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クエリ検索: "学校法人自由学園"
21件中 1-20の結果を表示しています
  • 齋藤 榮, 李 榮蘭, 桝田 佳寛, 小西 敏正
    日本建築学会技術報告集
    2012年 18 巻 40 号 1117-1120
    発行日: 2012/10/20
    公開日: 2012/10/20
    ジャーナル フリー
    “JIYUGAKUEN MYONICHIKAN” was built with Frank Lloyd Wright and Arata Endo, and specified for national important cultural properties in 1997. In this paper, we research the plastering of restoration work of MYOUNICHIKAN that was conducted from 1999 to 2002. As a result, policies, materials, a mix proportion and a process of the plasterer construction are clarified. It is basic policy of a restoration work to return to a state at the time of the foundation but new materials and method of construction are used for improving safety and constraints of construction. This will provide important data for restoration and preservation of buildings using.
  • 初等部3・4年「水の学び」を中心に
    真中 昭典, 田嶋 健人, 津山 直樹
    生活大学研究
    2022年 7 巻 1 号 1-21
    発行日: 2022/05/07
    公開日: 2022/05/07
    ジャーナル フリー
    本研究は,教師と児童の関係性の中にある「教える–教えられる」という非対称な関係を問題と捉え,子どもの声を聞き,それに応じる形でカリキュラムをリデザインする「カリキュラム生成」の実現を目指した。総合的な学習の時間を主とした「探求学習」におけるカリキュラム生成のプロセスを分析し,その成果と課題を明らかにするものである。アクション・リサーチによる理論と実践の架橋・往還を目指し,教師と研究者が協働してカリキュラム生成を行った。実践では,児童の声を活かした探求学習を通して,調べ学習に必要な知識・技能を獲得することや探求テーマに関する専門的知識を獲得することだけでなく,児童の意識変容や専門的知識を超えた概念形成を目指した。これらを実現するための工夫として,具体的には,本質的な問いの設定,e-カリキュラムデザイン曼荼羅を活かしたカリキュラムリデザイン,パフォーマンス課題の設定,ルーブリックを用いた評価等を行った。抽出児童5名のパフォーマンス課題や振り返り等の記述から,実践プロセスにおける児童の意識変容や概念形成の様子が明らかとなった。また,教師と研究者との協働によるカリキュラムのリデザインを通して,児童の声を活かした探求学習を実現するカリキュラム生成が行われたことが成果としてとして挙げられる。
  • ― 重要文化財自由学園明日館の保存再生 その1 ―
    杉江 夏呼, 花里 利一
    日本建築学会計画系論文集
    2011年 76 巻 661 号 719-724
    発行日: 2011/03/30
    公開日: 2011/03/31
    ジャーナル フリー
    Today, Jiyu Gakuen School Myounichikan is one of the most successful practices of dynamic conservation of the architectural heritage that was registered as the Important Cultural Property by the Government. In 1997, it was nominated as the Important Cultural Property together with a total of 56 items of requests that were proposed by the owner who considered improvement of the building for practical use after restoration. The scope of the present paper is to analyze those items of requests submitted to the Government at the nomination. A number of those requests were discussed and considered in the restoration plan, which would be effective in such successful dynamic conservation.
  • ―「引き込み現象」と「フロー」の統合という視点から―
    酒本 絵梨子
    スポーツ社会学研究
    2012年 20 巻 2 号 65-77
    発行日: 2012/09/30
    公開日: 2016/09/06
    ジャーナル フリー
     本研究の目的は、「共振」という概念が持つ、スポーツ独特の社会関係における「楽しさ」を理解する上での重要性を、チクセントミハイが提唱した、「流れ」=「フロー(Flow)」という概念と「引き込み現象」の概念を統合させることで、明らかにしていくことである。
     「引き込み現象」とは、異なった周期を持ったリズムがその周期を一致させる現象であり、自然界や人のコミュニケーションにおいて見ることができる。
     この「引き込み現象」をクラーゲスのリズム論から見てみると、「共振」という広い概念として捉え直すことができる。亀山によれば、「共振」とは、日常の制約から脱して生命のリズミカルな脈動の中に入ることを意味し、ここに音楽やスポーツの活動でリズムに乗るときに襲う「楽しさ」の由来があるという。
     チクセントミハイはこの「楽しさ」を「流れ」=「フロー」という概念で説明している。このフローの概念は個人的な心理的な状態を表すことでその「楽しさ」を捉えており、個人的な挑戦を超えた、集団スポーツを含んだスポーツで得られる「楽しさ」は捉えきれないという弱点を持っている。しかし、フローの概念をリズムの「共振」として捉えるならば、集団スポーツにおける「楽しさ」を「共同性の次元のフロー」として見る視点が与えられる。
  • ― 重要文化財自由学園明日館の保存再生 その2 ―
    杉江 夏呼, 花里 利一
    日本建築学会計画系論文集
    2012年 77 巻 672 号 495-500
    発行日: 2012/02/29
    公開日: 2012/03/07
    ジャーナル フリー
    Jiyu Gakuen Myonichikan, one of the first historic modern architectures to restore the buildings for practical use was surveyed to assess the effectiveness of the restoration works, as 10 years have passed since its completion. Damage and deterioration were found at some parts where the original materials and techniques were utilized for continuation of the original state from cultural and historic point of view. In the planning of restoration works, they took into account not only the cultural values but also the building's performance, however, such significant problems were caused during 10 years. On the other hand, there found neither damage nor deterioration in the parts improved for reconstruction and for practical use. In particular, improvement for practical use was quite effective in availability for the owner.
