【目的】レクリエーション時の室内へのにおい散布なし (無臭),におい散布あり (鰻蒲焼,白檀) により,食欲および達成感に影響を与えるかを把握するとともに,日常生活のレクリエーションの活動状況とその際の身体状況及び気分状態が食欲に影響を与えているかを探索することを目的とした。
【方法】対象は女子大学生とした。用意した昼食を喫食させ,15時から問診とバイタルサイン測定,続いて今の食欲程度,食物を嗅いだ際の快・不快をビジュアルアナログスケール (VAS) で評価し,今の気分はPOMSⓇ2成人用短縮版で評価した。その後,レクリエーションを1時間実施し,活動後の達成感を評価した後に開始前と同じ項目を再調査した。
【結果】室内へのにおい散布有無による食欲の程度に違いはなかった (におい散布なしVAS65.3±20.6点,鰻蒲焼VAS68.0±31.5点,白檀VAS72.8±19.7点,p=0.665)。しかし,食欲とバイタルサインとの関連では活動後に食欲の程度と体温に正の相関が認められた (rs=0.456,p=0.015)。また,食欲と気分との関連では活動後に食欲の程度と気分の“活気-活力”に正の相関が認められた (rs=0.375,p=0.049)。
【結論】食欲に影響を及ぼす因子は,日常生活の中で“活気-活力”がわくことを見つけることと自分の適切な体温を維持することである。
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