本論文は, 先に提案した階層化位相シフト法による奥行計測手法について, 従来法との比較および定量的な精度評価を行っている. この手法は対象に投影するパターンについて 1)1周期の正弦波を基本とすることで位相接続問題を回避し, 2)空間周波数を階層的に高いものへと切替えることで精度を向上させる. 本論文では、階層を追うごとに高くする投影パターンの空間周波数の幅が, 画像から算出する位相に含まれる誤差によって決定されると考えている. そしてこの誤差のいくつかの場合について計測実験を行い, 使用画像枚数および計測精度との関係について議論している. また, 従来法との比較として, パターン投影機にプロジェクタを用いた同一の実験環境において, 提案手法と空間コード化法とによる計測実験を行っている. その結果, 提案手法は従来法と比較してより滑らかな(約3倍)奥行分布が得られた. 更に, 測定環境の条件次第でより少ない画像枚数でも計測が可能なことを示した.
抄録全体を表示