偏心二重管の内管壁における物質移動機構の解明を目的として, 実験的研究が電気化学的方法によって行われた.
内管周方向の局所物質移動係数はレイノルズ数, 管径比 (
D0/
Di), 偏心率を変化させて測定され, その移動機構を明らかにするために壁面剪断応力および壁面剪断応力の変動強度の分布が物質移動の測定に対応して測定された.これらの各因子の分布の挙動から局所物質移動係数の分布の傾向は, 壁面剪断応力に依存することが明らかになった.さらに, 偏心環状部の最狭部の±60°付近の壁面近傍の乱れが大きいことが判り, 最狭部に向けて流速が小さくなり物質移動係数が小さくなることが考察された.
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