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クエリ検索: "伊藤友彦"
179件中 1-20の結果を表示しています
  • 伊藤 友彦
    特殊教育学研究
    1993年 31 巻 1 号 39-43
    発行日: 1993/06/30
    公開日: 2017/07/28
    ジャーナル フリー
  • ―核母音からの移行に視点を当てた検討―
    松本(島守) 幸代, 伊藤 友彦
    特殊教育学研究
    2013年 51 巻 1 号 31-39
    発行日: 2013年
    公開日: 2015/02/18
    ジャーナル フリー
    日本の吃音研究領域では近年、吃音児の話し方そのものを対象とした指導法の開発につながる基礎的研究が求められている。Brown(1945)以降、吃音は長い語で生起しやすいことが知られてきた。しかし、最近、英語において語の音節数は吃音頻度に影響しないという報告がある(Hakim & Bernstein Ratner, 2004)。日本語において語の長さが吃音頻度に影響するのかどうかについては、明らかになっていない。そこで本研究では、日本語において語の長さが吃音頻度に影響するのかどうかを検討した。対象児は、学齢期にある吃音児31名であった。2音節2モーラ、3音節3モーラ、4音節4モーラ、5音節5モーラから成る非語の音読課題と呼称課題を行った。その結果、両課題において、4種類の刺激語間で吃音頻度に有意差はみられなかった。したがって、日本語において語の長さは吃音頻度に有意な影響を及ぼさないことが示唆された。
  • 伊藤 友彦
    特殊教育学研究
    1996年 33 巻 4 号 69-73
    発行日: 1996/01/31
    公開日: 2017/07/28
    ジャーナル フリー
  • 迫野 詩乃, 伊藤 友彦
    特殊教育学研究
    2010年 48 巻 1 号 13-21
    発行日: 2010/05/31
    公開日: 2017/07/28
    ジャーナル フリー
    英語においては、語の音節数は読みの成績に影響するといわれている。しかし、日本語においてはこの点について明らかになっていない。本研究は、幼児の読みに及ぼす音節とモーラの影響を検討することを目的としたものである。対象児は5〜6歳の定型発達児37名であった。刺激語は1音節1モーラ刺激、1音節2モーラ刺激、2音節2モーラ刺激、2音節3モーラ刺激の4種類を用いた。その結果、誤答数はすべての刺激語において著しく少なく、1音節1モーラ刺激と1音節2モーラ刺激は2音節3モーラ刺激よりも有意に少なかった。音読時間については、音節数が同じ場合はモーラ数が少ない刺激語のほうが有意に短かった。また、モーラ数が同じ場合は音節数が少ない刺激語のほうが音読時間は有意に短かった。これらの結果から、日本語においては語の音節数とモーラ数の両方が幼児の読みに影響を及ぼすこと、誤答数は音読時間ほど影響を受けないことが示唆された。
  • 金 銀珠, 伊藤 友彦
    特殊教育学研究
    2008年 46 巻 1 号 19-27
    発行日: 2008/05/31
    公開日: 2017/07/28
    ジャーナル フリー
    日本と韓国の聴覚障害児を対象として、4コマ漫画説明課題を用いて、生成文法理論の構造格と内在格という視点から、聴覚障害児の両言語に共通する格助詞の困難さと個別言語の違いによる格助詞の困難さについて検討した。本研究の結果、両群とも格助詞の誤用の多くが構造格の格助詞「が」と「を」(韓国語では「〓/〓」と「〓/〓」)と内在格の格助詞「に」(韓国語では「〓〓)の位置で生じていた。このことから、構造格の格助詞「が」「を」と内在格の格助詞「に」は聴覚障害児の両言語に共通する獲得が困難な格助詞であることが示唆された。一方、日本の聴覚障害児では「が」と「を」の誤反応の平均生起率に差が認められなかったのに対し、韓国の聴覚障害児においては「が」の誤反応の平均生起率が「を」より有意に高かったなど4つの相違点がみられた。これらの差は日本語と韓国語の個別言語の違いによる格助詞の困難さであることが示唆された。
  • 伊藤 友彦
    音声言語医学
    1987年 28 巻 2 号 93-99
    発行日: 1987/04/25
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は兄の発話の非流暢性が弟の流暢性獲得過程に及ぼす影響を検討することである.対象は1組の3人兄弟であった.長男は吃音児であり, 次男と三男はともに6歳に至る前にそれぞれ一時高頻度の発話の非流暢性を示した.次男の非流暢性が顕著になったのは49ヵ月のときであり, 三男の場合は32ヵ月の時であった.それぞれの非流暢性が顕著になり始めた時期に, 遊び場面における3人兄弟の発話を収集し, 非流暢性について分析した.その結果, 以下の知見を得た.1) 次男の非流暢性が顕著になり始めた時, 次男の非流暢性の頻度分布は長男とは異なっていた.2) 同様に, 三男の非流暢性が目だち始めた時, 三男の非流暢性の頻度分布は長男とも次男とも異なっていた.
