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クエリ検索: "前立腺特異抗原"
1,151件中 1-20の結果を表示しています
  • 木村 明, 扇谷 茂樹, 益田 喜信, 小西 保夫, 宮本 佳一, 酒谷 邦康, 山内 敏樹, 南方 茂樹, 北川 道夫
    医療
    1994年 48 巻 2 号 159-163
    発行日: 1994/02/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    本法に基づく前立腺癌患者(n=4)のPSA値は0.34-94.1ng/ml(平均38.7ng/ml)に分布し, 本法のカットオワ値(4.0ng/ml以下)に対し陽性率は75%を示した. 前立腺肥大症(n=7)では0.52-3.96ng/ml(平均1.56ng/ml), 健常男性(n=22)では0.21-0.95ng/ml(平均0.64ng/ml)とカットオフ値以下を示した. 前立腺癌疑診の患者検体を用いてPSA, PAP, γ-Sm測定を行い, 各々の陰性検体における他の2種の腫瘍マーカーでの陽性例の出現率を観察した. その結果, PSA陰性例中PAP陽性率は0%, γ-Smでは5%と, PAP, γ-Smに比べ見落し率が低値を示した. 酵素免疫測定原理に基づく本法の性能評価試験の結果, 本法の臨床使用が可能であると考えられた. また, 本法によるPSAの測定値は前立腺腫瘍マーカーとして, PAP, γ-Smに比べ遜色ないものと考えられる.
  • 勝見 哲郎, 村山 和夫, 小西 奎子, 横山 茂
    医療
    1991年 45 巻 12 号 1148-1152
    発行日: 1991/12/20
    公開日: 2011/10/19
    ジャーナル フリー
    前立腺癌98例, 前立腺肥大症189例, 急性前立腺炎7例, その他の泌尿器科的疾患32例で
    前立腺特異抗原
    (PA), γ-セミノプロテイン(γ-Sm), 前立腺性酸性フォスファターゼ(PAP)を測定した. PA値の正常値は健康成人189例の測定結果より, 2.8ng/mlとした. しかしこの値では偽陽性が多いため, PAは7.4ng/ml, γ-Smは4ng/ml, PAPは1ng/mlをカットオフ値として臨床的に応用した. 前立腺癌ではこれら三腫瘍マーカーは他の疾患に比し, 有意に増加していた. 未治療前立腺癌23例の癌感受性はPAは82.6%, γ-Smは60.8%, PAPは56.5%であった. 未治療前立腺癌において, 病期の進行したものや組織分化度の低いものはPA値が高い傾向にあった. 前立腺癌の三腫瘍マーカーのなかでは, PA値測定が癌診断効率の面で優れた結果が得られた.
  • 岩渕 和明
    埼玉医科大学雑誌
    2002年 29 巻 3 号 171-175
    発行日: 2002年
    公開日: 2018/07/17
    ジャーナル フリー
     The utility of PSA ratio (free/total PSA) in the diagnosis of early-stage prostate cancer is the primary focus of our current research into the interrelationships between various prostate cancer markers. In the present study I evaluated the clinical significance of cancer markers, namely prostate specific antigen (PSA) and gamma-seminoprotein (γ-Sm), as prognostic factors. Levels of PSA and γ-Sm were analyzed in 139 patients diagnosed with prostate cancer between January 1989 and December 1998. Levels of PSA and γ-Sm were measured using the enzyme immunoassay (EIA) method. The 139 patients were divided into two groups with respect to medians of each marker, andγ-Sm/PSA ratio. Differences in survival rates were then compared by the Kaplan-Meier method. Among high stage patients, PSA did not represent statistically significant prognostic factors. However, significant differences were observed in γ-Sm andγ-Sm/PSA ratios with regard to survival rates and relapse-free rates. As a result,γ-Sm/PSA ratio is useful not only as a diagnostic factor, but also as a prognostic factor.
