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162件中 1-20の結果を表示しています
  • 移植部位の病理組織学的検討
    永瀬 大, 松井 和夫, 小林 斉, 窪田 哲昭, 林 泰広, 加藤 久美子
    Otology Japan
    1999年 9 巻 3 号 227-231
    発行日: 1999/07/25
    公開日: 2011/06/17
    ジャーナル フリー
    Nineteen cases of cholesteatoma with adhesive otitis media, operated on between 1993-1997. The mucosa of the inferior turbinate was transplanted to the medial wall of the middle ear, where mucosa was missing. The method of operation was canal down tympanoplasty with canal reconstraction. Six cases were treated by one stage operation and showed no recurrent adhesion in follow-up observation by microscope.
    Thirteen cases underwent staged operations, and there were no recurrence of adhesion except in only one case with cleft-palate. No recurrent cholesteatoma was occurred in all cases during the follow-up period. The middle ear mucosa, where the inferior turbnate mucosa was transplanted, was taken in 10 cases at the second stage operation.
    Histological investigations showed that 9 out of 10 cases showed the tranplanted mucosa, with either ciliary or cuboidal epithelia. One case showed connective tissue. Six out of ten cases revealed the tranplanted mucosa including the glandular tissue under the epithelium. It is considerd that this operative method is useful for preventing recurrence of adhesion by securing the middle ear cavity.
  • 瀬尾 泰雄, 有地 茂生
    日本臨床外科医学会雑誌
    1995年 56 巻 7 号 1455-1458
    発行日: 1995/07/25
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    非常に稀とされている後腹膜漿液性嚢胞の1例を経験したので,本邦報告49例の集計と文献的考察を加えて報告した.
    症例は右側腹部違和感を主訴に来院した62歳の女性である.腹部超音波,CT検査で,右腎の尾側に腎とは境された10×7×6cm大の均一にwatery densityなcystic massを認め,後腹膜嚢胞と診断し手術を施行した.嚢胞は右腎の下方,上行結腸の背側の後腹膜腔にあり, 10×6×5cm大,表面は平滑で被膜は薄く透光性を有し,内容は230ml, 黄色漿液性で,割面では単胞性嚢胞であった.病理組織学的に,嚢胞壁の上皮成分は,線毛細胞を混じた
    単層立方上皮
    からなり,卵管上皮に非常に類似しており,発生起源は,後腹膜中皮細胞がミュラー管系へ化生したものと推察され,後腹膜漿液性嚢胞と診断した.術後8カ月の現在,再発の徴候はない.
  • *吉武 卓哉, 宮本 展寛, 木戸 祐吾, 佐藤 晋, 神野 雅文
    応用物理学会学術講演会講演予稿集
    2018年 2018.2 巻 19p-141-5
    発行日: 2018/09/05
    公開日: 2022/09/16
    会議録・要旨集 フリー
  • *吉武 卓哉, 宮本 展寛, 木戸 祐吾, 佐藤 晋, 神野 雅文
    応用物理学会学術講演会講演予稿集
    2019年 2019.1 巻 10a-W321-3
    発行日: 2019/02/25
    公開日: 2022/08/26
    会議録・要旨集 フリー
  • 中村 勝隆, 河野 富雄, 楠本 長正, 安宅 啓二, 橋本 兼太郎
    日本臨床外科医学会雑誌
    1991年 52 巻 10 号 2383-2386
    発行日: 1991/10/25
    公開日: 2009/03/31
    ジャーナル フリー
    患者は40歳の女性で,昭和60年より胃内視鏡検査で胃前庭部大弯側に中心陥凹を有する粘膜下腫瘍を認め経過観察していたが,平成元年に入り増大し幽門狭窄症状を呈してきたため胃切除術を施行した.腫瘍は粘膜下層に主座を持ち,淡黄色透明の液を容れる5cmの嚢胞で,嚢胞壁は
    単層立方上皮
    で覆われ,固有筋層には膵の腺房細胞と導管が認められ,異所性膵と診断された.
