ラット下顎臼歯の近心根根尖部の成長発育を調べるために, 生後4週齢のラットを飼育して, 4, 6, 8, 12週齢時の根尖部の変化を検索するために, 引っ張り試験機で, 歯牙を完全な形で取り出し, SEMで根尖部を観察した.その結果, 体重は, 増齢とともに増加したが, 6週齢においてやや増加が鈍かった.顎重量についても増齢とともに増加したが, 非咬合側の顎重量がやや小さい傾向が観察された.根尖孔の面積については, 咬合側, 非咬合側ともに減少したが, 6週齢以後, 非咬合側の方が減少率が大きく, 8週齢では統計学的に有意差が認められた.根尖孔の周長についても同様に咬合側と非咬合側との問に統計学的に有意差が認められた.しかし, 減少率を比較してみると, 周長の方が, 低い減少率であることから, 根尖孔の形態が, 複雑化していることが推察された.
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