  • 杉江 夏呼, 中谷 扶美子, 茂木 真幸, 永井 香織
    日本建築学会技術報告集
    2020年 26 巻 64 号 1242-1245
    発行日: 2020/10/20
    公開日: 2020/10/20
    ジャーナル フリー

    OKURA MUSEUM OF ART was built in 1927, so it has survived for nearly 100 years. It’s time for the renovation of the copper sheet roof. The roof of OKURA MUSEUM OF ART has the jade emerald rust. It takes a long time for a copper sheet roof to become coated with green rust. A copper sheet roof with beautiful green rust has precious value. We have developed a new method which repairs the copper sheet roof. This new method of repairing overlap 2 of copper sheets on the original surface.

  • 自由学園を事例に
    厚味 英, 髙田 乃倫予, 山本 信次
    林業経済研究
    2023年 69 巻 2 号 43-51
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/11/12
    ジャーナル フリー
    学校林に関する研究は,その設立経緯から公立学校の事例が多く,現在の活動状況に関する報告は環境教育利用を中心とした「新しい学校林」を扱った事例に偏っている。一方で学校の基本財産形成を目的として設置された「伝統的な学校林」は利用が低調である。よって本研究では,伝統的な学校林を今後有効利用していくために調査の及んでいない私立学校学校林の現状と課題を明らかにし,学校林の抱える課題や解決方法を抽出することを目的とした。調査対象は
    学校法人自由学園
    であり,調査方法は文献収集と整理,半構造化インタビューによる聞き取り調査,現地踏査である。その結果1950年の植林開始から生徒が造林・育林作業を担い現在も実施していること,学校林の木材を用いて校舎建築や木工品製作が行われていることから,森林造成から木材生産という一連の流れが学校教育に直結していることが確かめられた。こうした活動が可能な理由として,教員の長期在籍,独自のカリキュラムでの活動展開,教育理念に沿った活動展開という私立学校の特徴が関係しており,これらを参考した新たな仕組みの構築や応用が公立学校学校林の抱える問題解決する要素の一助になると考えられる。
  • 吉川 慎平, 小田 幸子
    生活大学研究
    2022年 7 巻 1 号 108-112
    発行日: 2022/05/07
    公開日: 2022/05/07
    ジャーナル フリー
    自由学園(以下,本学)の環境に関わる学びを支援する環境文化創造センターでは,2019年度に全校の教育・研究・マネジメントに供することを目的に,既設の気象観測機器を全面更新する形で本学南沢キャンパス(東京都東久留米市)の最高学部(大学部)エリアに,高精度の気象観測システムを導入し,「自由学園水文・気象観測システム(以下,本システム)」として2020年1月1日から運用している.観測項目は気温,相対湿度,降水量,風向,風速,気圧,日射量(2020年7月1日から)の7要素で,各センサーからの信号を10分毎に自動集計記録し,データはインターネットを介してクラウドサーバーへ送信され,随時閲覧・利用が可能な状態としている.また気象業務法第6 条・9条に基づき,参考値を除き本システムで用いているセンサーは「気象庁検定」を受けており,所管の東京管区気象台(気象庁)に「自由学園南沢キャンパス屋上露場」として設置届出を行っている.また屋上露場の補完地点として,同キャンパス内に地上露場を設置し,2021年1月1日から運用している.本稿は,学内外の教育・研究用途に供することを目的に,2020(令和2)年の「年報(No. 1・創刊号)」として,2020 年1月1日から12月31日まで366日間の屋上露場7要素の観測結果概要,並びに観測の方法等について取りまとめたものである.