  • 三方 律治
    日本外科系連合学会誌
    1998年 23 巻 5 号 747-751
    発行日: 1998/10/25
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
    泌尿器科患者544症例の, 1,144血清については
    前立腺特異抗原
    を2抗体法, 固相法およびタンデム法で同時に測定して, 3測定法による
    前立腺特異抗原
    値を比較検討した。固相法=1.85+1.25×2抗体法 (r=0.645), タンデム法=0.29+1.39×2抗体法 (r=0.914) および固相法=-1.15+1.11タンデム法 (r=0.939) の強い正の相関をしめしたが,
    前立腺特異抗原
    の濃度別に検討するとその回帰係数は一致するものが少なかった。前立腺癌症例の治療による
    前立腺特異抗原
    値の変化をみると, 各症例毎の3測定法間の回帰直線は一致するものが例外的であった。
  • 駒木根 一世, 萩原 幸恵, 後藤 直子, 海老沢 恵子, 川又 美保子, 鈴木 猛雄, 岡 邦行, 荒木 彰弘, 野口 良輔, 佐藤 明弘, 門馬 勇次
    健康医学
    1999年 14 巻 1 号 65-66
    発行日: 1999/05/31
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    全自動免疫測定装置AxSYMを用いて,人間ドック健診受診者1,386名の血清PSA測定を行った。基礎的性能において本装置は日常検査での使用に信頼できる測定精度を示した。前立腺癌が5名(3名が初期癌)発見され,発見率は0.36%であった。従って,本装置によるPSA測定は,人間ドック健診における前立腺検診項目の中で,前立腺癌の早期発見のためのスクリーニング検査として有用性は高いと考えられた。
  • 前田 千尋, 穂積 高弘, 山川 聖史, 大隈 知威, 五嶋 孝博, 古賀 文隆, 前田 義治
    日本外科系連合学会誌
    2019年 44 巻 1 号 126-129
    発行日: 2019年
    公開日: 2020/02/29
    ジャーナル フリー

    原発不明脊椎転移の原発巣検索において,前立腺癌については血清

    前立腺特異抗原
    (以下PSA)が有用であると報告されている.一方血清酸性フォスファターゼ(PAP)は前立腺癌の腫瘍マーカーとして以前は広く使われていたが,感度特異度がPSAに劣ることから有用性が低く,PSAとの併用の意味もないとする報告もある.今回,経過観察中にPSAは正常だったが,PAPが上昇してきたことで転移性脊椎腫瘍の原発が前立腺癌であると診断できた症例を経験したので報告する.症例は68歳の男性.3カ月前から徐々に増強する腰痛で近医を受診し,MRIにて転移性脊椎腫瘍を疑われ当院に紹介された.各種腫瘍マーカー,全身造影CT,椎体生検を行うも原発不明であった.しかし経過中徐々にPAPが上昇したことから,椎体生検標本のPAP染色を行い前立腺癌の脊椎転移と診断された.初診から1年経過し前立腺癌の治療が開始された.

  • 岡野 学
    日本泌尿器科学会雑誌
    1990年 81 巻 6 号 847-854
    発行日: 1990/06/20
    公開日: 2010/07/23
    ジャーナル フリー
    前立腺癌の腫瘍マーカーとして, 近年頻用されている
    前立腺特異抗原
    (prostate-specific antigen: PA) について, 酵素抗体法間接法を用いてその前立腺組織内局在を検討するとともに, 染色性と分化度, 病期, 血清PA値, ホルモン治療の有無および予後との関連につき検討した. 低分化型癌以外では腺上皮細胞, 特に管腔側にPAの強い染色がみられた. 前立腺癌全体としての陽性率は73% (35/48) であった. その内訳をみると, 分化度別には高分化型100% (17/17), 中分化型83% (10/12), 低分化型42% (8/19) であり, 臨床病期別には stage A 100% (1/1), B 100% (9/9), C 69% (9/13), D 65% (17/26) となり, 血清PA値との関連では正常値群67% (8/12), 異常値群86% (18/21) の陽性率であり, ホルモン治療の有無では未治療群82% (22/27), 既治療群62% (13/21) であった. High stage には低分化型癌の占める割合の高いことと血清PAの異常高値でも必ずしも組織学的には陽性とならないことを考慮すると, 染色性に影響を与える因子は, 分化度とホルモン治療の有無が挙げられると思われた. 予後との関連については, 5年生存率をみると陽性群79.9%, 陰性群22.0%と有意差を認めた. これらのことから, PAの組織学的検討は前立腺癌の予後推測および治療法の選択に際して意義があると考えられ, 特に低分化型癌に対するホルモン治療の選択に際して参考になると思われた.
