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クエリ検索: "大学スポーツ協会"
67件中 1-20の結果を表示しています
  • ―部位および損傷組織を踏まえた検討―
    江戸 優裕, 菊池 咲葵, 松尾 真輔, 島田 美恵子
    千葉県立保健医療大学紀要
    2025年 16 巻 1 号 1_152
    発行日: 2025/03/31
    公開日: 2025/06/07
    研究報告書・技術報告書 フリー

    (緒言)

     関節弛緩性(JL: Joint Laxity)はスポーツ分野におけるメディカルチェックの項目として一般的であるが,スポーツ傷害発生との関係については否定的な報告も散見される1,2).こうした見解が分かれる要因の一つに,身体の部位や損傷組織を踏まえた検討がなされていない点がある.

     そこで,本研究ではJLとスポーツ傷害の既往歴(PH: Past History)との関係を部位別・損傷組織別に明らかにすることを目的とした.

    (研究方法)

     対象は一般的な大学生399名(平均年齢19.8±1.4歳:男性181名・女性218名)であった.

     JLは東大式関節弛緩性テスト3)で評価した.手・肘・肩・膝・足関節は左右各0.5点,脊柱・股関節は1点とし,合計点をJLスコアとした.

     PHは過去5年間にスポーツ中に受傷したものをアンケートで収集した.姫野らの報告4)を基に損傷組織別(骨損傷・関節損傷・筋損傷・その他)に分類し,各回数を求めた(PH回数).

     JLスコアとPH回数は部位別(上肢・下肢・体幹)でも集計し,相関分析と群間比較を行った(有意水準5%).

    (結果)

     JLスコアは男性より女性で高かったが(男性:1.8±1.4/女性:2.7±1.5点),部位別でみると下肢のみ有意な性差が認められなかった.PHは対象者全体で延べ799件(Median=1,IQR=0,3)あり,足関節捻挫(270件),大腿部の肉離れ(71件),突き指(66件)の順に多かった.

     年齢・性別を制御したJLスコアとPH回数の偏相関分析の結果,いずれの項目にも明らかな相関を認めなかった(|r|≒0.1).

     JL有無・年代・性別を要因としたPH回数の3元配置分散分析の結果,骨損傷はJL無し群で多く(無し群:0.3±0.7/有り群:0.1±0.5件),体幹の骨損傷は男性で多かった(男性:0.1±0.4/女性:0.0±0.2件)(Mean±SD).

    (考察)

     JLが男性より女性で高いことは多くの先行研究5,6)を追認したが,下肢には明らかな性差がないことは新知見であった.PHの発生状況は

    大学スポーツ協会
    の報告7)と概ね一致した.

     JLスコアとPH回数の相関はいずれの部位・組織でも認めなかったものの,骨損傷はJL無し群で多かった.このことから,JLが低いと骨に力学的負荷が集中しやすい可能性は無視できないが,因果関係や体幹損傷の性差は受傷機転を踏まえた慎重な議論が必要である.また,JLに筋タイトネスが併存することを問題視する報告8)もあるため,今後より多角的な検討が期待される.

    (倫理規定)

     本研究は千葉県立保健医療大学研究倫理審査委員会の承認を得て実施した(No.2022-26).対象者には研究内容の説明後,書面で同意を得た.

    (研究成果の公表)

     本研究は第43回関東甲信越ブロック理学療法士学会・第30回千葉県理学療法学術大会(合同大会)で2024年10月5日・6日に発表予定である.

  • *新井野 洋一
    日本体育学会大会予稿集
    2019年 70 巻
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/12/20
    会議録・要旨集 フリー

     

