との比較では, 血清アルブミン値とコリンエステラーゼ値とがIL6およびTNFαと逆相関した. 気道における持続感染によるIL6とTNFα との産生が患者の病態に影響している可能性が示唆された.
  • 特にrespiratory syncytial virus感染症に注目して
    西條 政幸, 滝本 昌俊, 高橋 庸二
    感染症学雑誌
    1994年 68 巻 1 号 1-7
    発行日: 1994/01/20
    公開日: 2011/09/07
    ジャーナル フリー
    北海道北部に位置する当院の小児
    下気道感染症
    入院患者をもとに, 疫学的研究を行った. 1991年4月から1993年3月までの2年間に467人の小児
    下気道感染症
    患者が入院した. そのうち456人 (97.6%) の鼻汁中respiratory syncytial virus (RSV) 抗原の有無を酵素免疫測定法で検索した. また, Mycoplasmapneumoniae (以下, M. pneumoniae) 感染症を疑った125人の急性期と回復期の血清中M. pneumoniae抗体価を補体結合反応で測定した. RSV
    下気道感染症
    は133人 (全体の28.9%) で, 11月から流行し翌年2月には減少した. また, RSV感染症はほぼ年間を通じて認められた. 次いで, M. pneumoniae感染症が45人 (9.8%) であった.北海道でもRSVは小児の
    下気道感染症
    に大きな役割を果たしていた. また, RSV感染症は春と冬の2峰性に流行する年と冬にのみ流行する年があった.M. pneumoniae感染症とRSV感染症の流行は互いに干渉し合う可能性が示唆された.
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