金融市場で観測される
取引
はクラスター性を持つことが知られており,特に高頻度
取引
(HFT)が市場に与える影響は重要な研究テーマとなっている.本研究では,東京証券
取引
所の主要な200銘柄の株
取引
データを用いてHawkes過程に基づくモデリングを行い,
取引
の内因性と外因性を分析した.HFTと非HFTの影響を分離して分析するために,指数関数カーネルの和を使用したHawkes過程モデルを採用し,2013年2月から2023年12月までのティックデータによるモデリングを行った.その結果,二つ以上の指数関数カーネルを持つモデルが良好なフィッティングを示し,異なる特性の
取引
活動が市場に及ぼす影響をより捉えられることが確認された.これにより,高頻度
取引
(HFT)と非高頻度
取引
(非HFT)が異なるクラスター特性を持つことが示唆される.また,モデルにより,内因性のイベントクラスターが
取引
数に依存せず独立することや,arrowheadシステム変更後の
取引
応答速度の向上に伴う時定数の変化が観察された.
抄録全体を表示