交替制勤務者に睡眠障害が多いこと, および病棟看護職が高ストレス職種であることは, よく知られている。病棟看護職における
不眠症
の有症率, および
不眠症
と職業性ストレスとの関連について調べるために, 一病院で交替制勤務に従事する全病棟看護婦を対象に横断的な無記名式質問紙調査を行い, 149名の回答について検討した。ただし, 入眠困難・中途覚醒・早すぎる覚醒・熟眠困難のうち1つ以上の
不眠症
状が最近1カ月以上持続して週1日以上あるために, 二次的に生活上の支障を生じて困っている人を,
不眠症
と定義した。
不眠症
の有症率は37%, 特に24歳以下では49%と, 一般集団に比べ非常に高かった。
不眠症
群には睡眠薬使用者が多く見られた。さらに多変量解析の結果, 年齢24歳以下, 最近の休日数6日/月以下, 最近の深夜勤が5回/月以下, 現在喫煙, 「患者との対人関係の困難」を多く感じている, という条件が
不眠症
と関連していた。これらの結果は, 交替勤務への馴れ, 深夜勤を減らすことを希望する背景要因 (たとえば家族的な問題など), 看護職固有のストレス要因などが交替勤務による不眠を修飾していることを示唆する一方, いわゆるHealthy Worker effectが背景に関与している可能性も否定できない。
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