2010年11月6日(土)~7日(日)、 米国サンフランシスコで
世界鍼灸学会連合会
(The World Federation of Acupuncture and Moxibustion Societies、 以下WFAS) の国際学会が開催された。 大会テーマは 「鍼灸研究と教育、 臨床実践」 であった。
今回は1997年に行われた 「NIH鍼のコンセンサス形成会議」 の主催団体の一つであった米国鍼研究学会 (Society for Acupuncture Research: SAR) が共催団体に加わるとともに、 国立補完代替医療センター (National Center for Complementary and Alternative Medicine: NCCAM) から基調講演がなされた。
近年、 鍼灸関連の国際標準制定の動きが進んでいるが、 WFASは国際的な非政府組織(NGO)であるはずなのにまるで中国の作業部隊のように鍼灸針の規格をはじめとした様々な鍼灸関連の標準案を作成している。 そして、 WFASはそれらを国際標準化機構 (International Organization for Standardization: ISO) 等で世界標準とすることを計画している。 しかしながらその標準案作成作業は非民主的で公正さを欠いている。 また、 会期中に行われた執行理事会の議事録は、 英語版と中国語版では内容が著しく異なるなど、 WFASの運営そのものも極めて非民主的なものである。
WHOと公的関係のあるWFASがこのような強引な運営を行うことは、 これまで各国で多様な形に発展してきた鍼灸の正当な認知と更なる発展を阻害するものであり、 断固とした対応が必要である。
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