日本における観賞魚飼育は古くから一般的なものであり、近年では希少性や美麗性から日本に生息する絶滅危惧魚類も
取引
対象として扱われるようになってきた。さらにネットオークションによる
取引
の増加に伴い、個人等による野外採集個体の消費的な
取引
の増加も懸念されているが、一方で絶滅危惧種の捕獲、流通に係る定量的データの収集は難しく、種ごとの
取引
現況について量的な把握が行われたことはない。そこで本研究では、環境省レッドリストに掲載されている 184種の絶滅危惧魚類の
取引
の実態把握を目的として、ネットオークションにおける 10年間分の
取引
情報を利用した大局的な集計と分析を行うとともに、
取引
特性の類型化を試みた。
取引
データ集計の結果、ネットオークションでは 88種の
取引
が確認された。また、全
取引数の過半数以上は取引
数の多い上位 10種において占められており、さらにアカメ、オヤニラミ、ゼニタナゴの 3種の
取引
が、そのうちの大部分を占めていた。
取引数や取引
額、養殖や野外採集と思われる
取引
数等を種ごとに集計した 6変数による階層的クラスター分析の結果では、 8つのサブグループに分けられ、ネットオークションでの
取引
には、主流
取引
型、薄利多売型、高付加価値少売型等のいくつかの特徴的な類型を有することが分かった。また、特に多くの
取引
が確認されたタナゴ類の中には、養殖個体として抽出された
取引
が多く認められる種がおり、一部の種については、他の観賞魚のように養殖個体に由来する
取引
が主流になりつつある可能性が考えられた。
抄録全体を表示