    これらの結果から, 兄の発話の非流暢性の影響は, 兄の非流暢性タイプが弟の非流暢性タイプにそのまま反映されるような直接的なものではない可能性が示唆された.
  • 高木 潤野, 伊藤 友彦
    特殊教育学研究
    2007年 45 巻 3 号 117-125
    発行日: 2007/09/30
    公開日: 2017/07/28
    ジャーナル フリー
    ダウン症児は、健常児やその他の知的障害児よりも吃音を有する者の割合が高いことが指摘されている。吃音は発話の非流暢性の一種であるが、ダウン症児の発話の非流暢性について詳しい研究は行われていない。本研究では、多語期のダウン症児を対象に発話の非流暢性の特徴について検討した。その結果、生起率の高い発話の非流暢性は、音・音節のくり返しと挿入であった。また、吃音に特徴的な非流暢性が多い吃音群、健常者にもよくみられる非流暢性が多い非吃音群、および中間群に分類して分析したところ、健常者にもよくみられる非流暢性の生起率は3群間の差がみられなかった。このことから、ダウン症児にみられる発話の非流暢性は、健常児の発話の非流暢性よりも、吃音児の発話の非流暢性の特徴に類似していることが明らかになった。また、健常者にもよくみられる非流暢性の生起には、ダウン症児に共通した要因がある可能性が考えられた。
  • ―「の」の過剰生成に対する反応を手掛かりとして―
    伊藤 友彦, 川上 真代
    音声言語医学
    2003年 44 巻 1 号 9-14
    発行日: 2003/01/20
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    メタ言語知識とは言語に対する自覚的知識をいう.本研究は, 「の」の過剰生成 (例: 赤いの花) に対する反応を手掛かりとして, 言語の統語的側面に対するメタ言語知識の発達を検討したものである.対象児は3歳から6歳の健常幼児77名であった.「の」の過剰生成を含む名詞句を口頭で提示し, おかしかったらおかしいと言うように教示した.本研究の結果, 以下の点が明らかになった.1) 「の」の過剰生成を自覚的に捉えることができる幼児の割合は3歳, 4歳ではそれぞれ11.8%, 30.0%にすぎなかったが, 5歳では75.0%となり, 6歳では95.0%に達した.また, 2) 「の」の過剰生成をおかしいと判断する理由を適切に言語化できる幼児の割合は, 3歳では5.9%, 4歳でも15.0%であったが, 5歳では60.0%となり, 6歳では80.0%に達した.本研究の結果, 統語に対するメタ言語知識は5~6歳で著しく発達することが示唆された.
