Gaussian03に標準的に納められている基底関数系(6-311G**,6–311++G**, aug-cc-pVTZ, cc-pVTZ, D95, D95++)を用いてdiffuse関数の有無によるH
2−の
基底状態
2Σ
u+ の構造の基底関数依存性を示す.計算方法はHF法およびMP2法,そしてFull CI法である.Diffuse関数を含まない通常の基底関数系では,H
2−はH
2の反結合性軌道に電子が入るので,H
2−の
基底状態
2Σ
u+ の核間距離はH
2の核間距離に比べ大きくなる.Diffuse関数を含む基底関数系を用いると電子は大きく広がった軌道に入るためH
2−の
基底状態
2Σ
u+ の構造はH
2の構造に近い構造となる.H
2−の
基底状態
2Σ
u+ の構造とdiffuse関数のζ(<r>)の関係も示した.Diffuse関数のζが大きく<r>が小さいとき,H
2−の
基底状態
2Σ
u+ の構造はH
2のそれより長くなり,diffuse関数のζが小さく<r>が大きいとき,H
2−の
基底状態
2Σ
u+ の構造はH
2のそれに近くなる.
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