    大学スポーツ協会
    が、本年3月1日、197大学と31団体が入会し設立された。目的は、「学生の誰もが学業を充実させながら安全に競技スポーツを実践するための基盤的環境を整備するとともに、地域に根差す大学スポーツの多様な価値を高め、我が国の力強い発展と卓越性を追求する人材の輩出に寄与する」とされている。これまで部活動が個々の自治の中で実践され、大学の関与が限定的であり、競技横断的に大学スポーツの取組を一体的に行う全学的部局を置かない大学が多いことや、学生競技団体(≒学連)が競技ごと地域ごとにまちまちな形で存在し、その体制や他の競技団体等との連携が不十分であるなどの指摘が背景となっている。現段階のUNIVASは、知名度も低く、今後の活動への疑問と不安の声が大きいことも事実である。それらも踏まえ、学生アスリートはもちろん一般学生や教職員、関係者(父母や近隣社会)などにいかにUNIVASの現状と課題を教育するかが大学体育関係者にとって大きな課題と言える。本研究では、UNIVASが大学スポーツに求める「共有化」の内容を整理するとともに、その際の大学と学生アスリートの「自由」の確保に関してどのように教育するかを追究してみる。

  • 村本 勇貴, 木村 豪志, 木之田 章, 山田 唯一, 勝俣 良紀, 佐藤 和毅
    日本臨床スポーツ医学会誌
    2024年 32 巻 3 号 467-473
    発行日: 2024年
    公開日: 2024/12/04
    ジャーナル フリー

    女性アスリートは,負のエネルギーバランスに陥りやすく,低骨密度から疲労骨折が生じる.しかし,本邦における大学女性アスリートの疲労骨折の実態を捉えた研究はない.そこで,本研究の目的は,

    大学スポーツ協会
    (UNIVAS)に属する選手への傷害調査から,大学女性アスリートの疲労骨折の実態を把握する事とした. 2022年6月から2023年8月にかけUNIVASに関連する大学にウェブアンケートを行い,過去1年以内(2021年4月~2022年3月)に生じた疲労骨折の有無を聴取した.疲労骨折と関連する因子の検討には,BMI,部位,競技,競技レベル,練習量などを独立変数として,多変量ロジスティック解析を行った. 回答が得られた選手は4053名であり,疲労骨折を直近の1年間で生じた選手は3.1%(126人)で合計140件であった.疲労骨折が生じやすい部位としては,足/足趾が32.1%,下腿が22.1% と下腿から遠位に多いことが示された.競技別の頻度は,陸上が最も多く(19.0%),練習量(β=0.5,Exp=1.6),BMI(β=-0.1,Exp=0.9),全国大会以上の競技レベル(β=0.7,Exp=2.1)が,疲労骨折の関連因子であった. 大学生女性アスリートでは,疲労骨折は陸上で最も頻度が高く,足/足趾の発生が多かった.疲労骨折のリスク因子は,BMIが低く,練習量が多いことであった.

  • 神田 智浩, 山下 純平, 村上 雷多, 下川 真良
    身体運動文化研究
    2022年 27 巻 1 号 41-50
    発行日: 2022/03/15
    公開日: 2022/04/12
    ジャーナル フリー

    The recent outbreak of the new coronavirus (COVID-19), which has been raging around the world, has forced major changes in the world of sports, both professional and amateur Club. Activities at universities are not only a way to improve performance, but also a “place of learning” that fosters diversity among students, and a place to learn the qualities necessary to be a member of society. The recent changes in the environment around us have had a tremendous impact on the physical and mental health of students. In this study, we investigated the impact of the change in the environment of club activities caused by the Corona disaster on the students of the athletic department of the University of O in terms of their employment orientation. From the results of the survey, a significant difference was found between the continuation group and the other groups, indicating that the impact on their lives was more significant for athletic students who had a strong desire to continue competing after employment. Therefore, it was necessary to make efforts to understand the mental status of each individual in the field of instruction, and to give careful instruction.

  • 鵜瀬 亮一, 大室 康平, 小林 志郎, 石川 智雄
    新潟医療福祉学会誌
    2023年 23 巻 2 号 36-40
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/12/25
    ジャーナル フリー HTML