  • 吉川 慎平, 小田 幸子, 鈴木 祐太郎
    生活大学研究
    2023年 8 巻 1 号 64-71
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/08/04
    ジャーナル オープンアクセス
    自由学園(以下,本学)の環境に関わる学びを支援する環境文化創造センターでは,2019年度に全校の教育・研究・マネジメントに供することを目的に,既設の気象観測機器を全面更新する形で本学南沢キャンパス(東京都東久留米市)の最高学部(大学部)エリアに,高精度の気象観測システムを導入し,「自由学園水文・気象観測システム(以下,本システム)」として2020年1月1日から運用している.観測項目は気温,相対湿度,降水量,風向,風速,気圧,日射量(2020年7月1日から)の7要素で,各センサーからの信号を10分毎に自動集計記録し,データはインターネットを介してクラウドサーバーへ送信され,随時閲覧・利用を可能な状態としている.また屋上露場の補完地点として,同キャンパス内に地上露場を設置し,2021年1月1日から運用している.なお,気象業務法第6 条・9条に基づき,参考値を除き本システムで用いているセンサーは「気象庁検定」を受けており,所管の東京管区気象台(気象庁)に「自由学園南沢キャンパス屋上露場」,「自由学園南沢キャンパス地上露場」としてそれぞれ設置届出を行っている.本稿は,学内外の教育・研究用途に供することを目的に,2021(令和3)年の「年報(No. 2)」として,2021年1月1日から12月31日まで365日間の屋上露場7要素,地上露場8要素(参考値)の観測結果概要,並びに観測の方法等について取りまとめたものである.
  • 教科横断型実践の事例検討を通して
    高野 慎太郎, 津山 直樹, 成田 喜一郎, 上條 由貴
    生活大学研究
    2022年 7 巻 1 号 82-101
    発行日: 2022/05/07
    公開日: 2022/05/07
    ジャーナル フリー
    本研究では、アクティブ・ラーニングの再検討に向けて、人間史学習を中核とした教科横断型実践のカリキュラムの創発過程について、学習指導案や授業資料などのドキュメントデータから明らかにした。これによって、授業方法論の開発者が現場の実践から影響を受け、方法論の問い直しや定義の更新を生じ、それが再び現場の実践にフィードバックされる過程を確認することができた。加えて、創発された教科横断型実践の実態についても、これまでになされてきた教科横断型実践との差異を明記しながら、可能な限りのドキュメントデータの提示とその詳述を行った。これによって、実践者同士が「観」を語り合い、ボトムアップで共通の学習テーマを設定し、「社会不安」という教科間の接点を見出しながらカリキュラム創発がなされている点が明らかとなった。こうした記述を通した全体からは、実践研究の水準においては、実践者と方法論の開発者における相互作用的なカリキュラム創発の過程が示され、また、授業実践の水準においては、アクティブ・ラーニングの諸課題を克服する実践の方向性が示されている。
  • 菅原 然子, 村上 民
    デジタルアーカイブ学会誌
    2022年 6 巻 s2 号 s91-s94
    発行日: 2022年
    公開日: 2022/06/13
    ジャーナル オープンアクセス
    J-STAGE Data

    学校法人自由学園
    は創立100周年を迎えた2021年、デジタルアーカイブ「自由学園100年+」(https://archives.jiyu.ac.jp/)を開設した。歴史資料のデジタルアーカイブでの公開は、資料目録のデジタル化とその検索ツールの提供が主だが、今回はそれだけでなく、当学園の特徴を分かりやすく伝えられるよう、一般的に親しみやすい年表、地図、「学園新聞」、写真を切り口に、多くの方に利活用を促すような機能を入れて構築したことに特色がある。特に年表と地図は、年表の事項を繋ぎ役として、両者をシームレスに行き来できる構成とし、学園の歴史を時間と空間の両方からとらえられる工夫をしている。現在、私立・国公立を問わず教育機関の建学の理念、およびその歴史的展開に関するアカウンタビリティが重視されているが、特に私立学校においてはそれらを学内外に公開し、広く共有していく意味は大きい。本発表ではその一つの実践例として、デジタルアーカイブによる発信方法について企画から構築、公開までの流れを中心に報告する。

  • −重要文化財自由学園明日館の保存再生 その3−
    杉江 夏呼, 花里 利一, 有賀 寛, 堀米 純子
    日本建築学会技術報告集
    2012年 18 巻 40 号 1113-1116
    発行日: 2012/10/20
    公開日: 2012/10/20
    ジャーナル フリー
    It seems to be difficult for owners to maintain their modern historic architectures of important cultural properties from an economic point of view. Active use of those historic buildings can make their owners to continue the business economically. Jiyu Gakuen Myonichikan is introduced in the present study to review how it has been utilized for 10 years since the restoration works. The initial estimation considered in the restoration project was compared with the actual records of the utility. The results of our survey demonstrate that the achievement of the utility during 10 years has been successful as business.