    異所性膵には嚢胞形成,膵炎,潰瘍形成,壊死,腫瘍性変化,胆道や幽門の狭窄・閉塞,ホルモンの異常分泌といった正常膵と同様の病理学的変化がみられ,これらに伴い臨床症状を呈するが,嚢胞形成により幽門狭窄症状を呈した例は極めて稀である.その部位と特徴的内視鏡像より異所性膵の診断は可能であり,偶然発見されたものは経過観察とするが,症状を有する例,悪性化やinsulinomaが疑われる例には外科的治療が考慮される.
  • 日比野 茂, 高 勝義, 片山 信, 小倉 豊, 安部 哲也
    日本消化器外科学会雑誌
    2002年 35 巻 6 号 598-602
    発行日: 2002年
    公開日: 2012/02/15
    ジャーナル フリー
    症例は63歳の男性. 以前より胃底部の粘膜下腫瘍を指摘されていた. 上部消化管内視鏡検査にて腫瘍の増大と中心部の陥凹を認めたため精査入院となった. 超音波内視鏡検査にて病変は第3層すなわち粘膜下層に存在し第4層に変化はなく, 全体としてはやや低エコーであったが, 境界は明瞭であった. 病巣内に数個の無エコー域を認め, 胞性部分が併存していると考えられた. 超音波内視鏡下穿刺吸引生検を行ったが多数の
    単層立方上皮
    を認めたのみであり, 腫瘍からの生検はできていなかったものと判断した. 画像所見から, 迷入膵などの良性病変を考えたが, 腫瘍の増大, 中心陥凹の出現より胃局所切除を施行した. 拡張した腺管を形成する腺上皮は
    単層立方上皮
    で, 細胞異型, 構造異型は認めなかった. 胃腺上皮に類似した高円柱上皮の腺管が存在していた. これらの所見より病理組織学的に過誤腫性ポリープと診断した.
  • 斉藤 泰紀, 赤荻 栄一, 近藤 丘, 須田 秀一, 佐藤 博俊, 橋本 邦久, 仲田 祐
    日本臨床細胞学会雑誌
    1978年 17 巻 3 号 378-381
    発行日: 1978年
    公開日: 2010/10/21
    ジャーナル フリー
    A 62year-old man visited our institute with a coin lesion on chest film. By sputum cytology by Saccomanno's method (modified by Sato) atypical cells in cluster were found with following characteristics; Abundant cytoplasm with vacuoles, large round nuclei which are deviated in part, lots of chromatin, and one round nucleoli. Also in the bronchial brushing smear, atypical cells were found in sheets.
    Right lower lobectomy under the diagnosis of lung cancer revealed that the lesion was pulmonary hamartoma. The pathological examination showed that the tumor was surrounded by the monolayer cuboidal epithelium. And atypical proliferation was noted in the epithelium.
    The origin of atypical cells was discussed in cytological and histological point of view.
  • 中野 勇治, 小林 一豊, 朝倉 光司
    耳鼻と臨床
    1990年 36 巻 2 号 223-228
    発行日: 1990/03/20
    公開日: 2013/05/10
    ジャーナル フリー
    30歳女性, 57歳男性における喉頭嚢胞について報告した. 両者とも頸部から触知でき, 喉頭蓋谷, 披裂喉頭蓋ひだおよび仮声帯にまで及ぶ粘膜下腫瘤として認められ, 頸部外切開により摘出した. 嚢胞の内壁を覆う上皮は前者は
    単層立方上皮
    , 後者は重層扁平上皮であつた. 2例ともDeSantoら1)のいわゆるsaccularcystと考えられた.