    日本の総人口は2008年の1億2808万人をピークに減少を続けている。新潟県においても、大学等への進学や卒業後の就職を機に、県外に転出するケースが多く、県総人口は1997年の249万人をピークにその後減少を続けている。新潟県では人口流出抑制と県外からの移住促進のために様々な施策を打ち出しており、県内各大学も魅力向上による県外流出抑制や卒業後の定住に向けた取り組みを今後加速させていくだろう。本調査では大学生の定住促進に向けた施策の前段階として、新潟県内の大学部活動において有数の部員数を抱えるN大学硬式野球部の学生の出身地と卒業後の定住動向について実態調査を行なった。N大学硬式野球部の卒部・在部学生は2022年12月現在で405名おり、そのうち38.3%は新潟県内出身者であった。そして、新潟県内出身者の75.3%は卒業後も新潟県内で就職・進学していた。また、新潟県外出身者の12.2%が卒業後に新潟県内で就職・進学していた。今後は卒業後に新潟県に「定住した要因」について、県内・県外出身者共に調査を行ない、卒業後も新潟県に愛着を持ち「定住してもらうための施策」を考案していきたい。こうした取り組みを、人口減少を課題とする地方部に大学部活動が存在する新たな価値につなげる第一歩としたい。

  • *谷釜 尋徳
    日本体育・スポーツ・健康学会予稿集
    2021年 71 巻 1O601-04-04
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/12/28
    会議録・要旨集 フリー

    歴史的にみて、日本の大学は「トップアスリート養成の拠点」としての機能を担ってきた。今日においても、大学在学中に国際舞台にチャレンジするアスリートは多く、大学で蓄えた競技力をもって卒業後に華々しく活躍する例も少なくない。

     しかしながら、学生アスリートは、競技面のほかにも学業との両立やキャリア形成をはじめ、在学中に種々の問題に直面しているのが現状である。今後も、大学スポーツがトップアスリート養成の拠点たりえるには、解決すべき課題が山積しているといえよう。

     2019年に発足したUNIVAS(

    大学スポーツ協会
    )は、大学スポーツを総合的に振興すべく誕生した競技横断的な組織である。UNIVASは、「卓越性を有する人材の育成」を理念の一つに掲げ、トップアスリートを含めたすべての学生アスリートを対象に、様々なサポート事業を展開している。

     本報告では、大学がトップアスリート養成というテーマとどのように向き合っていくべきなのか、大学スポーツを俯瞰的に捉えるUNIVASの視点から考察したい。

  • 半田 裕
    大阪経大論集
    2021年 72 巻 6 号 13-39
    発行日: 2021年
    公開日: 2022/08/01
    ジャーナル フリー
  • 村本 勇貴, 木村 豪志, 木之田 章, 山田 唯一, 勝俣 良紀, 佐藤 和毅
    日本臨床スポーツ医学会誌
    2024年 32 巻 2 号 303-311
    発行日: 2024/04/30
    公開日: 2024/07/04
    ジャーナル フリー

    バレーボールは本邦の代表的な競技である.そのため,傷害を予防することは重要な課題である.しかし,傷害を予防するための,基礎的な知見がこれまで得られていなかった.そこで,本研究の目的は

    大学スポーツ協会
    (UNIVAS)に属するバレーボール選手に傷害調査を行い,傷害を予防するための知見を得ることである.

    2022 年6 月から10 月にかけて実施されたウェブアンケートを通じてデータを収集した.傷害に関する項目は,過去1 年以内(2021 年4 月~2022 年3 月)に負った傷害について尋ねた.

    過去1 年以内に負った傷害に関して,152 件の回答が得られた.全体の152 件中足関節が32 件(21%),膝関節が30 件(20%)と先行研究と同様に足関節,膝関節に傷害が発生しやすいことが示された.そのため,足関節,膝関節の受傷メカニズム,性差の特徴をさらに検証した.その結果,足関節は接触,膝関節は非接触で傷害が生じる割合が多いことが示された(p<0.01,φ=0.55).さらに,女性は重症度の高い傷害が生じやすいことが示された(p<0.01,φ=0.40).特に,膝関節の傷害で180 日以上休んだと回答したのは女性のみであった(7 名).

    今回の結果より,足関節,膝関節がバレーボールの代表的な傷害であり,女性は膝関節に重症度の高い傷害が生じやすいことが示された.

  • 望月 拓実, 柴田 紘希, 斎藤 麗, 菅谷 美沙都, 横山 剛士, 石井 十郎, 川崎 登志喜, 藤田 雅文, 中路 恭平
    体育・スポーツ経営学研究
    2021年 34 巻 45-63
    発行日: 2021/12/15
    公開日: 2021/12/24
    [早期公開] 公開日: 2021/06/15
    ジャーナル フリー

    The purpose of this study is to understand the actual sports life of university students, and to examine the issues revealed by these characteristics and then propose management measures for university sports in order to promote lifelong participation.