  • 秋山 昭人, 山本 真也, 鉾石 文彦, 小川 正至, 相沢 卓, 松本 哲夫, 三木 誠
    日本泌尿器科学会雑誌
    1993年 84 巻 12 号 2103-2108
    発行日: 1993/12/20
    公開日: 2010/07/23
    ジャーナル フリー
    異なる測定原理を用いた6種の血清PSA (Prostate Specific Antigen:
    前立腺特異抗原
    ) 測定キットについて検討を行った. これらのうち, polyclonal 抗体を用いたものが2種類 (EIKEN, MARKIT-F), monoclonal 抗体を用いたものが4種類 (BALL ELSA, DELFIA, MARKIT-M, TANDEM-R) であった. これらの各キットを用いて12例の女性血清, 5例の膀胱前立腺全摘術後患者血清, 2例の進行性前立腺癌患者血清について測定を行った. 女性血清の測定では, polyclonal 抗体使用キットで最小検出感度を上回る数値を示すものがいくつか認められたが, monoclonal 抗体使用キットではいずれもPSAは検出されなかった. PSA高濃度血清を用いた希釈試験では各キットとも満足のいく結果が得られたが個々の数値には相違が見られた. 微量域での安定性の面から, 前立腺癌の再発・再燃の検出などの点では, monoclonal 抗体使用キットが有利と考えられた. これらの結果から, 実際にPSAの測定を行う場合, データを読む際には使用したキットの特性を十分に理解しておくことが重要と思われた.
  • 斎藤 浩樹, 岡崎 浩, 中村 敏之, 加藤 宣雄
    北関東医学
    1996年 46 巻 3 号 223-226
    発行日: 1996/05/01
    公開日: 2009/10/15
    ジャーナル フリー
    1994年1年間に当院にて前立腺生検を施行した57例の患者につきそのPSAについて検討した.当院ではPSAをMarkit-Mにて測定しているが, その結果現行の基準値である3.6ng/mlでの前立腺癌に対する感度は74.2%, 特異度は61.5%であった.また, PSAが1.5~3.6ng/ml以下に認められた前立腺癌症例は6例であり, そのうちの5例が病期診断のみで判断すると外科的治療可能なStage Bであった.このことよりPSAが1.5~3.6ng/mlの症例においては前立腺生検を施行する必要性は十分にあると思われる.
  • 秋元 晋, 赤倉 功一郎, 大木 健正, 島崎 淳, 栗山 学, 河田 幸道
    日本泌尿器科学会雑誌
    1995年 86 巻 2 号 256-262
    発行日: 1995/02/20
    公開日: 2010/07/23
    ジャーナル フリー
    従来の
    前立腺特異抗原
    (PSA) のキットで測定限界は1ng/mlであった. 近年, より低値まで測定可能な高感度アッセイキットが開発されたので, 前立腺癌の経時的観察時における有用性を, 従来のキットと比較した.
    術前後に内分泌療法を実施した前立腺全摘除術10例, 前後に内分泌療法を施行した放射線療法9例および放射線療法単独5例, 内分泌療法単独44例, 計68例の前立腺癌について, 治療開始後の血清291検体を用いて, Delfia PSA, マーキットM-PAおよび栄研PSAキットにて測定した. おのおのの測定限界値は0.1,0.5および1ng/mlであった.