  • 1悪性例を含む
    中川 義信, 津田 敏雄, 山下 茂, 神山 悠男, 松本 圭蔵
    脳と発達
    1980年 12 巻 4 号 329-336
    発行日: 1980/07/01
    公開日: 2011/08/10
    ジャーナル フリー
    新生児, 乳児における脈絡叢乳頭腫は比較的まれな疾患であり, 文献的にもその数はあまり多くない.著者らは, 嘔吐により発症した4ヵ月女児, および全身ケイレン, クモ膜下出血により発症した6ヵ月女児の2例に対し, 脳シンチ, CAGおよびCTにより診断し, 開頭により腫瘍摘出術を行なった.組織学的に良性所見を呈した1例はすでに報告しているが, 以来4年6ヵ月を経た現在においても, 何ら神経学的症状を残すことなく健康である.組織学的に, 乳頭状構造の破壊, 細胞・核の異型性, 核分裂像等の悪性所見が見られ, 他臓器よりの転移によるものではなく, むしろ原発性と考えられた1例では, 術後もV-Pshunt術をひきつづいて施行したにもかかわらず, 脳室拡大の縮少がみられず, 臨床的にもほとんど改善がみられなかった.このような悪性脈絡叢乳頭腫の報告は, 成人例を含めても数例しか認められず, きわめてまれなものと思われた.これら2例の乳児脈絡叢乳頭腫につき, 若干の文献的考察を加え報告する.
  • 松岡 英仁, 坪田 紀明, 吉村 雅裕, 久保田 真毅, 室谷 陽裕, 指方 輝正
    日本呼吸器外科学会雑誌 呼吸器外科
    1991年 5 巻 4 号 420-425
    発行日: 1991/05/15
    公開日: 2009/11/10
    ジャーナル フリー
    44歳男性.脳梗塞の経過観察中, 右上縦隔に異常影を指摘されたが特記すべき自覚症状, 他覚所見はなかった.術前の血液検査では明らかな異常はなく, CT, MRIでは頸部から右上縦隔にかけての嚢胞を思わせる境界鮮明, 内部均一な腫瘤陰影を認めた.頸部襟状切開を加えた胸骨縦切開で摘出手術を行った所, 腫瘍は嚢胞状で上縦隔, 上大静脈背側, 気管右側に位置し, 15×7×3cm, 150mlの淡黄色透明液を内容としていた.術後の病理組織診では嚢胞は
    単層立方上皮
    に裏打ちされており, その壁には散在性に副甲状腺組織が認められた.本例では術前明らかな副甲状腺機能充進症は認められなかったため, 非機能性縦隔内副甲状腺嚢胞と診断された.
  • 柳沢 良三
    日本泌尿器科學會雑誌
    1987年 78 巻 10 号 1792-1802
    発行日: 1987/10/20
    公開日: 2010/07/23
    ジャーナル フリー
    ラットおよびヒトの腎乳頭, 腎杯円蓋部, 腎盂上皮を走査型 (SEM) および透過型 (TEM) 電子顕微鏡で観察し, その微細構造を比較検討した. ラットでは腎乳頭上皮は腔面形質膜に微絨毛を持つ
    単層立方上皮
    であり, 腎盂上皮は3-4細胞層で最外, 中間, 基底層の三層を成し, 最外層細胞の腔面形質膜はSEM観察では網目模様の微小な稜を認め, TEM観察では鋸歯状で非対称性単位膜を示す移行上皮であった. 腎杯円蓋部において両上皮と両上皮の特徴を合せ持つ中間型の細胞の三者が混在していた. ヒトでは腎乳頭上皮は立方上皮から, 腎盂上皮は移行上皮から成り, 腎杯円蓋部において両上皮と両上皮の中間型の細胞が混在するなど, ラットのそれと類似していると結論された. しかし, ラットでは腎乳頭と腎杯円蓋部の上皮は1-2層と薄く, 直下に血管網が近接するのに対し, ヒトでは乳頭頂部以外は多層性の上皮であり, 血管網とは厚い間質組織で隔てられるなどの相違を認めた.
    ラットとヒトの腎乳頭, 腎杯円蓋部, 腎盂上皮の共通点及び相違点を, 各上皮についてSEM, TEM対応させながら明らかにすることができた. 円蓋部における中間型の細胞を, ヒトで初めて確認した. ラットでは乳頭上皮は集合管上皮と類似した
    単層立方上皮
    から成り, 血管網が近接することから腎盂尿中の水, 電解質及び尿素が再吸収される可能性が示唆されている. ヒトでは各上皮とも多層性で厚い間質により血管網と隔てられるため再吸収の可能性は少ないと考えられた.