    A survey was conducted at 41 universities across Japan. The results were categorized by athletic environment into “Members of an athletic club”, “Members of a circle”, “Other exercisers” and “Non-exercisers.”

    As a result, more than 50% of the athletic club members exercised more than 6 days a week, which is much higher than the guideline standard for junior high and high schools. Therefore, it is necessary to establish a support system for the academic and career activities that university students should engage in.

    Secondly, when participating as a circle member, there was less money involved. Additionally, it is easy for people with little exercise experience to participate. On the other hand, it was found that not even half of the students could use the facilities on campus. Therefore, it is necessary to provide support for the use of facilities other than those belonging to the athletic club.

    Third, the percentage of “Non-exercisers” was found to be over 20 percent. The most popular reason they do not exercise is “lack of opportunity.” Therefore, it is necessary to provide them with opportunities to exercise and to improve exercise environment of students before university.

  • 体育会所属学生を対象として
    *宮﨑 亜美, 松尾 哲矢
    日本体育・スポーツ・健康学会予稿集
    2022年 72 巻 32-1204-06-03
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/12/22
    会議録・要旨集 フリー

    近年、トップアスリートの引退後の職業生活への移行の困難性、キャリア形成に不安を抱えたまま競技を継続することによるパフォーマンスの低下等、アスリートのキャリア形成に関する問題が顕在化している。吉田ら(2006)によれば、競技力向上のために、スポーツに専心し、多大な時間を競技活動に費やすことから、学業や仕事の停滞が生じ、競技引退後のキャリアに不安を感じる恐れがあると言われている。また、競技活動のみに専心した生活を送るため、競技引退後の職業生活への移行に困難をきたし、時にその反動から引退後の生活でアイデンティティを保てなくなるなどの心理的問題を抱えることも問題視されている(青石ら, 2010)。

     しかしながら、このような問題はプロや実業団等のトップアスリートに限られたものではない。2019年に設立した一般社団法人

    大学スポーツ協会
    (UNIVAS)は、大学運動部学生へのキャリア形成支援を重要課題として挙げており、大学で体育会運動部に所属し、スポーツに専心してきた学生も同様にキャリア形成に関して課題を抱えているものと考えられる。

     体育会所属学生のキャリア形成について、束原(2021)によれば、体育会に所属している学生は有利に就職できるという伝統的な「体育会系神話」は、「威信の高い大学」、「伝統的チームスポーツ」、「男性」だけが成立する条件となってきたことを明らかにしている。このように体育会所属学生のキャリア形成においては、その背景に体育会系神話をはじめとする体育会文化が大きく影響しているものと考えられる。

     そこで本研究では、体育会所属学生のキャリア形成過程において、体育会文化がどのような影響を与えているのかについて、体育会所属学生を対象として半構造化インタビュー調査を実施し、その結果について修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いて検討した。学会ではその詳細な検討結果を報告する。

  • *岸井 貴春
    日本体育・スポーツ・健康学会予稿集
    2022年 72 巻 13-30101-03-02
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/12/22
    会議録・要旨集 フリー

    本発表は、学習支援を切り口に「大学スポーツ」の教育理念を問うものである。

     学生のスポーツは今まで体育会や学生競技連盟などの学生自治により営まれ、大学はほとんど関与してこなかった。そのような大学にとって不透明な運営から生じる諸課題の解決を目的の一つとしながら2019年3月に一般社団法人

    大学スポーツ協会
    (UNIVAS)が設立された。

     UNIVASが振興の対象とする「大学スポーツ」は、「教育、研究又は社会貢献の一環として行われる学生の競技スポーツ」(定款第3条)として定義されている。これまでは単に学生の行う競技スポーツであったものを「大学スポーツ」と呼び直しているのであるが、その経緯は定かにされていない。ここから、教育の一環としての競技スポーツとはどのようなものであるのか、言い換えれば、「大学スポーツ」の教育理念はどのようなものであるか、という問いが生じる。