    再発を認めない術前後に内分泌療法を実施した前立腺全摘除術および放射線療法と5年以上制癌されている内分泌療法単独において, ほぼ全例栄研キットで1.0ng/mlより大の測定値があったにもかかわらず, 高感度アッセイキットでは測定限界以下であった. 放射線療法単独で加療し再発を認めない3例は高感度アッセイキットでも0.3~1.3ng/mlの間にあった.
    再発例のPSA値の変動を調べた. PSA再上昇日より算出したPSA倍加時間を比較すると, 高感度アッセイキット2キットではほぼ等しく, 栄研キットでのものはより大きな値を示した.
    以上より, 高感度PSAキットは, 内分泌療法や前立腺全摘除術の治療開始後において再発の早期診断に優れていた.
  • PAP, γ-Sm, PAについて
    大橋 輝久, 赤木 隆文, 入江 伸, 小浜 常昭, 那須 保友, 東條 俊司, 武田 克治, 吉本 純, 松村 陽右, 大森 弘之
    日本泌尿器科學會雑誌
    1987年 78 巻 8 号 1403-1408
    発行日: 1987/08/20
    公開日: 2010/07/23
    ジャーナル フリー
    前立腺癌97例 (未治療例: 35例, 既治療例: 62例), 前立腺肥大症316例, 膀胱癌41例, その他の泌尿器科良性疾患138例の計592例について, prostatic acid phosphatase (PAP), γ-seminoprotein (γ-Sm), prostatic specific antigen (PA) の前立腺癌マーカーとしての有用性を検討した.
    前立腺癌未治療例における陽性率はPAP 74.3%, γ-Sm 73.1%, PA 79.4%であり, 一方, 前立腺肥大症例では各々2.8%, 12.5%, 12.3%であった. 以上より検出率はPAが, また特異性はPAPが最も優れていた.
    PAPとPAとの間にはr=0.57と軽度の相関がみられたが, PAPとγ-SmおよびPAとγ-Smの間には密接な関連性は認められなかった.
    三種のマーカーの combination assay により前立腺癌未治療例の陽性率が向上し, さらに治療により各々異なった変動パターンを示すことより, combination assay が前立腺癌の診断およびモニタリングに有用であることが示唆された.
  • 大田 桂一, 檜垣 昌夫, 今村 一男
    昭和医学会雑誌
    1990年 50 巻 4 号 390-394
    発行日: 1990/08/28
    公開日: 2010/11/19
    ジャーナル フリー
    われわれは, 昭和58年6月から昭和63年8月までの間に昭和大学泌尿器科を受診し, 生検により組織学的に前立腺癌と診断された44名に対し, PAP, γ-Sm, PAを治療前および治療後に経時的に測定した.そして治療経過中におけるそれらの測定値が治療効果の評価に有用であるか否かをわれわれの作成した前立腺癌の臨床効果判定基準1) に基づいて検討した.結果, stage別にみた場合, stageA, Bのlow stage群では, PAP, γ-Sm, PAは, 改善群, 不変群, 悪化群ともに有意な変動は認められなかった.stageCでは, PAP, γ-Sm, PAともに改善群, 不変群において有意な低下をみたが, 悪化群では有意な変動は認められなかった.stageDの改善群では, PAP, γ-Sm, PAともに有意な低下をみたが, 不変群, 悪化群では症例不足のため評価できなかった.次にPAP, γ-Sm, PAの治療前値を正常値群, 異常値群とに分けた場合についてみた.治療前正常値群では, PAP, γ-Sm, PAは, 改善群, 不変群, 悪化群ともに有意な変動は認められなかった.治療前異常値群では, PAP, γ-Sm, PAともに改善群において有意な低下をみたが, 不変群では, PAP, PAにおいて有意な低下をみ, 悪化群ではともに有意な変動は認められなかった.よつて, low stageの症例では治療前値が低いものが多く, 経過の観察追跡には臨床所見も充分に追跡することが重要であり, また, high stageの症例では, 臨床効果の改善とともにPAP, γ-Sm, PAのいずれも低下し, 治療経過をみていく上で有用である.
