米飯の老化に対して各種調味料がどのような効果をもつのかを明らかにする目的で, 酢, バター, サラダオイル, 食塩, しょうゆ, 酒などの調味料を添加して炊飯した8種の米飯を市販のラッピーパックに封入し, 室温ならびに低温貯蔵した場合の貯蔵中の糊化度およびテクスチャーの変化を測定した. 米粉, 米でんぷんの老化に対する調味料の影響についても検討した.
1) 貯蔵中の米飯の糊化度の低下は水分量の多い飯のほうが少なく, またうるち米よりもち米の飯のほうが老化の進行がおそく貯蔵に適することがわかった.
2) 調味料では, バター, サラダ油, 食塩, しょうゆ, 酒に低温貯蔵中の米飯の糊化度の低下を抑制する作用がみられたが酢の添加によっては老化が促進された.
3) 塩, しょうゆは米でんぷんの糊化度の低下を促進し, 米粉についても米でんぷんと同様の傾向がみられたことから, これらの調味料が米飯の老化に対する効果ば組織構造に影響されることが示唆された.
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