     教育のための事業としてよく例示される方策が、競技スポーツ活動への参加に際した成績基準の設定と競技スポーツに取り組む学生に対する学習支援である。その背景としてよく想定されるのは、授業を疎かにする学生の姿、あるいはそれを黙認する大学の姿勢である。なかでも、それを課題と捉え唱えられる学習支援は、大学で為される教育(授業)に向かうこと、すなわち学習すること、を助けるという点でたしかに教育的な取り組みのように見える。

     しかし、これには問題点もある。すなわち、ここでは競技スポーツが教育を妨げる要素になっていないと言うだけで教育的な取り組みであるとまでは言えていないということである。ただし、仮に支援に積極的な教育としての要素が見つけられるのであればこの問題も解消されよう。つまり、この支援が大学教育においてどう捉えられているかを探ることは、学習支援に教育としての根拠のひとつを置く「大学スポーツ」の掲げる教育理念を問う方法として有効であろう。

  • *髙橋 由衣, 高井 秀明
    日本体育・スポーツ・健康学会予稿集
    2021年 71 巻 1P101-43-29
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/12/28
    会議録・要旨集 フリー

    新型コロナウイルス感染症の流行によって、人々は様々な心理的・身体的影響を受けている。大学スポーツでも自治体や政府の方針に従って活動することが求められており(一般社団法人

    大学スポーツ協会
    、2020)、大学生アスリートは競技活動の制限を余儀なくされてきた。未だ収束の兆しが見えない状況の中で活動している大学生アスリートは、感染症が流行し始めた頃よりも気分や身体症状の悪化、練習意欲の低下などといった問題・課題を抱えていることであろう。そこで本研究では、第1回目の緊急事態宣言から緊急事態宣言解除後までの心理的・身体的特徴の変化について明らかにすることを目的とし、POMS2、SOC、身体症状の負担感から検討することとした。本調査はA大学に所属する学生を対象とし、緊急事態宣言発令中の2020年5月上旬と緊急事態宣言解除後の2020年7月下旬の2回に分けて実施した。全調査対象者は1083名であり、大学生アスリートのみを分析対象者とした。本調査では身体症状および調査時期における下位尺度得点を比較するため、2要因の分散分析を行った結果、身体症状高群は身体症状低群よりもAH、CB、DD、FI、TA、TMD、SSS-8の得点が有意に高かった。また、身体症状高群の緊急事態宣言中は緊急事態宣言後よりもSSS-8の得点が有意に高かった。これらのことから、身体症状が高い大学生アスリートは、ネガティブな気分・感情の表出が多く、ストレス対処力が低かったといえる。さらに、緊急事態宣言が解除されたとしても、依然として感染拡大防止対策に努めながら競技生活を送らざるを得ないというストレスが身体化(中込、1999)したことによって、身体症状の負担感が高まったものと考えられる。したがって、継続的にアスリートの心理的・身体的問題を把握していくとともに、中長期的な心理支援のあり方についても検討していくことが求められるだろう。

  • ─新・政策の窓モデルによる実証研究─
    横井 康博
    スポーツ健康科学研究
    2021年 43 巻 43-56
    発行日: 2021年
    公開日: 2022/08/24
    ジャーナル オープンアクセス
    The purpose of this paper is to show, through a case study, why and how the UNIVAS, Japan Association for University Athletics and Sport, was established. UNIVAS was established in Japan in March, 2019. It inclusively supervises a variety of university sports club activities nationwide.
    In this paper, the author analyzes the policy formation of the UNIVAS establishment based on the new policy window approach. As a result of this analysis, seven interesting facts, supported by both a theory and a proof, have been discovered, five of which are summarized as follows.
    1. Government officials, Diet members and Japanese citizens were all involved in multiple policy formation processes at multiple levels in a multi-layered way.
    2. Multiple problems in agenda were sufficiently selected and mutually related.
    3. With the progress of the policy formation, new policy proposals were added and refined.
    4. Policy formation processes became available as problem windows and political windows were both opened
    5. Actual policies were realized when the agenda, the lists of policy proposals and political events formed the complete package.
  • 指導者に対する大学の管理の実態に着目して
    松瀬 学, 佐野 昌行, 金田 竜成
    スポーツマネジメント研究
    2021年 13 巻 1 号 15-27
    発行日: 2021/12/15
    公開日: 2022/02/22
    ジャーナル フリー