  • 坂東 玲芳, 橋本 寛文, 水田 耕治
    日本農村医学会雑誌
    1998年 47 巻 1 号 36-41
    発行日: 1998/05/30
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    本報告は, 全共連委託「農村地域における高齢者の尿失禁の実態調査とその対応方法の検討」(班長杉山一教) に参加した徳島県における調査研究の一部である。これは3部よりなり, 1) 農村高齢者の自立状況と排尿状態, 2) 農村高齢者の尿失禁- 患者, 老人施設入所者との比較-, 3) 本報告である。
    既報のごとく, 農村の在宅高齢男性の尿失禁者率は20.5%, その不満者率は14.4%, また, IPSS10以上の異常者率は20.1%を占めた。IPSSの高値者率は, 加齢とともに増加し, また, 地域差が認められ, 農村平地部より山村部に低い。この原因として, 山村住民の前立腺肥大発症率の低い可能性がある。
    前立腺検診において, 国際前立腺症状スコア (IPSS) は, 肥大のスクリーニングにはある程度有用である。有用な検査は, 超音波画像による重量計測や性状診断, 尿流量計測などであることは, 臨床上よく知られているが, フィールドにおけるスクリーニングへの導入には問題が多い。
    これに比し, PSA, PAP測定は, 前立腺検診上にきわめて有用であるばかりでく, 老人健診に直ちに導入可能であり, 可及的速やかな実現が望まれる。
  • 出村 孝義, 渡井 至彦, 富樫 正樹, 大橋 伸生, 力石 辰也, 平野 哲夫
    日本泌尿器科学会雑誌
    1993年 84 巻 6 号 1046-1053
    発行日: 1993/06/20
    公開日: 2010/07/23
    ジャーナル フリー
    我々は血清
    前立腺特異抗原
    (PSA) とγ-セミノプロテイン (γ-Sm) の比率 (P/S Ratio) が前立腺癌の診断に有用ではないかと考え検討した. 1984年4月から1992年7月までに, 市立札幌病院泌尿器科で前立腺生検または経尿道的前立腺切除術により, 病理組織学的診断を行った162例 (no malignancy 112例, 前立腺癌50例) を対象とし, 術前に測定した血清PSA値とγ-Sm値を検討した.
    PSAによる前立腺癌診断の sensitivity は92.0%, specificity は.49.1%で, γ-Smの sensitivity は60.0%, specificity は50.9%であった. 前立腺癌のP/S Ratio は16.295±58.584 (mean±SD) であり, PSAが20ng/ml以下の前立腺癌27例では2.031±0.654, 20.1ng/ml以上の前立腺癌23例では33.040±84.266であった. いずれも no malignancy 群 (P/S Ratio=0.954±0.591) に比べ有意に高かった (p<0.0001). P/S Ratio の cut off 値を1.50とすると, P/S Ratio が1.50以上の症例は81.8% (45/55) が前立腺癌で, P/S Ratio が1.50未満の症例は95.3% (102/107) が no malignancy であった. P/S Ratio が1.50未満の前立腺癌5例はすべて高分化型腺癌であった. P/S Ratio による前立腺癌診断の Specificity は91.1%, sensitivity は90.0%であった. 前立腺癌のP/S Ratio は high grade ほど, また high stage になるほど高値を示し, 癌が内分泌療法に反応を示した場合には低下し, 再燃時には上昇した. P/S Ratio による前立腺癌の診断はPSAやγ-Sm単独によるよりも specificity と診断効率が高く, Stage Aの前立腺癌でも no malignancy 群に比べてP/S Ratio が有意に高かった (Wilcoxon 検定: p=0.0003).
