【目的】水加減を多くするだけでは、米飯はやわらかくなるが食べやすくなるとは限らない。そこで、高齢者の食生活におけるQOLを高めることを目的とし、食べやすくおいしい米飯の炊飯方法を研究し、新炊飯器を開発した。その米飯は、炊き増し比を同じにした対象米飯に比べ、軟らかくべたべた感がなく、口の中やのどに残りにくく飲み込みやすくておいしいと評価された。今回はテクスチャー測定方法と炊飯途中で除去する炊飯液(おねば)の成分について検討し、通常の米飯との栄養的比較等を行った。
【方法】タイガー魔法瓶(株)製新規開発炊飯器を用い、おねば回収トレイ付き「さらっとご飯」モードで炊飯した米飯と通常の炊飯モードを使用して炊飯した米飯とを水加減を変えて比較した。また、新規開発炊飯器では、炊飯途中で一部の炊飯液(おねば)を除去する。そのおねばについて、一般栄養成分およびアミロースアミロペクチン比等を測定した。テクスチャー測定は、クリープメーターRE2-3305(山電)を用い、測定用サンプル調製法を改良し測定した。
【結果】テクスチャー測定は、プレートを用いて一定の重さで押して測定用サンプルを調製することにより、均一な測定用サンプルが得られた。その結果、さらっとご飯は、炊き増し比が同じ軟飯と比べて軟らかく付着性も小さいことが確認できた。また、成分分析の結果、おねば回収により減少する炭水化物は0.35%程度であり、栄養的な損失はほぼないと考えられた。
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