  • 村尾 愛美, 伊藤 友彦
    特殊教育学研究
    2014年 52 巻 3 号 163-168
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/11/19
    ジャーナル フリー
    英語を母語とする特異的言語発達障害(SLI)児においては、言語の困難さが持続することが特徴として知られている。しかし、日本語を母語とするSLI児については不明な点が多い。本研究では、日本語を母語とするSLI児2例(A児、B児)の約10年にわたる自然発話データの収集開始期(A児10歳0か月、B児6歳4か月)と収集終了期(A児19歳5か月、B児15歳9か月)を比較することによって、SLI児の自然発話における格助詞の誤用の持続性を検討した。その結果、格助詞の誤用頻度は、収集終了期では2例ともに有意に低下していた。形態論的・統語論的誤用に占める格助詞の誤用の割合は、収集開始期では2例ともにその他の形態論的・統語論的誤用に比して著しく高い傾向が認められ、終了期においても、B児では格助詞の誤用の割合がその他の誤用に比して高い傾向が持続していた。これらの結果について考察を加えた。
  • 島守 幸代, 伊藤 友彦
    特殊教育学研究
    2010年 48 巻 1 号 23-29
    発行日: 2010/05/31
    公開日: 2017/07/28
    ジャーナル フリー
    Wingate(1988)は、英語のデータに基づき、吃音は頭子音から核母音への移行に困難さがあることによって生じると主張している。一方、Shimamori & Ito(2007,2008)、島守・伊藤(2009)は、日本語の吃音においては語頭音節の核母音から後続する分節素への移行に困難さがある可能性を指摘している。本研究では、日本語においても英語と同様に、頭子音から核母音への移行が吃音頻度に影響を与えるのかどうかを検討した。対象児は学齢期にある吃音児30名であった。頭子音から核母音への移行のある音節(例:/ka/)と移行のない音節(例:/a/)を用いて、呼称課題と音読課題を行った。その結果、両課題において、頭子音から核母音への移行のある音節と移行のない音節の吃音頻度には有意差が認められなかった。この結果から、日本語では英語とは異なり、頭子音から核母音への移行は吃音頻度に影響を与えないことが示唆された。
  • 迫野 詩乃, 伊藤 友彦
    特殊教育学研究
    2015年 53 巻 2 号 89-96
    発行日: 2015年
    公開日: 2016/07/15
    ジャーナル フリー
    読みの障害および読みの獲得と非語の復唱能力との関係性が示唆されている。本研究では、定型発達における逐字読みをする幼児(逐字読み群)は流暢に読める幼児(流暢読み群)よりも、非語の復唱の成績が低いかどうか、誤用の特徴にも違いがみられるのか、を検討することを目的とした。対象は5~6歳の定型発達児34名であった。実験課題として、逐字読みと流暢読みを同定するための音読課題と非語の復唱課題を用いた。本研究の結果、逐字読み群のほうが流暢読み群に比べて、非語の復唱課題における得点が有意に低かった。また、音の誤り方について分析した結果、逐字読み群においては、子音の誤反応数が母音とその他の誤反応数に比べて有意に多いことが明らかになった。これらの結果は、日本語の読みの獲得過程において、逐字読み段階の幼児は流暢に読める幼児に比べて、非語の復唱に困難をもつことを示しており、音韻的側面が未熟であることが示唆された。
  • ―二語発話段階から多語発話段階への移行について―
    伊藤 友彦
    音声言語医学
    1997年 38 巻 3 号 291-296
    発行日: 1997/07/20
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    言語発達障害を理解するうえで, 言語理論をふまえた言語獲得研究からの知見が不可欠であると思われる.しかし, わが国においては言語理論をふまえた言語獲得研究はきわめて少ない.言語獲得過程において, 一語発話段階の後に二語発話段階, その後に多語発話段階がくることはよく知られている.しかし, 二語発話段階の後, 3語発話段階, 4語発話段階と続くのではなく, 多語発話段階がくるのはなぜだろうか.本稿では二語発話段階から多語発話段階への移行の問題をとりあげた.二語発話段階から多語発話段階までの幼児3名の縦断研究データを示し, このデータの観察から, 格助詞「が」, 「の」の出現期と多語発話の開始期がほぼ一致するという事実に着目した.そして, この事実が統語範疇の投射および発現に関する言語理論 (生成文法理論) をふまえることにより, 機能範疇に関わる統語的演算の開始とそれに伴う言語処理の変化の結果として説明できることを示した.