  • 国語科・地理歴史科の教科横断型実践を事例に
    高野 慎太郎, 津山 直樹
    生活大学研究
    2021年 6 巻 1 号 56-75
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/04/21
    ジャーナル フリー
    本研究は、子どもの声を反映した教科横断型カリキュラムの創発過程を分析することによって、生徒と教師における中動態的関係を明らかにするものである。そのために、アクティヴ・インタビューによって得られたデータの分析を行う。教科横断型の授業においては、生徒と教師の間だけでなく、教師と教師の間にも中動態的な関係性が現れる。アクティヴ・インタビューからは、そうした輻輳化した中動態的な関係の中から新たな実践が創発される様子が明らかとなっている。また、教科横断型の授業による効果としては、「地理で情報を得て、考察を国語で行う」「教科横断によって問いを持ち越すことができた」といった生徒の語りに象徴されるような、各教科の特性と限界を補完しあう形での相乗効果が見受けられた。
  • 映画『タネは誰のもの』への教育現場からの応答
    高野 慎太郎
    生活大学研究
    2022年 7 巻 1 号 123-138
    発行日: 2022/05/07
    公開日: 2022/05/07
    ジャーナル フリー
    ESD:Education for Sustainable Development:持続可能な開発のための教育やSDGs:Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標の大流行を背景とした環境教育の実践が盛り上がりをみせる一方で、人々の環境意識が軒並み低下しているのはなぜか。本稿は、これまでの環境教育が見てこなかった指標を参照しながら人々の環境意識の実態を捉えたうえで、授業の時空のみに留まろうとする環境教育を排し、生活や生き方といったキャリアの時空まで教育意図が貫徹するための方法論として「グリーンガイダンス」の概念セット(理論・機能)と実践例を提案するものである。なお本稿は、映画『タネは誰のもの』(原村政樹監督、2020 年公開、きろくびと配給)DVDパンフレットによせた文章に加筆したものである。
  • 若林 邦民
    Finex
    2001年 13 巻 78 号 34-37
    発行日: 2001年
    公開日: 2020/06/23
    解説誌・一般情報誌 フリー
  • 吉川 慎平, 村上 民
    生活大学研究
    2021年 6 巻 1 号 143-147
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/04/21
    ジャーナル フリー
    1921年創立の自由学園は、2021年に100周年を迎えることを記念し年史編纂事業を進めている。その成果の一部はWebでの公開を計画しており、100余年分の詳細な基礎年表(レコード数約3,000件)がコアのコンテンツとなる予定である。一方、自由学園は小規模学校ながら全国各地で教育活動が展開したという特色があり、これを効果的に表現する方法として、各レコードに位置情報を付与し、Web GIS等の技術を用いることで、100 年間の教育活動を時空間的に可視化できないかと考えた。本稿では100年史関連論考として、自由学園基礎年表情報の空間分析結果と空間的可視化の試行結果について示す。
  • 下村 英雄, 高野 慎太郎
    キャリア教育研究
    2022年 40 巻 2 号 45-55
    発行日: 2022/03/31
    公開日: 2022/04/13
    ジャーナル フリー
  • 自由学園資料室の親組織への資料活用活動から
    菅原 然子
    生活大学研究
    2021年 6 巻 1 号 44-55
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/04/21
    ジャーナル フリー
