1986年以前にEM治療 (Erythromycin stearate600~1,200mg/日) を開始した慢性
下気道感染症
31例に対し, その有用性などにつき検討した. 1) 投与継続し, 有効性を判定し得た20例 (投与期間3年6例, 4年5例, 5年5例, 6年4例) では著効3例, 有効14例, やや有効2例, 無効1例で, 有効以上の有効率は85%であった. 2) QOLは20例中15例に改善を示した. 3)
Pseudomonas感染例では有効率 (87.5%) と菌の消失率 (12.5%) に解離があったが,
Heamophilus感染例では解離がなかった (75%). 4) 投与中止した11例では, 中止理由は死亡5例 (肺癌1例, 心筋梗塞1例, 心不全1例, 呼吸不全1例, 突然死1例), 副作用2例 (口内炎, 胃腸障害), 自己中止3例, 転院1例であった. 5) 自己中止した3例は, 悪化しEMを再投与したが, 2例は無効であった. 6) 長期投与例では副作用はなかった. 以上より, EM長期治療は有用であり, 中止することなく継続するのが望ましいと考える.
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