  • ─構造格と内在格の視点から─
    村尾 愛美, 松本(島守) 幸代, 伊藤 友彦
    音声言語医学
    2012年 53 巻 3 号 194-198
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/10/09
    ジャーナル フリー
    日本語を母語とする特異的言語発達障害(SLI)児の言語知識の特徴については不明な点が多い.本研究では,SLI児2例(A児とB児)の自然発話における格助詞の誤用の特徴について構造格と内在格の視点から検討した.その結果,A児,B児ともに,構造格の格助詞の位置で生じる誤用のほうが内在格の格助詞の位置で生じる誤用よりも有意に多かった.この点は従来の聴覚障害児を対象とした研究の結果と一致していた.しかし,構造格の格助詞の位置に生じる誤りにおいては,両児とも,他の構造格の格助詞に置換する誤りと内在格の格助詞に置換する誤りに差が見られなかった.この結果は,構造格の格助詞の位置に内在格の格助詞が挿入される誤りがほとんどなかったという聴覚障害児を対象とした研究の結果と異なっていた.本研究の結果から,SLI児では,聴覚障害児ほど,構造格と内在格の違いに関する知識が十分には獲得されていないことが示唆された.
  • 竹尾 勇太, 伊藤 友彦
    特殊教育学研究
    2014年 52 巻 1 号 39-45
    発行日: 2014年
    公開日: 2015/11/19
    ジャーナル フリー
    知的障害児は受動文のような複雑な文の理解に困難を示すことが従来から知られている。しかし、知的障害児の直接受動文と間接受動文の成績を比較した研究はない。そこで本研究では、直接受動文と間接受動文を用いて、知的障害児の言語知識の特徴を明らかにすることを目的とした。対象児は特別支援学校に在籍する知的障害児22名であった。受動文は直接受動文、動詞が自動詞の間接受動文、動詞が他動詞の間接受動文の3種類であった。文中の空欄に格助詞を挿入させる文完成法を用いた。本研究の結果、直接受動文の成績が、動詞が自動詞の間接受動文、動詞が他動詞の間接受動文の成績よりも有意に高かった。現在の言語理論の枠組み(同一深層構造説)に基づくと、直接受動文と間接受動文で統語的な複雑さに違いはないと考えられていることから、間接受動文の成績が低かったことは、間接受動文のもつ被害・迷惑という意味の理解の困難さが影響していることを示唆している。
  • ―自然発話と実験課題の誤用率の比較―
    村尾 愛美, 伊藤 友彦
    音声言語医学
    2017年 58 巻 2 号 177-184
    発行日: 2017年
    公開日: 2017/05/31
    ジャーナル フリー

    日本語を母語とする特異的言語発達障害児(以下SLI児)が格助詞の使用に困難を示すことが明らかになっている.このことから,格助詞の誤用が日本語のSLI児の臨床的指標の一つとなる可能性が示唆される.しかし,格助詞の自然発話および実験課題における誤用率は明らかになっていない.本研究では,SLI児の自然発話における格助詞の誤用率と実験課題における格助詞の誤用率を明らかにすることを目的とした.対象児は小学2~5年生のSLI児9例であった.本研究の結果,SLI児の自然発話の誤用率は1.5%であった.これに対して,実験課題の誤用率は53.1%であり,自然発話よりも著しく高かった.この結果から,日本語を母語とするSLI児を同定するためには,自然発話のみならず,実験課題も必要であることが示唆された.

  • ─声の大きさの調節との比較─
    島守 幸代, 反田 千穂, 伊藤 友彦
    音声言語医学
    2010年 51 巻 4 号 330-334
    発行日: 2010年
    公開日: 2010/10/10
    ジャーナル フリー
    本研究は吃音児に対する話し方の指導法を開発するための基礎的研究として,1)幼児は発話速度をいつ頃から意識的に調節できるようになるのか,2)速度調節の発達は声の大きさ調節の発達とは異なるのかどうか,について検討したものである.対象児は3歳から6歳の幼児81名であった.刺激語の速度(「ゆっくり」,「速く」)と大きさ(「小さい声」,「大きい声」)を調節させる課題を行った.その結果,速度調節が可能な幼児の割合は3歳で10.0%,4歳で14.3%,5歳で63.6%,6歳で88.9%であった.大きさ調節が可能な幼児の割合は,3歳で35.0%,4歳で61.9%,5歳で77.3%,6歳で94.4%であった.これらの結果から,4歳までは速度調節のほうが大きさ調節よりも困難であることが示唆される.一方,5歳になると速度調節が可能な幼児の割合が著しく増加し,大きさ調節との差が小さくなり,6歳ではほとんどの対象児で速度も大きさも調節可能になることが明らかになった.
