オシロメトリック法による新しい自動血圧測定システムを用いた動物用の血圧計が開発された。この血圧計(BP100D, フクダエム・イー工業株式会社)の有用性について検討した。実験には4頭のビーグル犬(平均年齢5.8歳,平均体重9.2 kg)を用いた。無麻酔下で本血圧計により間接法で測定した収縮期血圧,平均血圧および拡張期血圧と,直接法(頸動脈に留置したカテーテル)で測定した血圧とを比較した。直接法と間接法による血圧測定値には,収縮期圧,平均血圧および拡張期圧のいずれにおいても有意に高い相関性が見られた(
p<0.01)。相関係数(
r)は,収縮期圧が最も高く(
r=0.908), 次いで平均血圧(
r=0.853), 拡張期圧(
r=0.800), であった。また,この血圧計を用いて測定者4人が5回繰り返し測定した値のばらつきも小さかった。以上のように本装置は無麻酔下のイヌの血圧測定に適していることが示された。
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