    アーキビストとは、ある組織体の記録資料を管理し活用するための任務にあたる専門職員のことを指す。歴史ある私立学校の多くは、常に創立者の理念を継承し、その現代的な意味付けについて考察することでアイデンティティの確立を行っている。それは、教職員、在校生、保護者など、組織に属するすべてのメンバー内で共有され、検討されていく。本論は筆者の勤務先である私立自由学園をフィールドに、私立学校の組織運営に、アーキビストがどのようにかかわっていけるかを、親組織への資料活用活動を主軸に検討する。1921年、ジャーナリストである羽仁もと子・吉一夫妻によって創立された自由学園は、2021年に創立100周年を迎える。創立者を直接に知る卒業生が少なくなる中、本校教職員中卒業生は約半数となり、過去を知るための道具として学校アーカイブズズの必要性は増している。機関アーカイブズ、収集アーカイブズ1から成る、トータルアーカイブズを、どのように提供していくことが親組織のためになるのか、具体的方法も併せて検討する。なお本論は、同タイトルである2019年度アーカイブズ・カレッジ(国文学研究資料館主催)の修了論文を一部改訂したものである。
  • 自由学園における農場・植林事業概説 (2)
    吉川 慎平
    生活大学研究
    2022年 7 巻 1 号 35-44
    発行日: 2022/05/07
    公開日: 2022/05/07
    ジャーナル フリー
    本稿を含む2編の論考「自由学園における農場・植林事業概説(1)~(2)」では、2021年時点で80年が経過した自由学園における農場、植林活動を一貫した「事業」として捉え、その歩みと現状を、資料・証言等に基づき通史的に概説することを目的とする。(2)の本稿では、自由学園の「植林活動」に注目する。 自由学園創立者・羽仁吉一による男子部創設の構想では、その教育環境として南沢キャンパス(東京都東久留米市)を本拠地としつつも工場、農場、そして山林(植林)が挙げられた。工場は南沢キャンパスで、農場と植林は那須で実現した中、今日に続く山林での本式の植林活動は、戦後に開始。荒廃した国土の保全という時代の要請もあり、男子部卒業生の教員らを中心に実行段階へと移され、その活動場所を広く求めていった。各地域の協力者の支援のもと、学園教育に対する地元自治体・関係機関の深い理解により、公有林・国有林を分収育林契約によって借り受けた、特例的ともいえる「学校林」の形が実現した。またその活動は海外や地域活動へと発展した。本稿では、1. 植林活動のはじまり、2. 戦後の社会背景と学園の動き、3. 各植林地の概要と展開、4. 植林活動の現状の4つに分けて全体像を概説する。自由学園最初の植林地である那須農場については、『自由学園那須農場80年通史―自由学園における農場・植林事業概説( 1)―』に記した。なお本稿は、『自由学園100年史』第III部第6章「植林活動 地域と共につくるキャンパス」の「増補版(100 年史関連論考)」と位置付けられる。
  • 吉川 慎平, 小田 幸子, 鈴木 祐太郎
    生活大学研究
    2023年 8 巻 1 号 72-80
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/08/04
    ジャーナル オープンアクセス
    自由学園では,2019年度に本学南沢キャンパス(東京都東久留米市)に,高精度の気象観測システムを導入し,「自由学園水文・気象観測システム」として2020年1月1日から運用を開始し,7要素について10分毎に気象データを蓄積している.従前はこうした連続データが得られなかったため,本学の実習・研究において気象データが必要な場合,専ら気象庁Webから5 km~10km程度離れた最近傍3地点(練馬・府中・所沢)のアメダスデータが参考値として代用(参照)され,3地点の算術平均を取るなどの方法が試みられた.しかしながら,そうした参照方法が妥当であるか詳細な検討が困難であった.現在,本学における実観測データが蓄積しつつあり,比較・検討が開始できる状態になったことから,本研究では気温・雨量に注目し評価することとした.相関分析等の結果から,アメダスデータ参照方法は概ね妥当であった.しかし,特に極値はばらつきが大きいため,参照に際しては地点ごとの傾向を十分に考慮する必要があることが分かった.同時に,こうした気象庁による地上気象観測の空白地帯において,より真値に近い値を得るには,観測要素ごとに個別の検討が必要である.今回比較検討した気温については,距離が近く同じ平野部であるなど一定の条件を満たせば,近傍地点から推定することもある程度可能であることが示唆された.一方,降水量については,距離が近く同じ平野部であっても,降水量分布の局所性から,一定の参照法を見出すことは難しいことが示唆された.以上から地上気象観測の空白地帯における気象現象をある程度推定することはできるが,それらの妥当性を評価するためには,最終的には実観測をせざるを得ない.これに鑑みると,気象庁基準に適合した気象観測システムを早晩導入し,実データで空間的に補完することが最も効率的であることが再認識された.
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