  • 小川 孝一
    日本大腸肛門病学会雑誌
    1972年 24 巻 3-4 号 107-144,180
    発行日: 1972年
    公開日: 2009/06/05
    ジャーナル フリー
    The structural organization of the epithelium at the middle part of human anal sinus was studied with electron microscope. The observed area is the portion covered by the stratified squamouns epithelium, stratified cuboidal or columnar epithelium, simple cuboidal epithelium and pseudostratified columnar epithelium.
    In the region covered by stratified squanous epithelium, the epithelial cells are similar to the cells of the transitional skin in human anal canal, but its cytoplasm contain well developed organelles. Especially glycogen granules and Odland bodies appear in the cells of granular layer and the upper part of spinous layer. In granular layer, two kinds of keratohyalin granules, round and irregular, are observed. In the surface layer, keratinization does not always progress uniformly.
    In the regions devoid of stratified squamous epithelium, most of differentiated cells contain a variable number of secretory granules in the supranuclear portion, but basal cells and some of cells in the surface layer do not have such granules. Their granules are considered to be produced from Golgi apparatus and they contain PAS-positive material. Of free surface of the cells in these area, there are found a few irregula short microvilli. They are coveredd filamentous or particular surface coat.
    Endocrine cells are generally columar in shape and are scattered among the other epithelial cells. These are usually in direct contact with the basement membrane and the apex of cells almost do not reach to the free border. Endocrine cells appear in the region devoid of stratified squamous epithelium and they have no relation to the crypt or gland. Abundant round granules with variable electron density, measuring about 130-150 mμ in dia-meter, are located in the infranuclear portion of the cell.
    Wandering cells are found among the epithelial cells in the observed area.
  • *吉武 卓哉, 宮本 展寛, 木戸 祐吾, 佐藤 晋, 神野 雅文
    応用物理学会学術講演会講演予稿集
    2018年 2018.1 巻 19p-C201-12
    発行日: 2018/03/05
    公開日: 2022/10/06
    会議録・要旨集 フリー
  • 太田 茉里, 髙山 雄司, 大原 清志郎, 岡林 一美, 阿部 美和, 重松 幸典, 安達 博紀, 佐藤 奈都子, 山本 達也, 久松 暢子, 岡畑 一幸, 秋山 博史
    日本獣医師会雑誌
    2020年 73 巻 7 号 383-387
    発行日: 2020/07/20
    公開日: 2020/08/20
    ジャーナル フリー
  • 木村 憲央, 村田 暁彦, 小山 基, 久留島 徹大, 諸橋 一, 佐々木 睦男
    日本臨床外科学会雑誌
    2005年 66 巻 9 号 2296-2300
    発行日: 2005/09/25
    公開日: 2009/01/22
    ジャーナル フリー
    症例は51歳,女性,右下腹部痛を主訴に近医を受診した.腹部CTで回盲部から腸間膜にかけて内部が均一で造影効果を認めない約10cm径の嚢胞性腫瘍を指摘され,当科へ紹介入院となった.大腸内視鏡検査では粘膜病変や壁外性の圧排所見はみられなかった.血管造影検査では回盲部の無血管領域が認められた.以上の所見から腸間膜リンパ管腫の疑いで,開腹手術を施行した.腫瘍は9×8×7cm径で回盲部の腸間膜に存在し,回腸と高度に癒着しており,回腸100cmを含む回盲部切除術を施行した.切除標本は一部に多房性部分の混在する嚢胞性腫瘍で,緑色粘液性の内溶液を含んでいた.病理組織学的には粘液嚢胞腺腫と診断され,免疫染色でER, PgR, CA125が陽性であり,女性生殖器由来の腫瘍と推測された.その由来としては異所性卵巣や二次性ミュラー管組織が考えられた.非常に稀な腸間膜原発の粘液性嚢胞腺腫の1例を経験したので,若干の文献的考察を加え報告する.