  • 龍崎 麻由実, 伊藤 友彦
    特殊教育学研究
    1999年 36 巻 4 号 23-30
    発行日: 1999/01/30
    公開日: 2017/07/28
    ジャーナル フリー
    聾学校に在籍する聴覚障害児90名を対象に、受動文に対する言語知識の特徴を項構造と句構造という視点から検討した。直接受動文、述語が自動詞の間接受動文、述語が他動詞の間接受動文の動詞のみを提示し、名詞句(文節)を自由に記入させた。正答者の割合は著しく低かったが、誤用の生じた反応の中にも項構造(名詞句数と意味役割)は正しい反応が多く存在すること、さらに項構造のみならず、句構造(D構造)も正しい反応が存在すること、などが明らかになった。これらの結果から、受動文の獲得段階として、1)項構造の獲得、2)句構造(D構造)の獲得、3)句構造(S構造)の獲得、4)格助詞の獲得、の4段階が少なくとも存在することが示唆された。
  • ―動詞と項,付加詞に視点を当てて―
    村尾 愛美, 伊藤 友彦
    音声言語医学
    2020年 61 巻 2 号 158-163
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/05/28
    ジャーナル フリー

    本研究の目的は,日本語を母語とする特異的言語発達障害児(SLI児)の発話の非流暢性の特徴を動詞と項,付加詞との関係から明らかにすることであった.対象児はSLIの典型例として報告されてきた学齢期の女児1名であった.動詞を述語にもつ文のみを対象とし,対象児の12歳8ヵ月〜10ヵ月の自然発話に見られた非流暢性を,非流暢性の頻発期である3,4歳の定型発達の幼児と比較した.その結果,1)言い直しが多いという点で両者は類似していたが,非流暢性が生じた文の割合は,SLI児のほうが有意に高かった.また,2)動詞の言い直しが見られた文の割合は,SLI児のほうが幼児に比して高い傾向にあり,3)文産出後に項または付加詞の付加が見られた文の割合もSLI児は幼児に比して有意に高かった.これらの結果について,文産出にかかわる言語処理と言語知識との関係で考察し,最後に,本研究の臨床的意義について述べた.

  • 菊池 良和, 梅﨑 俊郎, 安達 一雄, 山口 優実, 佐藤 伸宏, 小宗 静男
    音声言語医学
    2015年 56 巻 4 号 321-325
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/10/17
    ジャーナル フリー
    「吃音を意識させないように」「親子で吃音のことを話さない」ことが正しい対応だと思われている現状がある.しかし,自分に吃音があることを意識する年齢やその場面についての詳細な報告はこれまでにない.そこで10歳以上の吃音者で親が一緒に来院した40組に対して,吃音に気づいた年齢の違いを調べた.吃音者本人の意識年齢は平均8.1歳(3~16歳)だった.自分に吃音があると気づいた場面として,「親との会話中」はわずか8%であり,「園や学校」で気づいたのは57%だった.また,親が子どもの吃音に気づいた年齢は5.3歳(2~14歳)で,ほとんどの症例で親のほうが先に吃音の発症に気づいていた.以上より,多くの親は子どもに吃音を意識させることはなかったが,園・学校など人前での発表・会話で,本人は吃音を意識し始めたことがわかった.吃音に伴ういじめやからかいなどの不利益を最小限にするためには,吃音の話題を親子でオープンに話す必要があると示唆された.
  • 伊藤 友彦
    音声言語医学
    1985年 26 巻 1 号 1-5
    発行日: 1985/01/25
    公開日: 2010/06/22
    ジャーナル フリー
    5~6歳児における発話の非流暢性の減少は主として文構造が習得されることによるのかどうかを復唱法を用いて検討した.対象児は3~6歳までの普通児80名で, 刺激文は等位節構文が4文, 関係節構文が4文の計8文であった.
    もし, 5~6歳児における非流暢性の減少が主として文構造の習得によるのであれば, 習得の困難度が異なる2つの構文では非流暢性の減少時期に差が認められるはずである.今回, そのような差は認められなかった.このことから, 5~6歳児における発話の非流暢性の減少に関しては, 文構造の習得がはたす役割よりも, 発話に関わる処理機構ないし機能の発達がはたす役割の方がより重要である可能性が示唆された.
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