  • 栗山 学, 江崎 奈々, 篠田 育男, 伊藤 慎一, 山田 伸一郎, 徳山 宏基, 出口 隆, 高橋 義人, 河田 幸道, 秋元 晋, 島崎 淳
    日本泌尿器科学会雑誌
    1993年 84 巻 2 号 244-250
    発行日: 1993/02/20
    公開日: 2010/07/23
    ジャーナル フリー
    MARKIT-F PAの改良法として新たに開発された酵素免疫測定法 (EIA) であるMARKIT-M PAによって測定された血清
    前立腺特異抗原
    (prostate-specific antign, PA) 値の, 前立腺癌の血清診断とフォローアップにおける意義について検討した. 本法は, one-step sandwich type EIA で, トレーサー酵素は horseradish peroxidase であり, 0.50~100ng/mlの測定範囲を有するとともに, 検体量も25μlと少量で測定可能であり, さらに再現性試験の結果, 信頼性の高い測定系であることが判明した. また, 従来法であるMARKIT-F PAとほぼ同一の血清値を示すことも確認できた. 前立腺癌患者 (n=122) の血清PA値は, 健常男性 (n=90), 非前立腺尿路悪性腫瘍 (n=48), BPH (n=73) のいずれの群とも有意に高値であった. さらに, stage A, B前立腺癌症例群も, BPH群より有意 (p<0.01) に高値を示すことが観察され, 本法の最大の特長と考えられた. MARKIT-F PAの正常値である3.6ng/mlを cut-off 値, BPH症例を対照として前立腺癌診断の感度・特異性・診断効率を検討すると, 各々77.9, 91.8, 83.1%となり, 検討した範囲では最も優れた診断効率であった. 一方, 前立腺癌患者のフォローアップにおける血清PA値の測定は, 治療経過の観察・評価にきわめて有用であることが判明した. 以上から, MARKIT-M PAは, 血清PA測定に関して現状では最も優れた方法であろうと考えられた.
  • 三木 誠
    日本外科系連合学会誌
    1996年 21 巻 2 号 246
    発行日: 1996/04/25
    公開日: 2009/08/13
    ジャーナル フリー
  • 三方 律治, 今尾 貞夫, 中村 陽
    日本臨床外科医学会雑誌
    1997年 58 巻 7 号 1474-1477
    発行日: 1997/07/25
    公開日: 2009/02/10
    ジャーナル フリー
    組織学的に診断された未治療前立腺癌80例と被膜下摘除術を受けた前立腺肥大症46例について,治療前の血中
    前立腺特異抗原
    (PSA)とγセミノプロテイン(γSM)値を測定し, PSA/γSM比(P/S)をも算出した.また治療前の前立腺容積を超音波によって測定し単位容積あたりの血中PSA (PSAD),とγSM (γSMD)を算出した.
    PSAとγSMの感受性はそれぞれ0.9750および0.8125と非常に高値であった反面,特異性は0.1304および0.2391と極端に低値であった.しかしながらPSA, γSM, P/S, PSADとγSMDの値は前立腺肥大症症例に比べて前立腺癌では有意に高値であった.臨床病期Aの前立腺癌と前立腺肥大症との鑑別はマーカーからだけでは困難であるが,臨床病期AのPSAの感受性は89%と高値であるためPSAがカットオフ値を越える症例については,多部位生検が必要である.
  • 藤野 淡人, 石橋 晃, 小柴 健, 星合 治, 相磯 貞和, 安田 健次郎, 十河 孝
    日本泌尿器科学会雑誌
    1990年 81 巻 1 号 37-44
    発行日: 1990/01/20
    公開日: 2010/07/23
    ジャーナル フリー
    γ-Seminoprotein (γ-Sm) に対するモノクローナル抗体を作製し, その化学的性状につき検討するとともに, その特異性について免疫組織化学法を含めて検討した.
    久留米大学医学部法医学教室より供与されたγ-Sm主分画標品にて, Balb/cマウスを免疫後, その脾細胞マウス骨髄腫SP2/O-Ag14細胞をPEG法で融合し, ハイブリドーマを得た. 抗体産生スクリーニングはELISA法により, クローニングは軟寒天法で2回施行した. また抗体の特異性の検定はウェスタンブロッティング法によった. 得られたモノクローナル抗体を用いて前立腺をはじめとする各組織におけるγ-Smの局在につきABC法により免疫組織化学的検討を行った.