  • 田中 香織, 森 俊治, 山田 英貴, 森 秀樹
    日本大腸肛門病学会雑誌
    2024年 77 巻 4 号 199-204
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/03/25
    ジャーナル フリー

    肛門部嚢胞性病変の頻度は少なく,2011年10月から2023年8月までに,当院で施行した肛門部手術症例2,498例のうち,3例(0.12%)に嚢胞性病変を認めた.年齢は38歳,56歳,69歳であり,すべて男性で,肛門管前方に存在していた.病変は弾性軟で,術前診断は血栓性外痔核または嚢胞であったが,病理組織検査で2例はepidermal cyst,1例は奇形腫と診断した.肛門部における奇形腫はtailgut cystやretrorectal cyst-hamartomaと同様な組織像を示し,総排泄腔の遺残に起因するとされるまれな病変である.基本的には直腸後腔に発生し,肛門周囲に発生した症例はきわめてまれで,本邦では本症例を含めて4例のみ報告されているに過ぎない.それぞれの症例を提示するとともに,肛門部に発生する奇形腫について,文献的考察を加えて報告する.

  • 北村 信隆
    日本口蓋裂学会雑誌
    1988年 13 巻 2 号 133-156
    発行日: 1988/12/26
    公開日: 2013/02/19
    ジャーナル フリー
    口唇裂の発生機序解明を目的として,妊娠8日12時間のWistar系ラットにvincristine 0.2mg侭gを単一腹腔内投与し,胎齢10日18時間から14日12時間まで6時間ごとの胎仔中顔面の走査電顕的および光顕的観察を行い,正常胎仔と比較して次のごとき結果を得た.
    1)胎齢14日0時間から14日12時間にいたるvincristine投与群胎仔の69.5%に口唇裂が認められた(正中口唇裂25.4%,側方口唇裂44.1%).
    2)投与群において種々の顔面突起低形成が認められたが,これを前頭突起の著しい低形成ないし発育停止と,内外側鼻突起とくに外側鼻突起の低形成に2大別できた.
    3)投与群では顔面突起における被覆上皮の分化が遅延し,間葉細胞の数および密度が低下していた.
    4)内外側鼻突起下方部の癒合時にみられる上皮細胞表層における球状構造物,線維状構造物,細胞突起などの出現が投与群において少なく,同部の上皮細胞および間葉細胞における核濃縮像の出現も少なかった.
    5)投与群では内外側鼻突起下方部における接触部の狭小化,離開など種々の癒合不全が認められた.
    6)上記のごとき変化が口唇裂の発生に関与する.とくに正中口唇裂は前頭突起の低形成ないし発育停止,側方口唇裂は主として外側鼻突起の低形成に起因するものと思われた.
  • 吉田 真
    日本薬理学雑誌
    2014年 143 巻 4 号 217
    発行日: 2014年
    公開日: 2014/04/10
    ジャーナル フリー
  • 信岡 祐, 田端 正己, 加藤 宏之, 安積 良紀, 岸和田 昌之, 濱田 賢司, 水野 修吾, 臼井 正信, 伊佐地 秀司
    胆道
    2010年 24 巻 4 号 579-584
    発行日: 2010年
    公開日: 2011/01/07
    ジャーナル フリー
    要旨:胆嚢癌との鑑別が困難であった胆嚢線維性ポリープの一例を報告する.症例は59歳男性.十二指腸潰瘍にて当院内科通院中,肝機能異常を認め,精査の腹部エコーで,胆嚢内に14mm大のポリープが指摘された.ソナゾイド造影ではポリープ基部から内部に線状に流入する血流が認められた.CTでは体部腹腔側に造影効果を有する隆起性病変を認め,ダイナミックMRIではリング状の造影効果を示した.EUSでは表面は結節状,内部は実質様エコーであった.以上より,早期胆嚢癌を強く疑い,開腹下に胆嚢床切除+12c郭清を施行した.摘出標本では,体部に茎を有する淡黄色桑実状,15×15mm大のポリープが認められた.組織学的には表面は
    単層立方上皮
    で被覆され,毛細血管の増生と軽度の炎症細胞浸潤を伴う疎な間質から成っており,線維性ポリープと診断された.大きな胆嚢ポリープの鑑別診断として,線維性ポリープを考慮すべきと考えられた.
