症例は72歳の女性.上腹部正中の腫瘤を主訴に来院.外傷,上腹部手術の既往はない.触診上,上腹部正中に小児頭大の膨隆を認め,用手圧排により容易に腹腔内に還納が可能であった.また臍ヘルニアも併存していた.腹部CT検査では上腹部正中より大網と思われる脂肪織の脱出を認め,白線ヘルニアと診断した.手術では腹腔鏡下に臍ヘルニアも含め, Composix Mesh
®を用いた修復術を行った.白線ヘルニアは本邦では稀な疾患であるが,再発率が高く,多発傾向にある白線ヘルニアに対して,脆弱な白線・正中部を広く補強できるComposix Mesh
®による腹腔鏡下の修復術は有用であると考えられた.
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