    The purpose of this study is to clarify whether university sports clubs have governance structure for their coaches. 202 universities, members of Japan Association for University Athletics and Sport (UNIVAS), were surveyed. Among 98 universities (48.5%) that responded to the survey, 24 said there were ethical and compliance violations during 2016-2019 at their sports clubs. At more than 90% of universities, non-university staffs are coaching at clubs. These coaches are not selected through universities’ official process. The Study found that this leads to the lack of clarity for responsibilities. In addition, 51% of universities have ethical and compliance rules stipulated. Only one third have established athletic departments that supervise overall sports activities. As a conclusion, university governance is not functioning fully for supervision and management of sports club coaches.

  • *小野里 真弓, 朝倉 雅史, 石川 智, 相原 正道, 木村 和彦
    日本体育・スポーツ・健康学会予稿集
    2021年 71 巻 1O1501-04-01
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/12/28
    会議録・要旨集 フリー

    わが国の大学スポーツは競技者育成をはじめスポーツ指導者の養成や医科学的な側面から競技力向上を支え、これまでプロスポーツ選手や実業団スポーツ選手を数多く輩出するなどスポーツシステムにおいて重要な役割を担ってきた。2019年3月には一般社団法人

    大学スポーツ協会
    (UNIVAS)が創設されスポーツの普及やスポーツ界全体の発展、さらには地域貢献や地域活性化など大学スポーツに大きな期待が寄せられている。これまで体育・スポーツ経営学における大学スポーツを対象とした研究は数多く報告されているがその中心的なテーマは、大学運動部のチームマネジメントや組織におけるリーダーシップスタイル、運動部経験により培われる能力やスキルに関するアプローチが取り上げられる。当然のことながら、これらの視点は大学スポーツの発展に重要な課題であるが研究対象として各競技種目の統括組織である学生連盟(以下、学連)の存在は等閑視されてきた。そこで本研究では、大学スポーツの競技活動を支える学連組織に着目しその実態を明らかにすることを目的とした。方法としては、日本スポーツ協会に加盟している63競技団体を対象に各学連組織のホームページを検索し、目的・理念、事業、中央競技団体との関係、学生の参加形態などについて資料を収集した。その結果、当初想定していた通り、各学連組織の構成は多様であることが明らかとなった。例えば、地区・地域別に学連組織は存在するがそれらを統括する全国組織が存在しない競技種目、また定款や目的・理念、事業内容などの情報が開示されていない学連組織も見受けられた。これらの結果を手掛かりとして、大学スポーツにおける学連組織の課題を検討するとともに、今後のスポーツマネジメント研究の可能性を考察する。※本発表は、日本体育・スポーツ経営学会のプロジェクト研究「大学スポーツのマネジメント研究」の成果の一部を報告するものである。

  • 八尋 風太, 萩原 悟一
    スポーツ産業学研究
    2019年 29 巻 4 号 4_217-4_222
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/10/11
    ジャーナル フリー
      Today, college sport is attracting attention in Japan. However, the number of college athletes has not been clarified by an organization like the NCAA. The purpose of this study was to clarify the number of college athletes and to grasp the situation of the competition groups. The research target was the 33 competitions to be held at the 2020 Tokyo Olympics. The research method was quoted from the website and used telephone and email. The study clarified the number of college athletes participating in 23 competition groups in 33 competitions. In addition, it was clarified that the number of college athletes has been on the rise. The results of this study are considered to be new findings in the field of college sport.
  • 箱﨑 太誠, 村田 祐樹, 﨑濱 星耶, 大見 卓司
    日本アスレティックトレーニング学会誌
    2023年 9 巻 Supplement 号 S37
    発行日: 2023年
    公開日: 2024/06/26
    ジャーナル フリー
  • 水田 良実, 前田 慶明, 小宮 諒, 安部倉 健, 河井 美樹, 渡部 智也, 長尾 拓海, 浦辺 幸夫
    日本アスレティックトレーニング学会誌
    2023年 9 巻 Supplement 号 S13
    発行日: 2023年
    公開日: 2024/06/26
    ジャーナル フリー
  • 村上 大記, 松元 剛
    コーチング学研究
    2023年 37 巻 1 号 1-11
    発行日: 2023/10/20
    公開日: 2023/11/01
    ジャーナル フリー