  • 李 繁良
    歯科医学
    1992年 55 巻 2 号 g65-g66
    発行日: 1992/04/25
    公開日: 2017/02/27
    ジャーナル フリー
    歯周組織, とくに骨膜の加齢現象を認識することは, 歯周治療を進めていくうえで重要である. 骨膜の加齢変化の組織学的研究によると, 細胞は萎縮, 変性し, 細胞密度は減少する. これら変化の原因の一つとして, 血管の分布密度ならびに血管壁の透過性の低下が考えられる. そこで, ラット歯槽部骨膜血管の加齢変化を検索する目的で, その部の微細血管鋳型を走査電顕で, また血管内皮の透過に関する超微構造とtracerの透過性との関係を透過電顕で検索した. 実験にはWistar系ラットを用い, 以下の方法で観察した. 血管鋳型標本はOhtaらの脈管注入法に従って作製し, 硬組織を除去後, 骨側から走査電顕にて観察を行った. 組織標本は灌流固定後, 通法に従い樹脂包埋し, 準超薄切片を作製, 検鏡した. さらに超薄切片を作製し, ウラン-鉛重染色後, 透過電顕を用いて観察した. Tracer注入実験は, 生食液で灌流後, HRPならびにタンニン酸を注入し, 30秒, 1分および2分後にそれぞれ灌流固定を行った. HRP注入標本はMicroslicer^[○!R]で厚さ40μmの切片を作製し, DABに反応させ, 樹脂包埋し, 無染色で観察を行った. 実験結果 生後1か月の骨表面は凹凸不整で,
    単層立方上皮
    様に骨芽細胞が配列していた. 骨膜の血管構築は毛細血管が密で不規則な網目を形成していた. 毛細血管はほとんど連続型で, 内皮細胞間はtight junctionで結合していた. HRP分子は注入30秒後で, 形質膜小胞内に認められたが, 接合部ではtight junctionによって透過が阻止されていた. しかし, タンニン酸分子は接合部で連続的に観察され透過していた. また, HRP分子は注入1分後には多量に透過し, 骨芽細胞間にまで達していた. 生後3か月の骨芽細胞は最も背が高く, 骨基質産生が活発であると考えられた. 骨膜血管網は整理され, 毛細血管は相互間隔が広くなり, 亀甲状血管網を形成していた. 毛細血管は有窓型が観察期間中最も多く認められ, 高い透過性を示していたことからtracerは, 有窓部から透過したものと考えられた. 生後6か月になると, 骨芽細胞は楕円形に変化していた. 毛細血管は連続型が増加し, 多数の形質膜小胞を含み, channel形成も認められた. HRP分子は注入2分後に管腔外に認められたが, 骨芽細胞までは達していなかった. タンニン酸分子は注入30秒で管腔外に認められ, 注入2分後に骨芽細胞表面に認められた. 生後12か月では, 骨芽細胞間の連続性が一部消失し, さらに骨表面には高電子密度のlamina limitansが認められ, 骨基質産生の停止が伺われた. 骨膜血管網はさらに整理され, 階段状の血管網に変化していた. 毛細血管はすべて連続型で, 形質膜小胞は減少し, 管腔の狭窄が認められた. Tracerは注入2分後に透過し, 隣接している細胞表面に限局して認められた. 生後24か月になると, 骨芽細胞は線維芽細胞様を呈し, 骨表面のlamina limitansはいっそう明瞭になっていた. 骨膜血管網は萎縮し, 直線的な走行を示す細動静脈だけとなり, ほとんど毛細血管は認められなかった. Tracerは注入2分後には透過していたが, 透過量は生後12か月に比べ減少していた. 結論 加齢に伴う骨膜, とくに骨芽細胞の形態変化に対応して骨膜毛細血管の分布密度および内皮細胞の透過性が加齢的に低下していた. また, 微小循環系のほとんどが消失していたことから, 炎症に対する抵抗性の減弱や治癒の遅延が惹き起こされることが示唆された.
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