本研究では, 月刊雑誌や観光ガイドブックにおける記述内容をもとに,
京都タワー
の社会的イメージの変遷を解明した. 設立当初より建設反対論に並行して,
京都タワー
は意外性とともに外観の美が認識され, さらに京都のシンボルあるいは地元の風景といった京都自体とのイメージ的結びつきも発現している. また, 1990年代前半まで漸増していた高さ認識に伴うランドマーク性は1997年の新京都駅ビル完成後に割合が減少していく.
いっぽう, 当初設計におけるモチーフとして「蝋燭」なる通説が定着する現象が明らかとなった. このことは塔のイメージと形態ならびに立地地区の地理的条件, 及び社会的背景との関係性を示唆している. 設立40周年を迎えた近年においては
京都タワー
の歴史的系譜そのものに対する関心も生じてきていることがわかった.
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