    ELISA法で強陽性を示したハイブリドーマにつき再クローニングを行い, ハイブリドーマ, 43-21-1-1を得た. その培養上清はウェスダンブロッティング法において, 抗原の電気泳動で検知しえた全てのバンドと反応した. また, 本抗体のサブクラスはIgG1(κ) であった. 本モノクローナル抗体を用いた免疫染色では, 前立腺の腺上皮細胞内および腺腔内分泌物においてのみ陽性を呈し, 対照とした膀胱, 精嚢, 睾丸, 副睾丸および原発性前立腺移行上皮癌組織においては陰性であった. 本モノクローナル抗体の免疫組織化学法をはじめとする前立腺癌の診断法への応用が可能であると考えられた.
  • 西谷 真明, 西村 和重, 高木 紀人, 大田 和道, 桑原 守正, 藤崎 伸太
    日本泌尿器科学会雑誌
    1995年 86 巻 8 号 1368-1374
    発行日: 1995/08/20
    公開日: 2010/07/23
    ジャーナル フリー
    前立腺肥大症 (BPH) による尿閉患者では, 高率に前立腺腫瘍マーカーが陽性となることが知られている. 今回我々は, 尿閉患者におけるP/S Ratio のPC診断に対する有用性について, 初診時のP/S Ratio を用いて検討した.
    対象は1992年1月から1993年12月の間に当院において病理組織学的に診断された未治療前立腺癌 (PC) 患者33例 (尿閉10例, 非尿閉23例), 未治療BPH患者193例 (尿閉38例, 非尿閉155例) であった.
    結果は以下の通りであった.
    1) 尿閉群, 非尿閉群, 全症例のいずれの検討においてもPC患者のP/S Ratio はBPH患者に対して有意に高値を示した.
    2) 尿閉群, 非尿閉群いずれもP/S Ratio の cut off 値を1.35とした場合に efficiency が最も高くなり, それぞれ80.0%, 59.3%で, その時の sensitivity は80.0%, 65.2%, specificity は100%, 91.0%であった.
    3) 全症例での検討では efficiency は64.6%, sensitivity は69.7%, specificity は92.7%であった.
    4) BPH尿閉症例のPSA偽陽性率は47.4%と, BPH非尿閉症例の17.4%と比較し, 高値を示した.
    5) BPHの尿閉, 非尿閉症例間におけるP/S Ratio の検討では, 前者が有意に低値を示し, 血清中の free PSAの割合が高くなっていることが示唆された.
    P/S Ratio は特にPSAが陽性である尿閉患者のPC診断において有用であると考えられた.
  • 草場 公宏, 鴨井 逸馬, 田北 淳, 高橋 信, 森田 一徳, 庄田 昌隆
    人間ドック (Ningen Dock)
    2012年 27 巻 1 号 23-28
    発行日: 2012年
    公開日: 2012/10/03
    ジャーナル フリー
    目的:所属5健診施設において船員集団における前立腺がんの実態を全国規模で調査し,早期診断に結びつける試みを行った.
    対象と方法:2005~2007年の3年間に全国の船員集団8,723名について延べ16,231回,PSAタンデム法によって血清中
    前立腺特異抗原
    (PSA)を測定した.PSA陽性率に関してはこのうち40歳以上の者8,453名,延べ検査総数15,907件を対象に検討した.PSA基準値は4.00ng/mL以下である.
    結果:40歳以上の初回PSA検査受診者8,453名中PSA陽性者(基準値を超えた者)は191名で,陽性率は2.3%であった.今回の調査期間中に前立腺がんと診断された者が全国で合計16例確認された.がん診断時年齢は50歳代4名,60歳代9名,70歳代3名であった.がん診断時のPSA値は4.85~134.5ng/mLであった.
    結論:今回の船員集団での陽性率2.3%は,我が国における40歳以上の一般的健康成人集団でのPSA陽性率を代表するデータと考える.調査期間中に全国で計16名が前立腺がんと診断された.現時点でのがん検出率は少なくとも0.19%以上と推定される.
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