経済のグローバル化や,少子高齢化の進行に伴い,国内地域経済の疲弊が進んでいる.そのなかで農商工連携,6次産業化など地域資源を活用した地域経済の活性化を目指す取り組みが展開されてきている.本稿で取り上げる北海道・十勝地域は,国内最大の小麦生産地であるが,その大部分は国内消費地へと移出されていることから,地域内で生産,加工,消費の連関は希薄であった.しかし,近年は,農業生産者,中小企業者などの地域の経済主体により,十勝で生産された小麦を地域内で加工し消費する,地域内経済循環を構築する取り組みが広まりつつある,同時に,十勝地域では,「農」や「食」をキーワードに,地域資源を活用した
地域産業振興
策が積極的に展開されている.そこで,本稿では,地域の経済主体による経済循環を構築する取り組みを明らかにするとともに,地方自治体による
地域産業振興
施策の展開にも注目している.
抄録全体を表示