全熱交換器を設置した空調系統のダクト内および施設内各部における空中細菌検査を12ケ月間に亘って測定するとともに, この施設で飼育したマウス・ラットの繁殖成績を観察し, また, 実験終了時にダクト内および飼育室のアンモニアガス濃度を測定した。その結果, エコノベント前後における外気と給気ダクト内の菌数は排気ダクト内よりやや少ない傾向を示し, HEPAフィルター通過後の給気ダクトからは, ほとんど菌が検出されなかった。BS施設内での落下法による菌数は, 月によって変動したが, 大多数は20個以下であった。アンモニアガスは, 外気ダクトではまったく検出されなかったが, ラットおよびマウス飼育室では高く, ついで排気, 給気, EV通過後の排気ダクトの順に低くなり, 排気のアンモニアの86%は給気へ移行した。実験期間中, マウス・ラットには, 感染病の発生も認められず, 安定した繁殖成績が得られた。
この研究の一部は文部省科学研究費, 昭和51年度, 第11150号で実施し, 日本実験動物研究会, 第12回研究発表会において発表した。
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