大分県内の一地域において, ある年度に基本健康診査の血清総コレステロール値により, 要指導, 要医療者の割合が前年度と比較して, 著明な増加を示した。保健所での調査により, 測定値そのものの問題が示唆された。このことをきっかけに, 担当検査施設の測定の精度管理, さらに発展して県内での脂質検査の標準化を検討した。大分県の基本健康診査受託検査施設は件数で約半数を大分県地域保健支援センターが, 残り約半数を各地域医師会の検診センター (8カ所) が担当している。脂質検査の国際的標準化をめざす米国のCenters for Disease Controland Preventionが中心となったネットワークのわが国の分析室である大阪府立成人病センターの協力のもとに,
大分県医師会
精度管理委員会の努力により, ネットワークで使用している標準血清を用いて県内の基本健康診査を担当している検査施設の脂質検査の標準化を達成した。
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