     One of the issues for sport coaching research in Japan is lacking of the research on coaches' interpersonal knowledge, especially their knowledge of athlete leadership. The purpose of this study was to identify the determinants of leadership and the reality of shared leadership on each team for college student-athletes in ball games team sports. This study was conducted between December 2021 and January 2022 with 217 athletes from extracurricular ball games team sports at one domestic college (eight teams in total). The questionnaire was administered to individually rate the leadership of all teammates on the four Leadership Roles (Fransen et al., 2014) of Task, Motivational, Social and External in each team. The results of t-tests and one-way ANOVAs revealed that athletes with higher grades, hold positions and more opportunities to play in games tended to show stronger leadership. The results of the QAP test using Social Network Analysis also elucidated that different Leadership Networks were established for each leadership role in each team, indicating that Shared Leadership was being demonstrated. It was suggested that understanding the leadership characteristics of athletes and team-specific Leadership Networks will enable more effective coaching and team management.

  • -部位および損傷組織を踏まえた検討-
    *江戸 優裕, 菊池 咲葵, 松尾 真輔, 島田 美恵子
    関東甲信越ブロック理学療法士学会
    2024年 43 巻
    発行日: 2024年
    公開日: 2025/01/24
    会議録・要旨集 フリー
    【はじめに,目的】 関節弛緩性(JL:Joint Laxity)はメディカルチェックの項目として 一般的であるが,スポーツ傷害との関係については否定的な報告 も散見される(北堀.2019;河原.2010).見解が分かれる一要 因として,身体の部位や損傷組織を踏まえた検討がなされていな い点がある. そこで, 本研究ではJLとスポーツ傷害の既往歴(PH:Past History)との関係を部位別・損傷組織別に明らかにすることを目 的とした. 【方法】 対象は一般的な大学生399名(平均年齢19.8±1.4歳:男性181名・ 女性218名)であった. JLは東大式JLテスト(中嶋.1984)で評価した.手・肘・肩・膝・ 足は左右各0.5点,脊柱・股は1点とし,合計点をJLスコアとした. PHは過去5年間にスポーツ中に受傷したものをアンケートで収集 した.姫野の報告(2016)を基に損傷組織別(骨・関節・筋・その他) に分類し,各回数を求めた(PH回数). JLスコアとPH回数は部位別(上肢・下肢・体幹)でも集計し,相関 分析と群間比較を行った(有意水準5%). 【倫理的配慮,説明と同意】 本研究はヘルシンキ宣言に従い,研究機関の倫理委員会の承認後 (No. 2022-26)に実施した.対象者には研究内容の説明後,書 面で同意を得た. 【結果】 JLスコアは男性より女性で高かったが(男:1.8±1.4 /女:2.7±1.5 点),部位別では下肢のみ有意な性差がなかった.PHは対象者全 体で延べ799件(Mdn=1,IQR=3)あり,足関節捻挫(270件)が 最多だった. 年齢・性別を制御したJLスコアとPH回数の偏相関分析の結果, いずれの項目にも明らかな相関を認めなかった(|r|≒0.1). JL有無・年代・性別を要因としたPH回数の3元配置分散分析の 結果,骨損傷はJL無し群で多く(無:0.3±0.7/有:0.1±0.5件), 体幹の骨損傷は男性で多かった. 【考察】 JLが男性より女性で高いことは多くの先行研究(Quatman. 2008)を追認したが,下肢には明らかな性差がないことは新知見 であった.PHの発生状況は
    大学スポーツ協会
    の報告(2022)と概 ね一致した. JLスコアとPH回数の相関はいずれの部位・組織でも認めなかった ものの,骨損傷はJL無し群で多かった.このことから,JLが低い と骨に力学的負荷が集中しやすい可能性は無視できないが,因果 関係や体幹損傷の性差は受傷機転を踏まえた慎重な議論が必要 である.また,JLに筋タイトネスが併存することを問題視する報 告もあるため(菊池.2024),今後より多角的な検討が期待される.
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